博士邸の怪事件: 他1編 (春陽文庫 C 88-1)

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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784394388012

感想・レビュー・書評

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  • 表題作だけだと星3つかなと思うんだけどね。表題作が混迷したのは探偵側に被害者側と接点がある人物がいて、探偵側のさまざまな情報に疑わざるを得ない情報が混じってるかもしれないとなったことなんだけど、犯人のお仕事とか相続の順番とかはじめから匂わせてたし、みんなが馬鹿正直に死亡推定時刻を信じてたから起こったのかなあと。
    次のお話は、刑法の因果関係の話に出てくる事例を思い出した。でも肝心なのはそこではなく心理戦なのかなと。誰もが高慢ちきにあっと言わせたかったのかな?タイミングが重なり因果関係の議論になるけどこの場合は……そういう部分ではなく、、哀れな男たちの話かなと。よく考えたらあっやっちゃったかもからの流れが非常によかったです。

  • 戦前の本格推理を語る上で落とすことのできない作家・浜尾四郎氏の第一長編だそう。もとはラジオで放送するために書かれたそうだが、言われなければ分からない。台詞はぎこちないが、この時代のミステリはこんなもの。内容は生真面目な本格で冒頭近くに特にケレンもなく殺人が起きて、後は捜査や尋問があって、複数の捜査官がその推理を披露する展開。割と淡々としているが、長編としては短めなせいもあるのかダレる感じはない。同じ作者の、派手な展開にし過ぎてガチャガチャになった「鉄鎖殺人事件」よりずっといい。ただメイントリックは残念。今だったら、アンフェアの一言でお終いだろう。

  • 戦前作品で本格派と言えるのは浜尾作品のみ、と聞いたので。
    被害者の死亡時刻の偽装というのは今ではなかなか難しいけれど、これは今でも使える構成なのではないかしら?
    派手さや耽美さは無いけれど、昔の雰囲気を味わいながらじっくり読める作品。
    浜尾先生の衆道趣味が垣間見える瞬間があり、この、ほんのちょっとの匂わせぶりがとても良いです。

  • 同時収録の短編「不幸な人達」が、この短い中にキリリとネタを纏めてきてて好きですね。

  • 『博士邸の怪事件』

    『不幸な人達』

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著者プロフィール

1896-1935。推理小説作家。検事、弁護士、貴族院議員、子爵。主な作品に、「殺された天一坊」「博士邸の殺人事件」「殺人鬼」などがある。

「2017年 『鉄鎖殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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