女の国会

  • 幻冬舎
3.95
  • (127)
  • (262)
  • (129)
  • (12)
  • (0)
本棚登録 : 2400
感想 : 209
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344042636

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「女に生まれてごめんなさい」
    お嬢と呼ばれる国会議員が、性同一性障害を苦にしたと思われる遺書を残して死んだ。彼女はなぜ死んだのか

    最後まで真相が分からず、最後に驚かされた。全く予想してなかった

    女性が直面するセクハラや偏見、差別。男性からではなくて同じ女性からも受ける
    「女性」国会議員、「女性」総理大臣、この女性という枕言葉がなくなる時代が早くくればいいのに

  • 面白かった!
    タイトルから、男社会の中でもがいている女性議員、あるいは女同士で蹴落とし合っている議員、そんなものを想像していました。いずれにしてもドロドロした感じです。
    しかし!とても爽やかな読後感(о´∀`о)
    確かにドロドロしたものはたくさんありました。章ごとに視点が変わるのですが、その女性たち(議員秘書、新聞記者、市議会議員、国会議員)は皆、女性であるために、どれだけ虐げられているか、軽く扱われているか、が描かれています。だいぶ酷いことをされている気がしたのですが、実際はもっとすごいのでは?と思ったりします。
    その問題とはまた別に、高い志を持って始めた仕事も年を重ね権力を持つと、目を向ける物がまったく違ってきてしまうというのは、なんとも悲しいですよね‥‥本文にもあったけれど、そういう人達の目は思いっきり濁っているんだろうなぁ。
    今作はある国会議員が死ぬところから始まり、自殺なのか他殺なのか、というミステリー要素も絡んでいてとても面白く読めました。
    登場人物のキャラ立ちもしっかりとしていて、ぜひ映像化してほしい作品です。



  • 男社会の荒波を乗り越える女性たちの情熱が超クール! 政治×性差別×ミステリー×エンタメ #女の国会

    ■あらすじ
    庶民階級からのたたき上げで国政入りした野党の女性議員である高月。彼女は性同一性障害特例法の法案を巡り、与党の女性議員である浅沼と言い争っていた。しかし翌日、浅沼は遺体となって見つかってしまう。

    一方、政治部の女性記者である和田山は、浅沼の遺書と思われる手記を入手する。高月と和田山は協力しながら浅沼の事件を調査するのだが、その背後には政界の入り組んだ内情や秘め事があって…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    おもろい! 政治×女性×ミステリー×エンタメが見事に調和した作品。今回のテーマは政治ですか。いつも女性の視点で力強く物語をしたためてくれる新川先生。明け透けなくらいの書きっぷりで、気持ちよくて大好きです。

    今回も次から次へと特徴的なキャラクター&エンタメ展開が繰り広げられ、惹きつける惹きつける。ほとんどが人との議論や交渉シーンにも関わらず、論点がシンプルでわかりやすく映像も浮かびやすい。ドエンタメなフィクションにも関わらず、実際の政治の世界でもありそうだなーって思わせてくれるところがスゴイ。

    また女性差別のジェンダーに関わる切り口も今風ですね、まぁさすがですよ。最近は政界もたよりないですし、来年あたりそのままテレビドラマでやってもしっかり数字が取れそう。高月馨役は石原さとみさんでどうでしょう、力強く演じてくれそう。でも、ちょっと若すぎかなー。

    本作のストーリーは、女性議員の浅沼の死から始まる。秘書、新聞記者、地方議員など、様々な立場や性格の女性を支点にしながら展開していく。それぞれが男社会の荒波どうやって泳いでいるのかというのも読みどころなんですよね。

    私がイチ推しなのは、市議会議員の間橋みゆき。私は男性ですが、庶民で学歴も能力もないから気持ちはよくわかる… それでも自分なりに戦ってきたという自負はあるが、一か八かの革命を起こすような勝負からは逃げるという判断。これができる人が社会や世の中を変えていくんでしょうね。

    さて事件の真相、物語の終盤ですが、正直なところ結構無茶してます。でもこれも新川先生の味といったところ。結果、主張がパワフルですし、エンタメとしても面白くしあがったと思いました。ジェンダーの問題が背景にある難しそうな政治お話ですが、ライトに楽しく読める作品。どなたにもおすすめできますね。

    ■ぜっさん推しポイント
    この物語のほとんどは女性の苦悩や戦っているシーンを描いています。しかし唯一、市議会議員の間橋みゆきの家庭内のやりとりだけは、違った描写がされていることに気づく。

    きっとこの世代が日本を引っ張るようになった時代では、この煩わしい性差別は少なくなっているのではないかと思わせてくれるんです。確かにまだまだ日本は遅れていますが、可能性ある未来が感じられました。

  • はい、帆立ちゃんの新作!もちろん贔屓目ありで面白い!(贔屓目あるんかい!)

    男社会の最高峰「国会」へのアンチテーゼです
    アンチテーゼよくわかってないけど多分そう
    女性国会議員が置かれた理不尽な環境に負けずに戦う喧嘩屋たちの物語にミステリーを味付け
    あくまでミステリー風味なんでね
    ミステリーとしてはちょっと弱いとか言わないで下さいね
    伏線も効いててなかなか良かったじゃないか!

