逆転正義

著者 :
  • 幻冬舎
3.54
  • (32)
  • (111)
  • (114)
  • (20)
  • (2)
本棚登録 : 1254
感想 : 111
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344041554

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み

  • 見て見ぬふり
    保護
    完黙
    ストーカー
    罪の相続
    死は朝、羽ばたく

    何が正しいことなのか、
    どんなふうに行動すれば良いのか、
    思い悩んだ時に立ち止まり、
    考え直してみようと思わせてくれる物語たち。

    話を読んでいる途中ですら、
    いかに物事を一方向からしか見ていないのか、
    どれほど狭く偏った考えで暮らしているのか
    を思い知りました。

    悪とみなされた人に対してなら攻撃しても
    構わないという短絡的な考え。
    正当性を振り翳して誰かを攻撃することを
    正義と疑わない怖さ。

    これらを物語の中で改めて目の当たりに
    できてよかった。

  • ミスリードによる思い込みにより裏切られる結末。
    そんな短編集。
    読み進めていけば、当然裏読みもするのだが、少しずらしてくるところに著者のうまさを感じる。
    ACのCMで、「パイロットになりたい」と言った声が男性女性どちらに聞こえますか的な経験則によるバイアスを使った引っ掛けみたいな。
    CMに関して言えば、性別不明の子供の声にしか聞こえないのだけど。

  • Amazonの紹介より
    『同姓同名』が中国でベストセラー、TikTokで話題、中学生ビブリオバトルでチャンプ本に!
    どんでん返しの名手が仕掛ける常識がひっくり返るエンタメミステリ短編集
    SNSにも正義警察、正義中毒者が蔓延る現代ニッポン!
    「あなたはそんなに正しいの?」
    どんでん返された回数が多ければ多いほどあなたの頭は凝り固まっている!

    もくじ:
    「見て見ぬふり」教室のいじめ。僕は見て見ぬふりなんかできない!
    「保護」コンビニの前で佇む制服姿の女性。彼女を一人にはできない!
    「完黙」麻薬の売人。麻薬取締官に口を割るわけにはいかない!
    「ストーカー」人を殺めたトイレに男を入れてはいけない!
    「罪の相続」罪のない俺の息子が殺されたなんて許せない!
    「死は朝、はばたく」刑務所から出てきたら普通の生活を送っていいのか!



    なんといっても、目を引くのが表紙です。普通なら本の帯は下に位置するのですが、それで開くと、文字が上下逆になっています。ただ上下を逆にすると、帯が上に位置したり、題名の1文字目が上下逆だったりと読む者を惑わさせる作りになっています。

    全六作の短編集で、どのエピソードも、え!?と驚く展開でしたが、ちょっと苦味があって歯痒さの残る余韻でした。
    というのも、扱っているテーマが「いじめ」や「麻薬」、「ストーカー」など比較的暗めな雰囲気になっていました。

    どんでん返しはあるのですが、全てが明らかになったとしても、登場人物達にとっては、スッキリと解決した!というよりは、これからが大変なのでは・・と思ってしまいました。
    この作品の面白いところは、登場人物の視点によって、解釈が大きく違うということです。

    自分はこう思っていたけれども、相手は別のことを思っていたという真実に相手に対する理解の難しさを感じました。
    視点によって、解釈が違ったことにまんまと騙されました。

    どのエピソードも。なかなか自分の思い通りにはいかず、結果として良いも悪いも、とんでもない結果を招いているので、ミステリーを純粋に楽しむだけでなく、柔軟に相手と接することも大切だと感じました。

    真実が分かったとしても、個人的にあまり良い気持ちにはなれませんでした。それはトリックといったミステリーの面白みというわけではなく、その出来事の背景にある哀しみややるせなさ、後悔といった感情が入り混じって終わりを迎えるので、モヤモヤ感満載でした。

    自分の正義は本当に正しいのか?色々突きつけられたようで、考えさせられました。

  • 短編だけど起承転結がしっかりしていて読み応えがある。最初のいじめの話とラストの前科者の話が特に大逆転。逆転があるとわかっていて読んでも騙される!

  • 下村敦史の逆転正義を読みました。
    短編六話です。
    どれもタイトルのように、最後にどんでん返しがあります。
    短編なので、盛り上がりに今ひとつの処もありますが、最後の刑務所を出所した前科者の話は良かったです。
    鉄道員のように、話を膨らませて映画になりそうな話でした。

  • やはり下村作品は短編では魅力が半減する。どれをとっても盛り込み過ぎていて忙し過ぎる印象。やはり長編でじっくり書くスタイルがあっている。例外は最後の「死は朝、羽ばたく」で、これは面白かった。といってもこれも短編には勿体ない題材で、長編でじっくり読みたかったというのが正直なところ。

  • なるほど

    最近話題になった「真相をお話しします」
    が面白いと思った人は楽しめるだろうな

    というのが、最初の印象

    ミステリー初心者にはいいかも

    後半にいくほど面白く
    最後の短編が一番好きだった

  • 自分の人生でのどんでん返しはあまり望まないけど、小説ではたまにはそんな作品を楽しみたい。過去作の評価がそう高くはないが、どんでん返しの名手らしい著者の作品を初読してみたい

    #逆転正義
    #下村敦史
    23/8/23出版

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き
    #読みたい本

    https://amzn.to/3Ea2aXu

  • 感想|『正義の境界線について考えさせられた』

    ⭐︎普段の生活にはオリジナルな思考が反映していると感じさせられる一冊だった。普遍的な見方を利用して正義を振りかざし、自己正当化をして注目を集めていた。ただし、これは本当の意味での正義なのか?僕は、正義において「絶対」で「動かないものではない」と考える。そして、この考えについてこれからも頭に入れておきたい。なぜなら、変化は加速していくかもしれないから、、

  • 短編集。面白くて一気読み。
    一つ目を読み終えて、
    予想もしない結果になったことで
    「のこりの五つは結果を当ててみる!」と思いました。

    見事に外れました。
    「え!そうだったの?!」
    前に戻ってみました。

    読者の中に「予想通り」というかたがいるのか?
    他の皆さんのレビューを見るのが楽しみ。

    マザーテレサの名言とされる言葉
    (実際は違う人みたい)

    思考に気をつけなさい。
     それはいつか言葉になるから。
    言葉に気をつけなさい。
     それはいつか行動になるから。
    行動に気をつけなさい。
     それはいつか習慣になるから。
    習慣に気をつけなさい。
     それはいつか性格になるから。
    性格に気をつけなさい。
     それはいつか運命になるから。
     

全111件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1981年、京都府生まれ。2014年に『闇に香る噓』で第60回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。同作は「週刊文春ミステリーベスト10 2014年」国内部門2位、「このミステリーがすごい! 2015年版」国内編3位と高い評価を受ける。著書に『生還者』『難民調査官』『真実の檻』『失踪者』『告白の余白』『緑の窓口 樹木トラブル解決します』『サハラの薔薇』『法の雨』『黙過』『同姓同名』『ヴィクトリアン・ホテル』『悲願花』『白医』『刑事の慟哭』『アルテミスの涙』『絶声』『情熱の砂を踏む女』『コープス・ハント』『ロスト・スピーシーズ』などがある。

「2023年 『ガウディの遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

下村敦史の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×