- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344018853
感想・レビュー・書評
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幸福という尺度でいろいろなことを考えて本
意外と面白いです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
意見は分かれるかもしれないけど、が個人的にはすごく面白かった。
自己啓発とか、今の世論に違和感ある人には一読の価値あり。 -
面白そうな題名だったので図書館で借りて読んでみたが、意図が良くわからない内容であった。多くの引用と行動学の話がつらつらと述べられ結論はいたってありきたりなモノで新鮮味なし・・・。
暇つぶしに読み物といったところだった。 -
才能や性格や能力は、生まれ持ったものであるから、後天的に獲得・改造できるものではない。著者は、言ってみれば身もフタもないような残酷な事実を突きつけ、巷間の自己啓発ブームに警鐘を鳴らす。
薄々感づいていても、口に出してしまうと絶望的ではあるが、全てが人より絶対的に優れていなければならないわけではない。皆が皆、医者や弁護士になれるわけではなく、マックの店員や、八百屋だって必要だ。
グローバル化によって、世界中の市場で、労働の価格競争が行われている。同一の労働に対して、世界中で同一の賃金が払われるような均衡点に向かって、途上国の賃金は上昇し、先進国の賃金は下落していく。
この中で人生というゲームの自由度を増やしたければ、内側に閉ざされた会社の中で評価を上げるのではなく、開かれたグローバル市場で評価を獲得することだ。
これを著者は、「伽藍を捨ててバザールに向かえ」と表現する。(「伽藍とバザール」の表現は、もともとオープンソースのOS、リナックスについて書かれた論文から来ている。)
また、もうひとつのメッセージとして、「恐竜の尻尾のなかに頭を探せ」と言う。現代は、iTunes・Amazonなどの「ロングテール」ビジネスのように、僕らも個人単位で小説・マンガ・映画などの自分の好きなこと、自分らしさから収入を得ることができる環境にあるのだ。これを利用して世界に飛び出そう!というお話し。 -
納得。
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■幸福の定義として、
お金よりも、他人からの評判や注目を、ものすごく気にする。
それはヒトとしての本性に基づいたものをであり、
他人からの多くの好意的な評価を受ける事を、最大の幸福とを定義した。
そこまでの前置きがひたすら長かった。
そのための、現代的な方法を
①フリーな情報社会へ出ること。
②ショートヘッドを目指すこと。
※ただ、好きな事で、収益化の仕組み(工夫)を自分で設計する事を必要としている。
辛辣な客観的事実を提示しつつも、
読者に希望が持てる方法論を提案している。
説得力ある論旨で、行動を喚起する内容の為、星5とした。 -
今の世の中での生き方について、客観的に書いてあって面白い。
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● 会社はヒエラルキー構造の組織で、社員は給料の額で差をつけられるのだから、なんらかの評価は必要不可欠だ。その基準が能力でないならば、人種や国籍、性別、宗教や思想信条、容姿や家柄・出自で評価するようになるだけだ。すなわち、能力主義は差別のない平等な社会を築くための基本インフラなのだ。
● 現代の貧困とは、たんに金銭的に貧しいだけではなく、愛情空間や友情空間を失い、裸のまま貨幣空間に放り出されることなのだ。
● 日本の会社は、社員という共同体(コミュニティ)によって構成されている。そこでの人事は、経営者や人事部が一方的に決めるのではなく、「あいつは仕事ができる」という社員コミュニティの評判によっている。日本企業が社員を極力平等に扱い、昇級の際のわずかなちがいによって評価を伝えるのは、「評判獲得ゲーム」が金銭の介在によって機能しなくなることに気づいているからだ(これが成果主義が嫌われる理由だ)。
● 参加も撤退も自由な市場(バザール)では、ネガティブ評価は役に立たないからだ。ところが退出の許されない閉じられた空間(伽藍)では、ネガティブ評価がきわめて大きな効果を発揮する。
● このことを、リーナス・トーバルズはちゃんと理解していた。ヒトの社会では、「評判」は貨幣よりもずっと価値が高い。評判が瞬時に広まるネットワーク社会が誕生して、その差はますます大きくなっている。 -
橘玲なので期待したけどなんともない話だった。読んでも何も身に付かないけど今の世界の見方は考えさえられる所がある。
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タイムシェアリゾートは割高 一週で500万 一年で2.6億
無意識にあるのはエディプスコンプレックスではなく、「幼年時代を共有した異性とのセックスを避けよ」という指令だったのだ -
「残酷な世界」の仕組みを、煽るでもなく淡々と説明していて、みんなが信じている(信じたい)建前をどんどんと切って捨てて行く。やっぱ世の中ってそうだよな、と思いつつ最後は希望も投げかけてくれる。(この方法が気にいらない人もいるかもだけど。)
色んな人に読んで欲しい本。特に子供を持っている人に。 -
橘玲さんの最新作です。毎回目からウロコが落ちる内容が満載ですっかりファンなのですが、今回も期待に外れず知的好奇心を満たしてくれる内容でした。ちょっとひねくれていて、それでいて本質を突いているところがいい。カツマーVSカヤマーのバトルにも触れられていたりして、この辺はブログにも飛び火してたみたいなのでハラハラしながら読んだ。それはどうでもいいとして、ご本人は、自己啓発への疑問から本書を書いたという。本当に努力すれば能力開発できるのかと。一般常識に対する素朴な疑問は見過ごさず掘り下げることが大切ですね。
