空飛ぶ広報室

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344022171

感想・レビュー・書評

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  • タイトルからはわかりにくいですが、自衛隊の広報室を舞台にした小説です。

    主人公の空井はブルーインパルスの内示を受けていたにもかかわらず、日常でおきた交通事故に巻き込まれ、パイロットの道を絶たれます。

    広報室に移動した空井。
    広報室メンバー、テレビ局ディレクターの稲葉リカとの関わりをえがいたのがこちら「空飛ぶ広報室」です。

    ちなみにテレビドラマ版は見ていませんが、空井役が綾野剛さんとは知っていたので、読みながら想像していた空井の姿は綾野剛さんでした。
    脳内の綾野剛さんに癒されました(笑)

    自衛隊の広報室という正直なじみのない部署の話のため最初は入りにくかったですが、登場人物をとらえてからはおもしろく読めました。

    有川さんの作品には悪役がなかなか出てきません。
    こっちの面から見ると、なんだよ!?って思うヤツでも、別の面からみるとそういう事情があったのか…と納得したり。
    今回は稲葉リカがそんな人物でした。

    人生はこんな見方もあるよ、と教えてくれるセリフがいくつかあり、心に染みます。

    アンソロジーはまだ読んでいないものもありますが、これで有川浩さんの単行本作品は全部読み上げてしまいました。
    嬉しいというより、もっと読みたい!気持ちでいっぱいです。

  • 有川浩、お得意の登場人物ひとりひとりを大切にし、それぞれにスポットを当てて読者を物語に惹きこむ手法に今回もやられました。
    いろんな事情や背景がある中で、ああやって空自で時間を共にしているライブ感が文章を通して伝わりました。


    みんな最初はちぐはぐで、衝突を重ねていく人間くささ。
    そして、そんなことを乗り越えて、それぞれの想いが重なっていく様子は心がじんわりと暖かくなりました。




    この作品を通して、直視したくないような過去は目を背けがちだけど、きちんと向き合って折り合いをつけていくことの大事さを学びました。

  • 自衛隊がメインで楽しく読めた。航空自衛隊の広報室を通しての物語から自衛隊に対する新しい見方が持てた。良かった。

  • 「嫌われたからって生きにくくなるわけじゃないんだなぁ、オッサンは。そこが女性と決定的に違うとこ。世の中まだまだ女性には点が辛いし厳しいよ。特に働く女の人にはね」 (P254)
    「俺が言ったこと覚えてるか? 俺たちに暴論を攻撃する権利はないって」 (P377)
    「自衛官の缶メシが冷たいのは、被災者の食事を温めるために燃料を節約してるからです。僕らが冷たい缶メシを食べていることをクローズアップするんじゃなくて、自衛隊がいたら被災者は温かいごはんが食べられるということをクローズアップしてほしいんです。自衛隊は被災地に温かい食事を届ける能力があるって伝えてほしいんです。それはマスコミの皆さんにしかできないことです」 (P458)

  • 軽い文体で軽くない話を軽く描く、安定の有川節。
    あまり得意ではないけど、荻原浩と時々ごっちゃになるけど、つい手に取ってしまう。

    おそらく広報をしたくて航空自衛隊に入隊する人はいないだろう。
    そんな、特殊な組織の、特殊な部署が舞台。

    おそらくこの物語の中で、自衛隊の広報のあり方について隊員が述べていることが、彼らの生の気持ちだろう。
    作者が過去に書いた自衛隊ものを読んでいないため、作者の主観が多分なのかどうかは分からないが、少なくとも私には取材によって作者が代弁するに至ったように思えた。

    余談だが、構成や人物描写がテレビドラマ化を狙って書いたようにしか思えないな。

  • 内容紹介
    不慮の事故でP免になった戦闘機パイロット空井大祐29歳が転勤した先は防衛省航空自衛隊航空幕僚監部広報室。待ち受けるのは、ミーハー室長の鷺坂(またの名を詐欺師鷺坂)をはじめ、尻を掻く紅一点のべらんめえ美人・柚木や、鷺坂ファンクラブ1号で「風紀委員by柚木」の槙博己、鷺坂ファンクラブ2号の気儘なオレ様・片山、ベテラン広報官で空井の指導役・比嘉など、ひと癖もふた癖もある先輩たちだった……。有川浩、渾身のドラマティック長篇小説。

    内容(「BOOK」データベースより)
    元・戦闘機P(ファイターパイロット・29歳)meetsどん詰まりの美人テレビD(ディレクター)。E★エブリスタ連載に、「あの日の松島」を書き下ろした待望のドラマティック長篇。

    空井は広報室員としてマスコミ相手に自衛隊PR戦略を立案。最後はアイドル5人組をブルーインパルスに乗せて新番組での放映に成功。自衛隊嫌いだった新聞記者リカとのほのかなラブ要素も進行。最後の章は東日本大震災で大きな被害を出した松島基地であるが、自分や家族よりも地域の人々への対応を最優先した自衛隊の自己犠牲の精神をはじめ、過少、過悪評価されている自衛隊への援護射撃を小説を通して作者が行っている。

  • 私もこんな職場で働きたい! 心の持ちようが上昇気流になって、きっと素敵な人生が送れるよo(^o^)o

  • 自衛隊自体が社会からは国防や裏方になっていますが、そのさらに裏側の広報の話。着眼点が素晴らしい。
    当人をヒーローにさせるでもなく、マスコミの取材の定で紹介されるので、いやらしさが無い。泣けた。

  • 最後の”あの日の松島”では思わず涙ぐんでしまった。

  • 3回目
    文章はうまくない気がするけどおもしろい

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著者プロフィール

高知県生まれ。2004年『塩の街』で「電撃小説大賞」大賞を受賞し、デビュー。同作と『空の中』『海の底』の「自衛隊』3部作、その他、「図書館戦争」シリーズをはじめ、『阪急電車』『旅猫リポート』『明日の子供たち』『アンマーとぼくら』等がある。

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