火星に住むつもりかい?

著者 : 伊坂幸太郎

• 光文社 (2015年2月18日発売)

感想・レビュー・書評

[ハルめめさんの感想 · 2023年11月1日]

表題の「火星に住むつもりかい」で、なんか楽しいファンタジー的なお話だと思っていたら、いきなりの拷問シーンとか…伊坂さんですよね？と思いながら読み進めました。それでもやっぱり伊坂さんらしい伏線が散りばめられ、そして回収の仕方はやはりお見事でした。

[八木橋幸子さんの感想 · 2023年8月2日]

伊坂幸太郎さん『火星に住むつもりかい？』

正義の味方が出てくるまではちょっと辛かった。人間の嫌な部分や悪い部分を描いた作品なので私的にはあまり好きではないです。
魔女狩りのごとく無実の人を拷問して斬首する話。そういう警察の部署ができてしまう話。

父が事件の容疑者扱いされたのを思い出しました。たまたま近くにいた無関係な父に執着している時点で警察が真犯人を捕まえるのは無理だろうなぁ…もしこれが世間が注目する殺人事件なら、目星い容疑者が出て来なかったら、冤罪でも父を犯人にするんだろうなと怖くなりました。幸い善良な人が多く無実が証明されたから良かったけど、誰かが父を陥れようと嘘をついたら…。

[てんぷらさんの感想 · 2023年4月9日]

平和警察の名のもとに次々に人を処刑していく世界。
話は読みやすく最後まで興味深く読み進められる。
救いのない描写も多く、愛らしい内容ではないので星3とした。

[so-kenさんの感想 · 2023年3月30日]

最後まで展開が読めず、ハラハラドキドキでページをめくってました。情報操作の恐ろしさ、異常な状況が当たり前になっていく。本作はフィクションなのに、こんな未来が想像できて怖くなりました。

[べーさんの感想 · 2023年3月22日]

「平和」「正義」「集団」「情報操作」について考えさせられる作品だった。

人は集団になり、ある情報が「正しい」とされてしまうと、それが本当は「おかしい、間違っている」情報であっても「正しい」情報になり得る恐ろしさがあるなと感じた。

読みやすくてサクサク読み進められた。

[❀なな❀さんの感想 · 2023年1月16日]

やーーーっと読み終わった久々な(気がする)伊坂作品。
ドキドキハラハラで面白くて、読むのが勿体無かった←
流石、伊坂幸太郎ワールド
他の方の感想を見ると、意外と否定的な感想もあってビックリ。
「多分この人どこかで……」という読み手を翻弄させる展開もあり、タイトルの意味も、伊坂先生の可愛らしい一面も垣間見えます。
中世の魔女裁判を参考に日本にも取り入れたら……という現実だったら本当に嫌な話でもあります(読書だからこそ、楽しめる世界!!!)
図書館で借りましたが、購入候補です♡

[cacoさんの感想 · 2022年12月10日]

他の人の評価が低かったのは意外だった。
設定は確かに怖い。平和警察のような監視社会は、実際ありそうに感じる。
でもかなり無理はある。現実的でない、と思いたい。
酷い拷問を想像させる描写も多々あった。
ただ、設定は設定であって、その状況下で人はどう考えてどう行動するか。そこに焦点をあてると、とても引き込まれた。
善意とは何か。良かれと思ったことが偽善と言われる。
偽善とは何か。単純に心の中では反対の感情なのに表面的に優しい行動のことだと思っていた。でも、その内面と行動の違いは自分しか分からず、他人の評価で決まるのも確か。それってとてつもなく切なくなる。正義もしかり。
どんなにいい人でも、死に方は選べない。だからと言って、普段から全力でしたいことだけをしてはいられない。
伊坂幸太郎さんの話だから、最終的には丸く収まると信じてたから最後まで読めた。
臼井と真壁のことは、引っかかりながらも気づかなくて、他の人の考察で知って納得。
いい人が、底抜けにいい人という訳でない、人間味のあるところがよかった。
人に勧めたいし、また、いつか読み直したいとも思う。

[磐城高校図書館さんの感想 · 2022年11月4日]

913-I
人気作家コーナー

[pbh23864さんの感想 · 2022年9月11日]

軽快な文章や台詞回しも伊坂作品の魅力の一つだが、今作のような何処か重苦しい世界を書き連ねるのも、昔からの魅力の一つだと思う。

雰囲気は「魔王」、「モダンタイムス」に近いものを感ずる。何が「正義」なのか、「善い事」なのか。今の時代だからこそ重たくのしかかってくる問題を真っ直ぐに描く。

人物や世界観、結末まで含めて「ザ・伊坂作品」な一冊。誰かが読み終わるのは待っていられなかった。

[ゆーだいさんの感想 · 2022年9月5日]

最初はどうなることかと思ったけど、良かった
ひと安心

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。