結論:「伽藍を捨ててバザールに向かえ。恐竜の尻尾のなかに頭を探せ」
意訳すると、自分の好きなことでビジネスモデルを作り、Webを活用してマーケットを広げてニッチ分野のトップを目指せ、ということ、かな。
やはり今の残酷な世界で生き延びるための成功哲学はこれなんだなーと痛感。
組織の中でリストラにおびえるよりも、フリーエージェントやマイクロ法人でビジネス展開した方が、自由と幸福を最大化できるということはなんとなく実感できる。 -
巷にあふれる「自己啓発本」は、能力は開発できる、自分は変われる、他人を操れる、幸福になれる、と謳っているが、著者はこれを「やってもできない」と言い切る。知能や能力は遺伝で大部分が決まると。では大多数の「ダメな」人びとは生きていけないかというとそうではなく、そのための哲学が「伽藍を捨ててバザールに向かえ。恐竜の尻尾のなかに頭を探せ。」途中の説得力に比べると結論は少々物足りないけれど、全体として言葉にしづらいモヤモヤをズバッと言い切っているのには好感が持てた。
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読み物として面白かった。
ただ、ブログでの紹介は見送り、ということで。 -
文章は読みやすい。自分が知らないとが多く書いてあり勉強になった。
ただ、結論は腑に落ちない感じ。 -
ニッチを攻めろという結論は良いと思うのだけど、そこにいたる議論の道筋が予定調和的であまり納得感がない。
遺伝決定論というのは事実だとは思わないし、事実だったとしても現在の状況でそれを信じて行動するのは大変不合理だと思う。
パスカルの神と一緒の理由で。 -
きれい事ではなく、この世の中の仕組みについて述べられた本。
少し前にブームになった、自己啓発の系宗教家(某経済評論家女史など)の建て前論の矛盾をズバズバと論じてくれるこの本は、実に痛快だ。 -
立ち読みで読了。なので、深い読み込みは不足。ですが、興味深い内容でした。自己啓発、能力開発は無理だと説き、自分の立ち位置で努力することを説いていると読めました。今までの自己啓発本などに胡散臭さを感じる人には良い本だと思います。
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友人にすすめられて読む。
結論までの話が長いわりに結論があっさりしているが、それぞれの話は勉強になるし、結論にも共感がもてました。
[2010.12.7] -
人間の能力は遺伝でほとんど決まっており、能力がない者が努力しても無駄である、という大胆な主張をしている本。
そのような残酷な世界で幸福になるためにはどうしたらいいのか。
筆者は、ヒトの社会では「評判」は貨幣よりもずっと価値が高いという考えに基づき、金銭の多寡は気にせず(もちろん多い方が良いが)、自分にとって比較優位にある分野を仕事にし、みんなから評価してもらうことが幸福への近道だと言う。これはもっともだと思った。
筆者は具体的な生き方として「会社という組織にとらわれず、インターネットという現代の自由で効率的なインフラを活用してビジネスモデルを設計し、あなたに合うニッチなところで評価してもらえ!」といった趣旨のことを述べているが、これはあくまで一つのモデルであって、他にもやり方は色々ある気がする。 -
ちょっとハナシは発散気味だがいつもの感じで楽しく読めた。最後のハナシの持って行き方にはちょっと無理を感じる。
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努力によって、自己啓発や能力開発なんてできないようになっている。
かといって、努力することなくまた能力なし、スキルなしでも生きていけるわけでもない。
「好きを仕事にする」という考え方に賛同できるし、そこでのポジションの取り方、稼ぎ方にも賛成。
具体的な方法は自分で考える必要があるが、漠然と何やっていいかわからないでいる人こそ読むべき一冊。
同じ著者の『貧乏はお金持ち』は、この本より後に読むといいよ。 -
伽藍を捨ててバザールに向かえ!恐竜の尻尾の中に頭を探せ!
という帯に興味を持って買った本。読み始めたら面白くてすぐに読んだ。
自己啓発ブームを切り捨て、「やってもできない」と言ってのける。話の展開と引用事例が多岐にわたっており飽きさせない。結論は…意外と普通だったな。 -
結論部分は陳腐だが、進化心理学などを援用しつつ、新しい人生観を提示してくれて、なかなか刺激的。紹介された著作の中には、これまで自分が読んだことのあるものも多く、著者と関心が重なっているのも、うれしい発見だった。
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物質的に豊かになった社会や核家族化の進んだ社会では、人と人とのつながりが薄くなる。失われつつある地縁社会、それを代替していた会社共同体の弱体化、そして更なる論理的帰結が人々の生きる社会をきれいに写し出している。とても考えさせられた一冊。
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結論はそんなに目新しくないかなぁ・・・
さまざまな事象を、社会心理学と経済学を切り口に説明しているのは、読み物として楽しめたが、引いているのはどれも定番的理論。その分野にある程度知識のある人にとっては、「目から鱗」もそれほどない感じ。
でもまあそれなりに楽しく読めるので、肩の力を抜いて人生観について考えるにはよいかもです。