- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344018853
感想・レビュー・書評
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前提として知っておきたい話。
そして、その上で何をするか。 -
書店に並ぶ自己啓発本に飽き飽きした時に見つけて、読んでみた。
読んだ感想としては、冷静に現状を見つめ、何が出来ないかを意識させてくれる本でした。
自己啓発での決まり文句のひとつである、「やればできる」。これに対して、著者は遺伝と思春期まで過ごした社会(子ども)環境で能力や考え方がほぼ決まると、説明し、前者を否定。
遺伝や子ども時代の環境に影響されることについては、事例や学説を根拠づけて説明。
そして、これからは己が好きなこと、得意分野で勝負すること。その分野でも自分の好きな分野(音楽ならレゲエとか)でトップを目指し、生きて行くことが望ましいと結論づけている。
ドラえもんで、デキスギくんは論理的思考力が発達している。ジャイアンは運動能力。しずかちゃんは音楽の才能が高い。
しかし、ジャイアンは運動能力は高いが、プロ野球選手にはなれない。
しずかちゃんもバイオリンで世界で活躍することは出来ないだろう。
だがそれぞれの得意分野を活かせるフィールドは必ずある。
たとえばしずかちゃんならオーケストラで演奏を目指すのではなく、結婚式で相応しい曲を演奏するなど。
なぜなら多くの方がいる世の中で、自分の嗜好と同じ方はいる。必ずひきよせられる。
市場は小さいかもしれないが、GoogleやSNSを利用することで、そのようなニッチ市場を開拓するチャンスはある。
好きを仕事にしたいなら、ビジネスモデル(収益のしくみ)を自分で設計しなければならない。
昨今、SNSの利用により、多くの人と会い、刺激をうけ、またフリーエージェントを求める風潮があると個人的には思う。
そのような中で、「ちょっと待て。あなたの能力が活かされる分野、あなたが好きなことはなんですか?」を冷静に考えさせてくれる本。
あなたの出来ないことは?好きなことは?
メモ
「こころは、相手の気持ちがわかる機能を持つ」
豊かな社会ではお金よりも評判のほうが魅力的になる。 -
結論に到達するのにずいぶん遠回りしてきたなぁという印象。遺伝子レベルの話がけっこう多いので好き嫌いが分かれるかも。僕は好きです。
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ハワイのタイムシェアがお得でないことの説明に
思わず納得しました。
また人は「自分が特別」という意識があるというのも
興味深いです。例として宝くじ。
この本では「聞いたことはあるけれどそこまでは知らなかった」
というような話もたくさんありとても参考になりました。
学生の頃にこういう話をすでに知った上で社会人になると
いろいろ為になりそうですね。 -
①能力は後天的に向上しない,②自分は変えられない,③他人は支配できない,④幸福は他者評価である,⑤好きなこと=比較優位で生計を立てろ、(自分の好きなことで食っていけるビジネス・モデルを設計しろ。ということか)
その切り口・語りの平易さは、さすがやな。 -
恐竜の頭になろうー
いいこと、面白いエピソードがたくさんありすぎて頭にのこらない。
様は、ニッチ市場を自分の得意で好きな分野で探して
仕事にしなさいっていう内容。
自分のことを振り返る。
特に秀でた特技がある訳ではないが、
サラリーマンでなかったら退廃的にダラダラするだろう。
何かを課せられるとそれを超えようと
やってやる、という半分喧嘩腰でやる。
できた時にはどや顔で発表することが、
おそらくすっとして大好き。
バラバラな事象をシンプル化して整理してシステム化することも
熱中する。だから今の仕事内容はある意味自分にあっているのかな。 -
今、世の中で起きていることを俯瞰して論じている点で大変わかり易かったです。
著者の本は何冊か読んでいるが、いつも身近な例や話題を使って説明してくれるので、難しい話も少し簡単になっている。
この本で記されている事実・統計的データ・トレンドを知った上で、これから生きていくのと、まったく知らずに生きていくのでは大きな差があると思う。
とりわけ、自分は無駄な努力をしない。すべきではない。ということを意識していこうと思う。 -
最初と最後を読めばいい本。<br />中盤は、いかに残酷かの説明(印象付け)と結論の補強を書いているように読めた。<br />最初と結論は大筋で合意出来たから、中盤は僕にはいらなかった。<br />また、この結論(生き延びる方法)もかなり大変だと感じた。<br />いったい誰に向かって書いたのだろうか?
