世界金融経済の「支配者」: その七つの謎 (祥伝社新書 66)

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396110666

作品紹介・あらすじ

世界金融経済の「支配者」は誰か?ユダヤ人、フリーメーソンなどの秘密結社、ロスチャイルド家からロックフェラー家まで、多くの説が「陰謀」と共に語られてきた。しかし現実はそんなに単純ではなく、各国の政治と経済の利害が複雑に絡み合っている。謎を解く鍵は「証券化(セキュリタイゼーション)」にある。あらゆる資産(債務や不動産、さらには事業そのもの)が証券化されて、リアルな世界から切り離され、取引されているのが、現在の世界経済だ。その象徴がファンドマネーやM&Aの隆盛だ。金融が経済を支配しているこの世界のカラクリを、歴史を踏まえて解いていくことで、アメリカ一極支配の行方、そして日本経済の未来が見えてくる。

感想・レビュー・書評

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  • 陰謀論について、そんな単純な話ではないという内容が書かれていたけど、おれが求めていたのは、陰謀論についてもっと詳しく書かれている内容の本だった。
    金融に関する知識はまるでないので、多少わからない内容や頭にすんなり入ってこない内容もあった。
    あんま内容も頭に残っていないので、もう少し金融に関する本を読んでみようと思う。

  •  世界金融経済の支配者というタイトルだが、陰謀論ではありません。

     ごくまっとうな金融経済の歴史やその力関係を書いた本です。

     私は金融経済のことは全く分かりませんので!正しいことが書いてあるなどと言う気はありませんが、陰謀論よりは遙かに役に立つ本ですよ。

  • 現在の金融資本経済を考えた場合、様々な角度から、様々な方が語っていることを自分自身に吸収した上で、更には事実としての現状を把握し、自分なりに咀嚼し、日ごろの行動に生かしていく。これが大切なのですよね!! 本としてはうなずける部分とそうでない部分がかなり混ざっていましたね(笑)

  • 巷にあふれる陰謀論を否定し、世界金融経済の「支配者」と呼ばれるものの正体に対して丹念に考察を重ねた一冊。

    血沸き肉躍る「軍記物」ではないけど、「実用書」としてなら楽しめる。

  • M&A
    •企業=証券化された資産として捉えられるようになる
    •産業再編?
    •三角合併
    •LBO(レバレッジドバイアウト)=買収対象としている企業の資産とキャッシュフローを担保に資金を調達する買収方法
    •GE ジャックウェルチの革命?
    •もの言う株主
    •MBO(マネジメントバイアウト)=経営陣が株式を買い付けて非公開企業にすること
    •MBI(マネジメントバイイン)=ファンド自身が企業をのっとってしまうこと

    中央銀行
    •中央銀行の多くが民間企業
    •ほとんどの中央銀行は民間が始め、公的な役割が大きくなるにつれ国有化が進んだ
    •「金融危機に直面したときに、いつもピアモント・モルガンがいるとは限らない」
    •IMF=為替相場の安定を図ることを主な目的に設立された機関
    •アジア危機の遠因はIMF

    グリーンスパン前FRB議長
    •FRB=アメリカ連邦準備制度理事会
    •ニューエコノミー論(=ITの発達で経済の仕組みが効率的になり、労働性が高まった)はGDPが伸びて雇用が伸びなかっただけで誤り
    •アメリカのバブルと日本のバブルの崩壊後の回復の違いは政府対応ではなく、イラク戦争と証券化による

    中国経済
    •繁栄論も崩壊論も政治的反映
    •繁栄論=アメリカ国防省
    •崩壊論=日本における保守系論壇
    •中国は世界の工場地、自国の強み無し
    •情報統制により共産党政権は2020年までは継続
    •華人ネットワーク
    •BRICsなどの標語は金融会社が投資を煽るために考えた
    •インドは世界のソフトウェアハウス
    •チンディアはインフラ整備が悪い
    •ソフトウェア産業は効率が良いだけに雇用が伸びにくい
    •資源の制約

    フリードマン
    •マネタリズム=経済政策を金融に絞る
    •変動為替相場制は開発途上国に不適
    •変動為替制度擁護論=為替レートの固定、資本の国家間移動、金融政策の独立性、このすべてを同時に満たすことは出来ない

    •アメリカが推進する世界金融経済はアメリカの政治力によって支えられている。

  • [ 内容 ]
    世界金融経済の「支配者」は誰か?
    ユダヤ人、フリーメーソンなどの秘密結社、ロスチャイルド家からロックフェラー家まで、多くの説が「陰謀」と共に語られてきた。
    しかし現実はそんなに単純ではなく、各国の政治と経済の利害が複雑に絡み合っている。謎を解く鍵は「証券化(セキュリタイゼーション)」にある。
    あらゆる資産(債務や不動産、さらには事業そのもの)が証券化されて、リアルな世界から切り離され、取引されているのが、現在の世界経済だ。
    その象徴がファンドマネーやM&Aの隆盛だ。
    金融が経済を支配しているこの世界のカラクリを、歴史を踏まえて解いていくことで、アメリカ一極支配の行方、そして日本経済の未来が見えてくる。

    [ 目次 ]
    プロローグ いま、世界経済では何が起こっているのか
    第1章 M&Aは、世界経済を効率的に改造するか
    第2章 世界金融を支配しているのは、本当にユダヤ人か
    第3章 中央銀行という「世にも不思議な物語」
    第4章 グリーンスパン前FRB議長は、「神さま」だったのか
    第5章 アングロ・サクソン型経済は無敵なのか
    第6章 中国経済は、アングロ・サクソン経済を圧倒するか
    第7章 基軸通貨ドルが下落するのは、いつか
    エピローグ 「運命の日」以後の日本経済

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    [ 参考となる書評 ]

  • 結局読まなかった。

  • 頭が弱くて 難しかったけど、楽しかった
    どっちつかずな書き方が多かったかな?

  • よくまとまっている本。
    第三章の中央銀行に関するくだりは良くまとまっていると思う。成立に関する歴史的経緯を織り込みつつ簡潔に分かりやすくまとめた点は評価できる。もちろん新書なのでけちをつければキリがないが、導入としてはいいのではないか?筆者が挙げている「証券化」という言葉が、現在の世界を覆う金融資本主義が実体経済とかけ離れたものであるということを象徴している。REITとか特にそうだろう。今また二酸化炭素の「排出権」までも取引されているが、環境すらも「証券化」の対象にしてしまって果たして温暖化対策として有効に機能するのかどうかはなはだ疑問である。

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著者プロフィール

1953年山形県に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。ビジネス誌や論壇誌の編集者として活動、「ザ・ビッグマン」編集長、「発言者」編集長、「表現者」編集委員を歴任後、1997年よりフリーのジャーナリストとして活躍中。
『エコノミストは信用できるか』『エコノミストを格付けする』『予言者 梅棹忠夫』(以上、文春新書)、『日本経済新聞は信用できるか』(PHP研究所)、『経済学者の栄光と敗北』『不毛な憲法論議』(以上、朝日新書)など著書多数。

「2017年 『山本七平の思想 日本教と天皇制の70年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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