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- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784394388012
感想・レビュー・書評
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戦前の本格推理を語る上で落とすことのできない作家・浜尾四郎氏の第一長編だそう。もとはラジオで放送するために書かれたそうだが、言われなければ分からない。台詞はぎこちないが、この時代のミステリはこんなもの。内容は生真面目な本格で冒頭近くに特にケレンもなく殺人が起きて、後は捜査や尋問があって、複数の捜査官がその推理を披露する展開。割と淡々としているが、長編としては短めなせいもあるのかダレる感じはない。同じ作者の、派手な展開にし過ぎてガチャガチャになった「鉄鎖殺人事件」よりずっといい。ただメイントリックは残念。今だったら、アンフェアの一言でお終いだろう。
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戦前作品で本格派と言えるのは浜尾作品のみ、と聞いたので。
被害者の死亡時刻の偽装というのは今ではなかなか難しいけれど、これは今でも使える構成なのではないかしら?
派手さや耽美さは無いけれど、昔の雰囲気を味わいながらじっくり読める作品。
浜尾先生の衆道趣味が垣間見える瞬間があり、この、ほんのちょっとの匂わせぶりがとても良いです。 -
同時収録の短編「不幸な人達」が、この短い中にキリリとネタを纏めてきてて好きですね。
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