14歳のための時間論

著者 :
  • 春秋社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393360606

作品紹介・あらすじ

楽しい瞬間は、なぜ速く過ぎ去るの?そもそも「相対性理論」て、いったいナニ?-お答えします。やさしく、わかりやすく。

感想・レビュー・書評

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  • (2021.11.22 @アイドク)

    14歳のための時間論

    Ⅰ.この本をなぜ選んだのか?

    学校の行事に追われることを理由に宿題してくれない中学生にギャフンと言わせるため(半分冗談、半分本気)


    Ⅱ.この本で何を得たいのか?

    中学生に時間の使い方を考えてもらいたい、そのための時間についての知識や考え方を得たい

    その上で、その考えを共有し、お互いに、個々の納得する時間の使い方をできている状態を得たい


    Ⅲ.目次で気になる3箇所の周辺を記録

    ★その1 時間の不思議

    ・太陽の光や、星の瞬きなど空を見上げることが時間と空間を旅していること

    具体例:太陽の光が地球に届くまでの計算…

    太陽ー地球の距離 1億5000万キロ
    光は1秒に30万キロ

    8分20秒

    そして、遠い星ほどより昔にその星を旅立った光を私達は見ていることになる

    今この瞬間にたくさんの星を見ているということは遠い過去から近い未来までの時間の広がりを、言い換えると、遠いところから近いところまでの宇宙という空間の広がりを見ていることになる 

    時間と空間の広がりを感じることになる



    ★その4 見えない時間、聞こえる時間

    p.120

    時間は極端な言い方をすると、時間そのものというのは本質的に存在しない

    時計が発明されたことにより、時間が物質化したとも言える。

    何かを分割する営み=時間  

    心臓、呼吸、鼓動も何かを分割する動き

    心臓や鼓動も時計

    自然界の動きで言うと、太陽、星、それらの季節によって繰り返される季節に変動も皆、
    時計

    ・心の状態によって、時間の進み具合を早く感じたり、遅く感じたりする

    心の状態によって、
    緊張状態や緊急時には人間の脳の中にある時計が激しく時を刻み始める
    そのために感覚的には時間を長く感じることがある

    p.97
    •仕事量=しなければならない仕事量/仕事をこなす速さ

    ★その5 全ては揺らぎの中に


    p.156 人には全て自分の今の状態にピッタリのリズムがある


    Ⅳ.共感と、明日からできる具体的なアクション
    1.時には空を見上げて、宇宙空間と時間を感じる。そもそも、宇宙=時間なので、全ての時間を思い通りにしようとすることより感じること

    2.心の状態が、やることがたくさんあると気ぜわしいと時間が早く感じる


    •仕事量=しなければならない仕事量/仕事をこなす速さの式をつかって客観的に今の状態を知ると言う方法もある


    3.地震、音=声などのいろんな振動を通して、自分のリズムを知り、いまの自分の状態にピッタリのリズムで過ごすことが大事


    以上から、この本を読む前は、時間を管理しようと言う考えが強くあったが、自然の風土や気候を感じるように時間という見えないものを感じ、自分の心や体の状態に合わせて、上手に付き合っていくことを考えたいと思う。

  • 時間の感じ方について。

    “1年間は、
    5歳の人にとっては、これまで生きた長さの1/5
    30歳の人にとっては、これまで生きた長さの1/30
    年を重ねる程これまで生きた長さに対して1年間の占める割合が少なくなるため、同じ1年間でも速く過ぎ去るように感じる”

    聞いたことのある説。

    以前『動的平衡』(福岡伸一著/小学館)で違う説を見かけた気がするので、そちらを読み直してみる。

  • 理学博士、佐治晴夫さんの「14歳のための物理学」の姉妹書。
    科学(物理学)のお話ももちろん出てくるのだけど、あとがきで書かれていたように「人の心に寄り添った時間論」だった。
    ちなみに私は14歳×2くらい生きているのだけど、アラサーにもきちんと伝わる本でした。むしろ14歳より長く生きている分、じんわりと来るものがあったかもしれない。

    日曜日の夜から始まる、1週間。毎晩、佐治さんのお話を寝る前に聞いているような、そんな展開。
    必ず詩や楽曲の引用があり、ところどころ宗教を感じさせるようなものも。(押し付けではなく、神秘的な美しいモノとして引用されている)
    1週間、というのも、創世記だなあと思いつつ。

    宇宙・物理学で本を読もう、知識が欲しいと思うと、必ずそこには佐治さんの姿がある。
    研究者としても「ゆらぎ」研究の第一人者として立派な功績をお持ちになる。宇宙研究を平和教育につなげるリベラルアーツな視点をお持ちで、その語り口はどの本を読んでも優しく、なんというか、慈愛に満ちている感じがする。
    実際この本を読んでいるときも、夜寝る前に、おじいちゃんの部屋に行って月明かりの中でお話を聞いているような感覚だった。時々お茶とかお菓子、音楽が出てくる、(親には内緒)な、感じ。
    ごりごりの理系・物理学知識が欲しい、という人には物足りないような、脱線が多いような本かも知れない。
    でもやはり、普通に生きている(と思っている)人の経験や意識を、天文や物理学に結びつけるには佐治さんの力は大きいと思う。