    で、物語の軸になるのは「性同一性障害の性別の取り扱いの特例に関する法律」の改正なんよね

    ふふふ

    そうなのよ
    わい、つい先日岩波ブックレットでこの法案に関する知識を仕入れたばっかりなのよ
    なんで、本作のわりと深いところまで理解できて、分かってない人に比べて1.24倍くらい楽しめたんじゃないかと思うのです

    偉いぞ!2024年5月6日のわい
    さすがや!2024年5月6日のわい

    それにしても国会よ、ああ国会よ
    マジでもう今すぐにでも強制的にでも半分女性にすべきと思うんよな
    なんなら今と真逆にして女性のほうが多くてもいいくらい
    改革派の振りして首相になった既得権益の権化みたいな現首相はとっととクビにしてとにかく一刻も早く女性首相を誕生させるべき

    馬鹿な男どもがわちゃわちゃやってこんな国にしちゃったわけだからさ
    もう男じゃ無理よ
    お姉さま方に頭下げて思いっきりいろいろ転換してもらわないともう無理よ

    ひまわりめろん家なんてもういち早く女性首相だからね
    成功例としてマジ見習ってほしいわ
    まぁ選挙とかなかった気もするけど

    • bmakiさん
      総理大臣はみんみんさんで決まったようですね!o(^▽^)o

      私もひま一門の代表として、みんみんさんと、一休さんの奥様の独裁政権を支えな...
      総理大臣はみんみんさんで決まったようですね!o(^▽^)o

      私もひま一門の代表として、みんみんさんと、一休さんの奥様の独裁政権を支えなければ!!o(^▽^)o
      2024/06/06
    • ひまわりめろんさん
      そうかーじゃあわいは自動的に最高指導者ってことになるなーホメイニ師と同じ立ち位置やんなーまあしょうがないかー
      首相より上ってことになるとその...
      そうかーじゃあわいは自動的に最高指導者ってことになるなーホメイニ師と同じ立ち位置やんなーまあしょうがないかー
      首相より上ってことになるとそのくらいしかないもんなーしょうがないなー
      あんまり気がすすまないけどしょうがないなー
      2024/06/06
    • 1Q84O1さん
      奥様の独裁にも、最高指導者のひま師匠にもクーデターを起こすでよ!
      民衆よフォロミィ〜〜٩(๑´0`๑)۶
      奥様の独裁にも、最高指導者のひま師匠にもクーデターを起こすでよ!
      民衆よフォロミィ〜〜٩(๑´0`๑)۶
      2024/06/06
  • 国会のマドンナ「お嬢」と呼ばれる議員の浅沼の死に疑問を感じた敵対する「憤慨おばさん」こと高月馨は、真相を探り始める。

    公開されていない遺書の存在から自殺に思われていたが…。

    政治の世界に女性がいても不思議ではないが、まだまだ少数だから目立つ。
    揶揄されることも多く、それが当たり前になると苛立ちすら感じる。
    このなかでは、議員も秘書も記者も女性が活躍し、それぞれの覚悟を持ち、甘えのない強いところにぐいぐいと引っ張られてしまう。
    個性あるキャラは、国会のなかでも通用するのが面白い。
    個人的には、地方議員の間橋みゆきと家族との関係に好感が持てる。


    「性同一性障害の性別取扱いの特例に関する法律」の改正案に始まった事件だとラストで強く感じた。

    まさかの…。
    この大逆転に確かにミステリだと。











  • 政界に関する女性達の活躍が描かれた作品。代議士、代議士の政策秘書、新聞社の女性記者、市会議員等の女性達の男社会での不遇な立場がリアルだった。相当メンタルが強く無いとやって行けない世界。
    女性代議士同士が口論し、片方が翌日自殺の模様。残された遺書のようなメモを巡って、当該代議士や新聞記者達が原因を探って行く。自殺なのか他殺なのか、メモを巡って二転三転して行く。また、亡くなった代議士の後任を巡っての醜い主導権争い。
    真相は意外な原因だった。だが真相を暴くより政治解決を選んだのは、最後のスッキリ感が削がれてしまったように思う。やはり政治の世界は伏魔殿だった。

  • 男女比で圧倒的に女性の数が少ない職業はいくつかあるだろう

    そのひとつは政治家

    参議院議員のうち女性は25%程度、衆議院議員になると10%未満

    女性首相なんて生まれたことはない
    100回以上組閣されているのに女性首相はゼロ

    そもそも今の時代、政治に男も女もないでしょ!
    ついでに言えば年齢も!
    結果がすべて、政策を実現し、国のため、国民のために働ける人がなるべきでは!?

