- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344983953
感想・レビュー・書評
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かつて厳しく対立しあった過去をもちながら、その後急接近することになった小林よしのりと宮台真司の二人に、司会役の東浩紀を加えた三者が、現代の日本が直面する諸問題について論じあった鼎談です。
小林は、『ゴーマニズム宣言』シリーズで「サヨク」を批判し「保守」の立場を標榜してきました。他方宮台は、右翼を主意主義、左翼を主知主義とみなしています。そのうえで、カール・ポパーのピースミール社会工学のような漸進主義を評価し、たうえで、「ネトウヨ」が「知性の劣化」ではなく「感情の劣化」として位置づけることで、小林の立場に歩み寄りを見せています。こうした漸進主義には同意をおぼえますが、日本のポパリアンである鶴見俊輔や市井三郎のような選択肢も存在しており、かならずしも宮台のいうような意味での「保守」に近づく必然性はないのではないかという疑問を感じます。
こうした、小林と宮台の両者に共通に見られる発想は、決断主義に接近するという意味で、東の立場と対立する面があるように思われます。本書では東は基本的に司会の役割に徹しており、みずからの思想を積極的に提出することは控えているようですが、『宇宙戦艦ヤマト』の例を引きつつ、「社会と実存の混同」という問題を鋭く指摘しています。宮台はさすがに、この問題の背景についての深い洞察を示してはいるものの、彼の議論のうちにこの問いに対する充分な回答を読みとることはできませんでした。ただし、「東くん自身、よしりんの戦略に近づいてきてる気がする」といい、「『弱いつながり』という本でも、客観的な分析に加えて、東浩紀はこういう生活をしているこういう人間だということをベースにしている」と、鋭い指摘をおこなっています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小林よしのりと宮台真司は昔は仲が悪かったようだ。
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過激対談