    とはいえ、数式や「時間=速度÷時間」も出てきて、ちょっとした数学もする。
    数式が出てくると眠くなる私は、ちょっとそこだけうとうとしながら聞いていた。


    「時間」について興味があり、数冊、時間論の本を借りた中の1冊。
    ごりごりの理系書でわからなかったことを、すごく優しく教えてくれた。

    正確に分かる、測る時計というのはない。
    私たちは大昔から様々な自然や私たち自身の中にある周期(リズム)で区切り、それを共通の時間へと作り上げてきたのだ、と。
    でもやはり、どの生き物も人間もそれぞれ自分が心地よいと思う周期があって、どうしてもズレはでてきてしまう。
    「今という一瞬」の現在と、「記憶」という過去、「想像」の未来の中で私たちは生きているんだ、というのを教えてもらったような。

    そして「ゆらぎ」の話は、数式も出てきてちょっと難しかったんだけど、なんとなくわかったような。
    というのも、本を読むときにyoutubeで波の音とか雨音とか聴いているというのもあり。寝れないときも同じく。
    「超ぐっすり」「医者も絶賛」なんてキャッチがついているので、うさんくさいなーと思いつつ使ってたけど(歌詞のある音楽だと集中できないから)
    佐治さんの「ゆらぎ」の話を聞くと、ちょっと効果あるような気がしてきた……。

  •  新垣結衣さんのDVD『真昼の星』で佐治晴夫先生を知りました。

     時間論を哲学に昇華しており、宇宙の崇高さを感じます。詩情豊かで優しい文章を読んでいると、穏やかな時間が流れているかのようです。佐治先生は博識ですね。例えが分かり易く、文章がするっと入っていきます。哲学としては難しいですが…。佐治先生御自身による写真も素敵です。
     『その5-木曜日のお話 すべては「ゆらぎ」の中に』の、地震の話に少しヒヤリとしました。
     『その7-土曜日のお話 「これから」が「これまで」を決める』で、「昨日(金曜日)お話しした「ゆらぎ」に似ていますね。」(P.223)とありますが、ゆらぎの話は『その5-木曜日のお話 すべては「ゆらぎ」の中に』では?

     関係有りませんが、『真昼の星』で新垣結衣さんが「佐治先生の話は面白い」と語る感性はとても素敵ですね。

  • 「これからが、これまでを決める」が結論で、今この瞬間を大切に生きようということなのだが、全体的には哲学的というよりも科学的(物理学)観点から書かれているので、少々とっつきにくい部分はあり、14歳にはやや難解かもしれない。

  • 分かるようで分からない。分かりやすそうで分かりづらい。
    最初はふむふむと読んでましたが、だんだん難しくなっていったような、、理解しきれず置いてかれたような気分のまま読んでました。
    14歳の倍は生きてますが、読後にこんな感想しか出てきませんでした。

  • 発想や物語りの展開に、視座の高さや人生を俯瞰するバランスの良さを感じる。
    時間を捉えるためには、視野を広く掘り下げて行くべしという道標が示されており、謎が謎を読む仕掛けが14歳への贈り物である。
    14歳に向けた平易な解答を期待して、我が疑問の解答に近付こうとした者にとっては、元の木阿弥であったと言う点で、期待がズレていたのだろうが、個人的に残念だったと言う気持ちで評価は低くした。

  • ざっくり理解したい人向け
    詩っぽいテイスト

  • ÿ

  • とっくに14歳を過ぎましたが、いつか娘に読んでもらいたく購入しました。わたしのこれからがこれまでを決めるのならば、私はより今日、明日を大切に生きたいと思ったら本でした。

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著者プロフィール

1935年東京生まれ。理学博士。鈴鹿短期大学名誉学長。日本文藝家協会会員。大阪音楽大学大学院客員教授。元NASA客員研究員。東大物性研究所、玉川大学、県立宮城大学教授などを経て、2004年から2013年まで鈴鹿短期大学学長。量子論に基づく宇宙創生理論「ゆらぎ」研究の第一人者。NASAのボイジャー計画、“E.T.(地球外生命体)”探査にも関与。また、宇宙研究の成果を平和教育のひとつとして位置づけるリベラル・アーツ教育の実践を行ない、その一環としてピアノ、パイプオルガンを自ら弾いて、全国の学校で特別授業を続けている。主な著書に『宇宙の不思議』(PHP研究所)、『夢みる科学』(玉川大学出版部)、『二十世紀の忘れもの』(松岡正剛との共著/雲母書房)、『「わかる」ことは「かわる」こと』(養老孟司との共著/河出書房新社)、『からだは星からできている』『女性を宇宙は最初につくった』『14歳のための物理学』『14歳のための時間論』(以上春秋社)、『THE ANSWERS すべての答えは宇宙にある!』(マガジンハウス)など。

「2015年 『量子は、不確定性原理のゆりかごで、宇宙の夢をみる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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