- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396115654
作品紹介・あらすじ
乱と変の日本史
感想・レビュー・書評
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外敵からの侵入が少なく(黒船や敗戦など除く)、多神教(宗教的には何でもあり)であるが故に常に場当たり的で、それこそ場の空気を読みつつ、穏やかにゆっくりと、だけど一部の権力による力技にほとんど歪められることなく、確実にトレンドに沿う形で変化してきた日本社会。勝者と敗者を分ける分岐点は、このトレンドに沿ってるかどうかによる。
乱や変には「天下分け目」となる争いもあるが、時代からの要請というトレンドが見えるまでしっかり目を凝らしながらポジション取りをしていきたいところだ。 -
h10-図書館2020-12-23 期限1/13 読了12/28 返却1/5
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フランスの哲学者コジューヴは「人間の歴史を学びたいなら日本の歴史を学べ」と言ったそうで、「我々は最高のテキストを持っている」という信念?から、いくつかの乱と変について、背景・構図・経過・結果を論じたもの。
「我々は最高のテキストを持っている」と言われるとそうなのかもしれないような気もしてくるし、その理由や視点にも妙に説得力や面白さが感じられるのが著者の不思議な魅力ではある。ただし、著者の「科学としての歴史学」という考えには少々疑問もあるので、その辺は割り引いて読む方がよいのかと。 -
本能寺の変の黒幕が誰か、はどーでもいいことなんですね。
誰が黒幕でも歴史は変わらなかったから、という歴史に納得!
学者さんとしてはそれで良いと思います。
が、単なる歴史ファンとしては誰が黒幕なのかいろいろと妄想することが楽しみです。 -
著者は東京大学史料編纂所教授、専門は中世政治史。〇〇の乱とか〇〇の変とかいう事件が日本史には多く出てくるが、乱と変の違いは何なのか。その結果政治体制がどのような影響を受け、どう変わったのか?などを掘り下げていく。著者がいうところによれば、中世の国家体制には2つの考え方がある。一つは「権門体制論」といい、王である天皇を貴族、武士、僧侶が支える体制。公家、武家、寺家にはそれぞれの内部にある権門勢家、つまり権勢のある門閥や家柄を中心にまとまり、世襲原理で連なっていく。もう一つは「東国国家論」といい、京都の天皇を中心とした政権(朝廷)に対し、鎌倉にも将軍を中心とした政権(幕府)が並び立ち、つまり2つの国家があった、という考え方である。中世研究者のおよそ85%が東国国家論ではなく権門体制論を支持している。著者は東国国家論支持者である。詳細→
https://takeshi3017.chu.jp/file9/naiyou28105.html -
中学、高校を通して乱や変については学んだけれど、正直どんなものだったのか分からない…そんな状態でも楽しく、分かりやすく読める文章が魅力です。
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https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00545356 -
時間切れ
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2019/10/11
磯田さんの本も面白かったけど本郷さんの本も読んでみるとなかなかに面白かったです。
日本の歴史で起きた戦乱についてまとめて、どういう経緯で戦いが起こったのか、戦いが起こった背景はなんなのか、その流れから考えられることは何かという柱で色々な乱や戦いのことを考察した内容で、歴史の流れをもう一度確認することができたし、新たな視点で戦乱を考えることができたなと思います。
今まで習ってきたものだと、どうしても勝者が歴史の表舞台に出てきているイメージを持ちがちですが、そういう小さな視点ではないのだなと実感ました。
大きな流れで戦乱を考えたときに、その戦乱が起きた意味を考えることで、その後の戦乱との比較を行って共通点を考えたり、当時の時代背景として人々がどんなの世の中を選択する道を選んだのかというところにまで行き着くことができるということを教えられたような気がします。一回だけでなくて、何回でも繰り返し読んで自分なりに噛み砕いていきたいと思います。