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努力して能力開発を勧める書籍が流行っているがDNA的に見れば、先天的にプロフェッショナルとなるための優劣はきまっており、自分のエッジがどこにあるかを知ることが必要である。資本主義経済では論理数学的知能、対人的知能にエッジがあれば金銭的価値を生む可能性が高まる。
IT技術の高まりにより評価を得る、または失う仕組みが出上がっている。またそれはこれまでの村社会ではなく、バザール=開かれた市場での評価を得る仕組みだ。人間の幸せは金銭だけではなく、評価を得ることが大きな要因となっており、詰まるところ、好きな事をして評価を高め、それを金銭的につなげることが大切だとうたう。
様々な心理学(フロイト、進化心理学)や経済学(比較優位、レモンの市場、囚人のジレンマ、ゲーム理論、スモールワールドなど)の概念を用いて説明している。それぞれの概念が説明する先は何か、念頭に置きながら読み進んだほうが◎ -
結局私はこの残酷な世界でどうやって生きていけばいいか途中でよく分からなくなりました。ついていけないのは自分のせいか…?
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残酷な世界について論じ、その中で生き抜いていく考え方を訴えている本。
愛情/友情/貨幣などの空間で論じている内容はわかりやすい。
残念なのは、肝心の結論が前の章に比べて、物足りないところです。 -
あとがきの「フリーエージェントからスモールカンパニーという生き方」が購入の決め手になりました。
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ずっと読み返していきたい本です。
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橘氏の本は既に数冊読んでいるが、相変わらず読みやすくて、面白かった。しかし、タイトルは少し大げさで実際の内容とはギャップがある。「たったひとつの方法」らしきものについての記述は、ほんの少し最後に書かれているだけ。それ以外は、「残酷な世界」に対する氏の洞察が延々書かれている。ちょっと哲学的なところもあって、もう少し具体的に「方法」について書いてあれば良かった。
純粋に、読み物としてはとても楽しめた。 -
やってもできないので
比較的優位性に頼って生きていきますかな -
行動遺伝学から身体的特徴だけではなく、知能や性格なども遺伝することが分かってきている。知能の70%は遺伝によって決まる。比較優位があるおかげで能力競争で一番にならなくてもみんなが仕事を得ることができる。グローバルな市場で労働規制が撤廃されると貧しい国の膨大な人たちが比較優位を生かして今より良い暮らしができるようになる。
グローバルな資本主義社会ではクリエイティブな仕事とマックジョブとに2極化する。誰もが医者や弁護士になれる能力を持っているわけではない。ただ比較優位があるので自分の好きな仕事をしていればマックジョブの様な退屈だが決まった賃金をもらえる様な仕事をすることは避けられる。例えばバイク便の仕事の様に。好きなことが市場で評価される訳ではない。 -
①能力は後天的に向上しない,②自分は変えられない,③他人は支配できない,④幸福は他者評価である,⑤好きなこと=比較優位で生計を立てろ,という感じかな。①から③の世界の残酷さの分析は鋭い。正確に言えば鋭いのはその分析ではなく語り口。みんな感じていることを,道徳的・政治的正しさ抜きに正面から扱っている。特に,「友だちのいない世界」という指摘は秀逸。ただ,⑤が現実に「たったひとつの方法」としてどれほど救いがあるのか,世界の残酷さが明晰に示されていることで,逆に疑問だったり。まぁ,本書の趣旨は残酷な世界を「生き延びる」ことだから,それしかないって言われればそうなんだけども。
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勇気づけられる本。
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いろいろな視点で書いてるがタイトルどおり。
ITは先をいく生き方も提示してるんだなと思った。
技術者への報酬のありかたとか特に。 -
特別な能力がない人でも、生きていける戦略が書かれている点がよい。
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タイトルに惹かれて、ストレートな人生指南書あるいは自己啓発書だと思って読んだ人にとっては、あるいは期待はずれな内容かもしれない。
個人的には、すぐれたブックガイドだと思って読んだ。自己啓発、ビジネス、歴史、小説、コミック、進化論、生物、テクノロジーなど、あまたのジャンルの本の魅力的な断片が著者によって編まれ、それらの細かいモザイク状の情報群がラストでぼんやりと結論めいたものを形作るという体裁になっている。