    偉そうにふんぞり返っているだけのじーさん議員なら能力のある女性や若い世代にバトンタッチをしていけばいいのにと思っちゃう

    まぁ、言いたいことだけ言うのは簡単でしょうけど希望と現実は違うんでしょね…
    私は政治なんて全然わかりませんから偉そうな事は言えませんけど…(ーー;)

    • yukimisakeさん
      ひぃ!!恥部、いやぁー!!涙
      呼び捨てでも全然良いですよ笑
      てか、官房長官って大変そう…でもやりましょう!
      ゆーきさんをお助け!
      ひぃ!!恥部、いやぁー!!涙
      呼び捨てでも全然良いですよ笑
      てか、官房長官って大変そう…でもやりましょう!
      ゆーきさんをお助け!
      2024/10/06
    • 1Q84O1さん
      ユッキーさん

      変態党は党員が少いからユッキーさん大臣をいっぱい掛け持ちしないといけませんよ!w
      ユッキーさん

      変態党は党員が少いからユッキーさん大臣をいっぱい掛け持ちしないといけませんよ!w
      2024/10/06
    • きたごやたろうさん
      私の本棚にコメントをありがとうございます。
      「きたごやたろう」と申します。
      よろしくお願いします。
      今ちょうど、綾崎隼さんの「ぼくらに嘘がひ...
      私の本棚にコメントをありがとうございます。
      「きたごやたろう」と申します。
      よろしくお願いします。
      今ちょうど、綾崎隼さんの「ぼくらに嘘がひとつだけ」という本を読んでいて、この本と根底に流れるテーマが似ている感じがします。
      読んでみます。
      2024/10/18
  • 白百合が華やかに描かれた表紙。一緒に
    赤白黒混ざった鯉に、真っ黒な鯉。何故かハエとり草とウツボカズラも描かれている。
    この表紙は、政界を現しているのではと
    思う。各党派はこのハエとり草、ウツボカズラのように、敵を引きずり込み、
    引きずり下ろす!

    主人公 高月馨は口癖のせいで男性議員は“憤慨オバさん”と言っている。
    議会中「憤慨しています!」と吠える。
    高月は野党、与党にはお嬢こと朝沼侑子議員がいた。朝沼は、性同一性障害特例法の改正案に力を入れていた。
    ――はずだった。議会で与党のドンは
    裏切った!そして、朝沼は死亡する!
    何故か?自殺か?他殺か?

    この話は、高月と秘書の沢村、新聞記者の和田山と明石、市議会議員主婦の間橋が主に働き回る。そして―ウツボカズラに落ちるのは?お嬢の死因は?
    さあ、選挙がやってきた!

    衆議院の中庭には、色とりどりの鯉が
    泳ぐ。でも・・・参議院の中庭の池、ここには黒の鯉しか泳いでいない。
    政界は衆議院が要。シビアだ。

    何処かの国のように、日本にも女性首相が誕生する日はやってくるのか?
    ――――女の国会へようこそ――――


    2024、6、16 読了

  • 久しぶりに集中して読書しました。女性議員たちが様々な困難に立ち向かいながら、自らの信念を持って政治活動を行う。女性の議員数が少ない理由が分かったような気がする。議員になろうとする人は尖った信念を持っている。その世界に子育て/家事をしながら政治活動はやっぱりできない。しかし苦しむ女性を守る政治を行うためには女性目線は絶対に必要。アホな男性政治家にアホだ!というのも女性目線が必要。議員数が男女等しくなるのはあと50年くらい必要かも?ジェンダー、政治倫理、メディア、仕事と家事の両立、色んなテーマを感じ取った。⑤

  • 表紙の絵、タイトル、
    読み終わって、しみじみ眺めると、とても意味深。
    最初の1ページ目のひらがなばかりの文章は、
    この物語のすべてを語っていた。

    この本を読み終わったタイミングで、
    石破国会の解散のニュースが流れた。
    アメリカで女性大統領が誕生するのどうかも話題だ。

    女性であるがため、男性中心の理不尽な社会では、
    男性の倍以上に努力をしないといけない。
    女性はある意味、マイノリティである。

    「性同一性障害の性別の取り扱いの特例に関する法律」
    2024年の7月に裁判で「違憲」となっていたような。
    生まれ持った体にメスを入れねばならない辛さはどんなものだろう。
    ありのまま、受け入れてくれるのが人権ではないのか。

    派遣社員から野党議員になった高月、
    自殺とされるマドンナ「お嬢」の朝沼、
    ロースクールを出ている秘書の沢村、
    新聞記者の和田山、
    朝沼の地元で市議会議員をしている間橋、
    様々な思いや苦労を重ねた、面白いキャラの絡み合いが、とっても楽しかった。

    「ガンバレ~」と、心の中で叫びながら読んだ。

    それにしても、国会議員の裏側垣間見たような、
    表の顔、裏の顔、まるっきり違うことも。
    清濁併せ吞む・・・それができないと闘っていけないのかも。
    「何もできない正義」だけでは、周りを動かせないのかも。
    人も、「いい人」だけでは魅力が無いのと一緒かも・・・

全209件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

一九九一年生まれ。アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。第十九回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、二〇二一年に『元彼の遺言状』でデビュー。他の著書に『剣持麗子のワンナイト推理』『競争の番人』『先祖探偵』『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』などがある。

「2023年 『帆立の詫び状 てんやわんや編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

新川帆立の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×