後悔と真実の色 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 1497
感想 : 146
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  • Amazon.co.jp ・本 (692ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344419339

感想・レビュー・書評

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  • ドラマにしたら面白そう。主人公は魅力的だろうな。
    役者が揃った後半からが一気にスピードアップして引き込まれるが、前半の一人一人の個性も面白い。ミステリーとしてよりも人間ドラマとして読んだ方が楽しめる。

  • 主人公設定や事件全体の雰囲気は著者の『慟哭』と酷似しており、本気で慟哭を書き直したのかと疑ったくらい。主人公の心の葛藤等は良く書けてると思うが、犯人にしろその他登場人物にしろ全体的にアンバランスな印象を受けた。

  • 死体の人指し指を切り取るという猟奇的な連続殺人事件、それぞれにクセのある刑事達…と、典型的な警察小説かなと思いきや、さすがは貫井徳郎、どんでん返しともいえる意外な展開が待っていた。こういう驚かし方もあるんだなあーと感心した。ストーリーの要でもある事件の方も鮮やかなトリックが隠されていた。満足!

  • 13. 09. 23読了。700ページ近い長編ですが一気に読みました。非常に面白かった。

  • ミステリ部分は予想の範疇であり大きな驚きはなかったものの、充分満足できる内容だった。
    それよりも見応えがあったのは、男たちが織りなす人間ドラマと主人公である西條の転落。
    西條に好感を持ったので、自らの性格が招いたこととはいえあまりの過酷さに、理不尽に感じるところも多く、読み進めるのが辛かった。
    西條のこれからが気になった。

  • なんというか、この読後感。すっきりしないというか、脱力感というか(いい意味で)。

    このボリュームにかかわらず読む手を止めさせない著者のすごさ。でも西條の行く末が気になって、もっと読んでいたかったような。

    犯人は途中から警察官だと気づいてしまったが、ただの犯人あてのミステリではない、人間ドラマとしての本作品ににのめりこんだ。

  • 警察小説にありがちなキャリア・ノンキャリアの確執や組織腐敗などではなく、さまざまな個性の刑事達をそれぞれの視点で描き分け、かなりの長編にもかかわらず中弛みを感じさせず、予想の範囲内とはいえ陳腐ではない解決まで、充実した筆致で満足できる力作でした。

  • 結構分厚い本です。
    その分厚さに見合った、内容のある作品でした。
    ずっしりとした読みごたえがあります。

    これは右手人差し指を切断され殺される若い女性の連続殺人事件を追う刑事たちの姿を描いた作品です。
    右手人差し指を切断-となると、猟奇的殺人を扱ったミステリーか、と思うけれど、これは読んでいく内にそうじゃない、警察という巨大な組織、その内情について、そして、その事件に関わる事になった刑事たちの個々それぞれの抱える事情だとか、個性だとか、そういうのを描いた警察小説、もしくは人間ドラマだと思いました。
    だから、猟奇的ミステリーを期待して読むなら話の展開がまだるっこしく感じられ物足りない内容だろうと思います。

    この物語の魅力は何と言っても登場人物の性格だとか、個性だとかをきっちりと描いてる点だと思います。
    それも大げさで分かりやすいキャラというのでなく、どこにでもいるような、「あ~、こういう人、多分警察にはいるんだろうな」と思うようなリアルな人間像。
    その人間像もステレオタイプじゃない。
    例えば、主人公はエリートで格好の良い、スマートな敏腕刑事ですが、そういう人物像でありがちな嫌味なインテリ、人を見下した人間というのでなく、人間関係を築くのが下手くそで正義感の強い刑事だったりする。

    他にも、お笑い芸人のような親しみやすい容貌でいながら実はかなり切れ者で皮肉な性格の刑事だったり、軽薄で女好きな刑事だったり、出世に全く興味のない刑事だったり・・・様々な刑事がここには登場します。
    最初はそれほどと思わなかった話もそれらの刑事たちの言動から登場人物の姿がくっきりと見えてきて、さらに、それぞれの思惑が絡んだ関係性が見えてくると、俄然このお話は面白くなります。

    今時ありがちな残酷な描写のある事件でなし、分かりやすいキャラがいるでなし、ストーリーの進み方はゆっくりだし、肝心の事件の方は描写が少ない。
    言ってみれば、地味な話とも言えますが、それをきっちりと描き、読ませる姿勢に好感がもてました。
    だから読んでいる内にどんどん面白くなってきて、ずっと読んでいたいという気分になりました。
    この本の世界観にどっぷりと入る事ができて、読んでいる間は私も本の中にいるような気になるほど・・・。
    読み終えた時は達成感というより、終わってしまった・・・という寂しさを感じました。

    事件の方はというと、半分あたりまで読んで、「あれ?この犯人って・・・」と何となく犯人像がぼんやりと見えてきましたが、それでも後半のどんでん返しには一時騙されたり、真実を知った時もちょっとした衝撃がありました。
    この本の解説に、「貫井徳郎の代表作はと問われた時に、ためらいなく挙げる作品が本書である。」とありますが、私も正にこれはそういう作品だと思います。
    作品紹介を見ると、山本周五郎賞受賞作とありますが、それは当然だと思います。

  • 著者の作品がこんなに長編で読めると期待して望んだのに、いまいち作品に入り込めなかった。男だらけの警察官のキャラクターが魅力的じゃなく、途中で誰が誰だかわからなくなった。西條の急激な落ちぶれっぷり・・・
    初心者ホームレスのシーンが下手に長すぎ、こんな展開どうでもいいよって飽きてしまった。最後のまとめ方も好きではないな。

  • 子持ち離婚経験があるのかな?

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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