その断片の中には、内容が気になって原本に当たりたくなるものも少なくない。たとえば、「子どもの教育に親はほとんど関係がない」(!)や、「日本人はアメリカ人より個人主義」、「報酬は課題に取り組むモチベーションを下げる」など、自分の中の凝り固まった定説を覆すかもしれない説を唱える書籍たちだ。そうして、本を読み終えるころには、手元に次に読むべき本のリストが膨大に溜まっているというわけだ。
それらの「新説」にまつわるデータや研究結果を読むにつれ、自分はもしかしたら、実在しない枠の中で窮屈な思いをしていたのではないか、という気がしてくる。それが、この本がおそらく最も言いたいことであろう「自由」をつかむために最初に行うべき、自らの小さな開放なのかもしれない。 -
橘玲はすごい
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未入手
期待度★★★★☆(なか見!検索にて)
以下内容より
ワーキングプア、無縁社会、孤独死、引きこもり、自殺者年間3万人超など、気がつけば世界はとてつもなく残酷。だが、「やればできる」という自己啓発では、この残酷な世界を生き延びることはできない。必要なのは、「やってもできない」という事実を受け入れ、それでも幸福を手に入れる、新しい成功哲学である。
以下特に気になる目次を抜粋
こころは遺伝するのか?p28
「やってもできない」成功哲学p35
「やってもできない」には理由があるp40
好き嫌いはなぜ生まれるのか?p43
差別を擁護する良心的なひとたちp66
自分を変えようとした男p103
親しい友人はなにもしてくれないp141
平等も格差も遺伝子に刻印されているp207
ぼくたちが不幸な理由p209
日本的雇用が生み出す自殺社会p225
君にふさわしい場所p259 -
独立自尊の思想を現代という時代背景から考えると、こういう結果にならざるを得ないのでは。とそんなふうに思いました。
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いわゆる自己啓発系を軽く批判。誰でも努力すれば同じ地点に到達できる訳ではないから、自分の好きなことや得意な分野で生きていけるためのニッチマーケットを見つけることを推奨していて、ちょっと前に読んだ「週に4時間」と結論は似てる。そういう生き方、なかなか難しいよな、と。
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巷にあふれる自己啓発系の本を真っ向から否定するところから入るこの本。お金がイコール幸せではなく、信頼、評判が幸せにつながるという著者の主張は著者がお金に関する専門性があるだけに説得力がある。
ロングテールの中に存在するショートヘッド部分をいかに見つけてグローバルな視野でそれを獲得していくか。これに賭けたい。 -
現代における幸せな生き方とは何かを追求した書。
愛・友情・評価・金・地位 なにを求めればよいのか。
以下、印象に残った箇所まとめ。
・わたしが変われば、たしかに世界は変わる。だが残念なことに、わたしはそう簡単には変われないのだ。 p109までの結論。
・友達は、時間と場所を共有していなくてはならない。だから友達は学校でしか生まれないし、友達を維持するのは難しい。 p112
・「愛情空間」と「貨幣空間」
・たくさんの弱い絆の向こうに大きな鉱脈が眠っている。親しい友だちはリスクを恐れて何もしてくれない。p143
・富を得る手段。1.相手から奪う(権力ゲーム) 2.交易する(お金儲けゲーム) p144
・特別な自分には特別な出来事が起きて当たり前と妄想している。p184
・ヤクザは、刺青のような一目でわかる外見によって警告を与え、一般市民との無用の衝突を避ける。p198
・社会環境はものすごい勢いで変わっていくけれど、進化のスピードはおそろしくゆっくりだ。
→石器時代のココロを持ったまま、情報が高速で飛び交う超近代都市で暮らさざるを得なくなった。
・他者の承認: 人は常に他者の承認を求めて生きている。ダレからも認められなければ、どれほどお金があっても全然幸福ではないのだ。p219
・金銭的な成功を目的にゲーム本来の面白さを踏みにじると、どんなに社会福祉に貢献しても、最低最悪の評価しか得られないのだ。p221
・幸福の新しい可能性を見つけないのなら、伽藍を捨てて、どこまでも広がるバザールへと向かおう。
・幸福になるためには、快楽だけでは足りない。
・安心を得ることは、幸福の大事な条件の一つだ。 p233
・お金は幸福をむしばんでしまう。
・人の社会では「評判」は貨幣よりもずっと価値が高い。p247
・評判をめぐるゲーム自体に序列はない。p250 大富豪のゲームの方が大きな幸福をもたらすわけではない。
・ひとが幸福を感じるのは、愛情空間や友情空間でみんなから承認されたときだけだ。
・ジャンル分けは理論上どこまでもつづくので、いずれは誰もがショートヘッドになる。 p257
・「好き」を仕事にしたいのなら、ビジネスモデル(収益化の仕組み)を自分で設計しなくてはならない。 p261