- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344403574
感想・レビュー・書評
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育児の目標は子どもの「自立」である、と確認した本
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なんだかなーうすっぺらいなー
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『喪失感は、離れていった大切な人の記憶を、心のどこ場所に仕舞っておくかを決めるために必要なのだ』
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とてもシンプルでしっかりとした構造を持つ、いかにも小説的な小説であるという感じがした。正直、村上龍という作者の作品だと考えると意外なほどである。
解説にも触れられているが、「ひきこもり」をテーマとしている物語といえば、どうしても「寄生虫」を思い出してしまう。「最後の家族」がかかれたいきさつなどを解説で読むと、なるほどと納得できる。確かに、「寄生虫」はセンセーショナルではあるけれど、一面的な印象が強かったからだ。むしろ、作者の中にあるある世界を描き出すために「ひきこもり」とか「ねっと」とかいう小道具を使っている印象が強いと思う。
そういう風に考えると、むしろ「ひきこもり」と言われる人たちに関する正確で親和的な情報が、この物語を書かせたと言っていい。そして、なんらかの光を誠実に見つけようとしている印象が強く、それがなかなか心を打つ。安易な解決がありえないことであるからこそ、むしろ「解決」という言葉自体が「安易」であるようなことであるからこそ、「家族が解体することで家族であり得る」という逆説的な物語展開が、切なく、しかも救いになるのだろうと思う。
典型的で教科書通りの物語のように見えて、そこに込められているものは厳しく強い。そういう意味で、実はむしろ「ヒュウガ・ウイルス」を思い出してしまったのである。
2009/6/23 -
可もなく不可もない様な、さんな感想でした
痛いぐらいにヒキには分かる事が多くて
けど、それを「非日常」で進めるのではなくあくまで「日常」を書きながらのヒキ脱出は初めて見たかも
それでもこのヒキの主人公は元々頭もいいんだね、って思いますたとさ
結局は火の無い所に煙はたたぬ、と
村上作品では圧倒的に読みやすいですよ -
ずいぶん頑張って資料見て書いたんだなーって感じで、こんなに村上龍って小説下手だったけ、と愕然。
でも、最後に、たぶん、この言葉を書きたかったために、ここまで設定をつくって頑張ったんだな、っていうのがわかるほど感動的なセリフがあるので、それだけでも読む価値があると思う。
そこだけものすごくあったかくて深みがある、リアルだな、と思ったら、監修が斎藤環だった。
納得。 -
4人家族
母ちゃんと父ちゃんと兄と娘のはなし。
4人の視点から同じ出来ごとが語られてたりして、あまりにじれったくて嫌になりそうになるかと思ったけど、最後まで読めた。
他人を救うことで、自分も救われるというのは危険で、自分が自立することが他人を救う方法なんだって。 -
*-*☆ 家族って? ☆*-*
初めて、村上龍作品をきちんと読みました。
中学生の頃、高校生だった兄が村上龍作品を読んでいたので、
借りて読み始めたのですが。
当時の私には表現がきつく。
出だしの数枚をめくっただけで終えてしまった記憶があります。
…そんな記憶があったもので。
…少々、 ドキドキしながら この作品を読み始めたのですが。
引きこもり、援助交際、不倫、ドメスティック・バイオレンス…などなど。
つかっている題材は重いはずなのですが、
きつい表現がなかったからか、意外と最後まで一気に読み進めました。
内山家の生活を、
同時進行で 家族4人それぞれの視点からとらえた書き進め方がおもしろかったです。
ひとつの場面を違う角度から眺めることで、何度も楽しめる。
そういった感覚で。
裏表紙に書かれていたあらすじで、
『 家族について書かれた残酷で幸福な最後の物語 』
という文章があったのですが。
この作品を読み終えた後、もう一度この文章を読んだ際、
なんだかすごく納得してしまいました。
『 一人で生きていけるようになること。
それだけが、誰か親しき人を結果的に救う。 』
作品中登場してくる女弁護士さんが言う台詞なのですが。
この言葉が一番、 ココロに響きました。
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終わりよければすべてよし!?
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ていねい
ホームドラマの再構築