- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396345235
感想・レビュー・書評
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女性目線だけでない、鋭い洞察力を感じた作品でした。閉鎖的と断じればそれまでですが、農家が農地を貸さない理由は明快。信用できるか否か。農業で農薬の必要性とその副作用。農薬を撒けば、近くの土地にも散布され、蜂も死ぬことだってある。無農薬栽培は農薬を使う農家の土地にも害虫をもたらすこともある。すべて話し合いが必要な世界。だからよそ者を嫌う。近所付き合いがすべて。そんなモチーフも取り入れ、救われない人はでない良い物語でした。
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1人の女性がどう職業を選んでいくか、どう配偶者を選んでいくか、人生を選んでいくかという根源的な話を、農業を通じて書いてある本。
幼い頃から、理由はわからなかったけど、田舎の風景や土の臭いに惹かれていたわたしにとって、農業はとても魅力的な世界であり、この本を通して農家の魅力とともに実際の農家の苦労を知ることができてよかった。
登場人物は、久美子を裏切るようなことも多いが、1人1人が人間的であり魅力的でもある。
久美子も、さまざまな側面を持っていて面白い。善良な面ばかりでない。読者は生きるために必死なところを応援したくなる。また、どんなことが起こっても強く生きていく久美子にはその逞しさを少し分けてもらえたような気持ちになった。 -
2019/11/1
主人公の32歳の女性は派遣切りに遭い、彼氏からも振られ、最近できた24歳の彼女と結婚するからと、同棲している部屋からの立ち退きを迫られている。
主人公は母に先立たれて以降身寄りがないため保証人が立てられず、安定した仕事もないため家探しに苦労している。元彼には早く立ち退くよう冷たく宣告される。
どん底の状況下にて、主人公は慣れないウィスキーを飲みながら見たテレビで、一筋の希望を見出す。農ガールの特集だ。これは光明だろうか、いや、甘い罠でもあった。農業の世界はそんなに甘くない。 -
作品名からしたら結構ほのぼの系かと思いきや久美子はいきなりどん底、ピンチの連続。
でも普通の女の子がどんどんたくましくなっていくのが分かる作品。登場人物もみんな癖があって、でもみんなどこか温かみを感じる事が出来て。いいストーリーでした。
挫けた時にまた読みたい! -
強制的に人生の転機を迎えてしまった主人公・久美子。偶然TVで視聴した農業女子に触発されたこと、再就職先がなく、住む家も失う寸前という切羽詰まった状況から農業での自立を目指す物語は、農業大学校までは順調にいくも、農地確保から就農へと進む場面で、様々な困難が立ちはだかる。農業委員の偏見に満ちた就農説明は少しオーバーな演出もあるが、取材に裏付けされた表現だと思う。就農ハウツー本の執筆者が、実家が農家とか本当に多く、農業に縁のない人の新規就農は想像以上に大変だろう。
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オススメを見て、購入し、2週間ほどで読み終わりました!
まだ、読んでない方!! に、オススメしますよー!この本は、すごく読みやすいし、主人公の必死な姿や、ひたむきな姿が読んでいて、すごく伝わりました!
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主人公が数々の困難に直面しても、周りからの助けと持ち前のタフさで乗り越えて行く様が良かった。決して順風満帆な人生ではないが、信念を曲げず、地道に生きていく様に勇気をもらった。農家の大変さや楽しさも、瑞々しい描写によく表されていた。
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内容(「BOOK」データベースより)
水沢久美子は派遣切りに遭った日、同棲相手から突然「結婚したい人がいるから出ていってくれ」と告げられる。仕事も家も彼氏も失った三十二歳の春。失意のどん底にいたとき偶然目にした「農業女子特集」というTV番組に釘付けになる。「農業だ!」運命を感じた久美子は早速、田舎に引っ越し農業大学へ入学することを決意。明るい農村ライフが待っていると信じていたが…!? -
農業が熱い!と、偉そうに語っていたのが恥ずかしい。
農業は簡単にはできない。農業が直面する課題、ネット販売や休耕地の借用、農業って全然簡単ではないということが、分かった。
主人公の生き方を通じて幸せって?というのを素直な気持ちで考えることができた