最後の家族 (幻冬舎文庫 む 1-20)

著者 :
  • 幻冬舎
3.49
  • (38)
  • (83)
  • (158)
  • (14)
  • (1)
本棚登録 : 794
感想 : 71
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344403574

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 育児の目標は子どもの「自立」である、と確認した本

  • なんだかなーうすっぺらいなー

  • 『喪失感は、離れていった大切な人の記憶を、心のどこ場所に仕舞っておくかを決めるために必要なのだ』

  •  とてもシンプルでしっかりとした構造を持つ、いかにも小説的な小説であるという感じがした。正直、村上龍という作者の作品だと考えると意外なほどである。

     解説にも触れられているが、「ひきこもり」をテーマとしている物語といえば、どうしても「寄生虫」を思い出してしまう。「最後の家族」がかかれたいきさつなどを解説で読むと、なるほどと納得できる。確かに、「寄生虫」はセンセーショナルではあるけれど、一面的な印象が強かったからだ。むしろ、作者の中にあるある世界を描き出すために「ひきこもり」とか「ねっと」とかいう小道具を使っている印象が強いと思う。

     そういう風に考えると、むしろ「ひきこもり」と言われる人たちに関する正確で親和的な情報が、この物語を書かせたと言っていい。そして、なんらかの光を誠実に見つけようとしている印象が強く、それがなかなか心を打つ。安易な解決がありえないことであるからこそ、むしろ「解決」という言葉自体が「安易」であるようなことであるからこそ、「家族が解体することで家族であり得る」という逆説的な物語展開が、切なく、しかも救いになるのだろうと思う。

     典型的で教科書通りの物語のように見えて、そこに込められているものは厳しく強い。そういう意味で、実はむしろ「ヒュウガ・ウイルス」を思い出してしまったのである。

    2009/6/23

  • 可もなく不可もない様な、さんな感想でした
    痛いぐらいにヒキには分かる事が多くて
    けど、それを「非日常」で進めるのではなくあくまで「日常」を書きながらのヒキ脱出は初めて見たかも
    それでもこのヒキの主人公は元々頭もいいんだね、って思いますたとさ
    結局は火の無い所に煙はたたぬ、と
    村上作品では圧倒的に読みやすいですよ

  • ずいぶん頑張って資料見て書いたんだなーって感じで、こんなに村上龍って小説下手だったけ、と愕然。

    でも、最後に、たぶん、この言葉を書きたかったために、ここまで設定をつくって頑張ったんだな、っていうのがわかるほど感動的なセリフがあるので、それだけでも読む価値があると思う。

    そこだけものすごくあったかくて深みがある、リアルだな、と思ったら、監修が斎藤環だった。
    納得。

  • 4人家族

    母ちゃんと父ちゃんと兄と娘のはなし。

    4人の視点から同じ出来ごとが語られてたりして、あまりにじれったくて嫌になりそうになるかと思ったけど、最後まで読めた。

    他人を救うことで、自分も救われるというのは危険で、自分が自立することが他人を救う方法なんだって。

  • *-*☆ 家族って? ☆*-*

    初めて、村上龍作品をきちんと読みました。

    中学生の頃、高校生だった兄が村上龍作品を読んでいたので、
    借りて読み始めたのですが。
    当時の私には表現がきつく。
    出だしの数枚をめくっただけで終えてしまった記憶があります。

    …そんな記憶があったもので。
    …少々、 ドキドキしながら この作品を読み始めたのですが。

    引きこもり、援助交際、不倫、ドメスティック・バイオレンス…などなど。
    つかっている題材は重いはずなのですが、
    きつい表現がなかったからか、意外と最後まで一気に読み進めました。

    内山家の生活を、
    同時進行で 家族4人それぞれの視点からとらえた書き進め方がおもしろかったです。
    ひとつの場面を違う角度から眺めることで、何度も楽しめる。
    そういった感覚で。

    裏表紙に書かれていたあらすじで、
    『 家族について書かれた残酷で幸福な最後の物語 』
    という文章があったのですが。
    この作品を読み終えた後、もう一度この文章を読んだ際、
    なんだかすごく納得してしまいました。

    『 一人で生きていけるようになること。
    それだけが、誰か親しき人を結果的に救う。 』

    作品中登場してくる女弁護士さんが言う台詞なのですが。
    この言葉が一番、 ココロに響きました。




    *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

  • 終わりよければすべてよし!?

  • ていねい
    ホームドラマの再構築

全71件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村上龍の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×