- Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396346591
感想・レビュー・書評
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安定の垣谷美雨さん、今回も面白く、共感したりしながら読みました。家族との紆余曲折があったものの、ラストは読後感よく、スッキリしました。
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あんころ餅さんこちらも気になっていました( ´ ▽ ` )スッキリする結末良いですね!こちらも気になっていました( ´ ▽ ` )スッキリする結末良いですね!2021/04/06
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またまた、垣谷美雨さん。
題名からもわかる通り、定年を迎えたクソオヤジの考え方を改造していこうという内容。
しかし、改造と言えば第3者が、対象となる物に手を加えるというイメージがあるが、この小説はオヤジ自ら考え方を変えていくという内容になっている。
私も還暦を過ぎて、この小説の主人公とほぼ同じ年齢であるため、少なからずも主人公に共感できる部分はある。
例えば、私は料理や洗い物、洗濯等をやった事がない。
やんなきゃなぁ、と思いつつやった事がない。
やり方がわからないとか、変な理由付けをし言い訳をしてるとしたら、大変まずいのである。
この本で「夫源病」という言葉を初めて知った。
程度の差こそあれ、多かれ少なかれ、世の奥様方はストレスを感じている事を心しなければならない。
そんなの小説なんだから気にするな、なんて絶対言えない。
「夫源病」
ご存じない方は、ネットにたくさん情報があるので一度見てみると良い。
ま、還暦を過ぎたあたりの男性のバイブル的小説です。
お勧めというか、読んでおいた方が身のためですよぉ~(笑) -
主人公は定年を迎えたばかりの庄司
長年勤めた会社を定年退職し、これからは妻と旅行に出掛けたりしたいと思っていましたが、妻からは避けられ、あげくは一緒にいると息が詰まると食事も別々
気がついたら家庭内別居状態に…
家族のためにと家庭を顧みることなく仕事一筋で家事や育児は妻に任せっきり
妻は長年溜め込んだ不満が夫の定年と共に夫源病という形で表面化します
が、肝心の夫は何が何だかさっぱり分からない
一言目には「女が家事をやるのは当たり前」「女に母性があるのは当たり前だから育児が苦なわけがない」と悪びれることはありません
悪気がないのが余計にたちが悪い
娘に「お父さんは間違ってる」と言われても何が間違ってるのかさっぱり分からない
妻や娘や嫁と話してもどこか噛み合いません
そこから庄司が少しずつ変化していくのがホッとするやら
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自分と同じ轍を踏みそうな息子を叩き直してやろうと奮闘する姿はそれまでの憎らしいオヤジから一転微笑ましい
「もう俺は一介のジジイなんかじゃない。闘うジイジだ。ジジイとジイジは似ているが、全然違うんだからな。とにかく、今日の課題は、ウンチの紙パンツ替えだ。」なんてセリフが飛び出すとは!!
思わず吹き出してしまいました
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同作家さんの「農ガール、農ライフ」でもそうでしたが、日本政府の政策にチクリと苦言を呈してたりして中々考えさせられます
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それにしても、ん?ウチのこと言ってるのかな?
と思うくらい、昔、夫から言われたことばっかでした
昔を思い出して余計にイライラ
夫を上司のようだと思ったこともこの家の家政婦みたいだと思ったこともあります
今は…あまり思わなくなったから夫に変化があったってことかなー
変化がなかったら今頃熟年離婚の危機だったかもね -
面白かったです!
子育てに関して頑固なお父さんが、定年後に孫の世話をしながら次第に変わっていく様子は良かったです。
お母さんと娘からの態度もなかなかキツくて、よく頑張ったと思います -
良かった。家庭のこと考えないと。
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小説の体をとっているが、ジェンダー感の旧態依然とした価値観について訴える、エッセイのような印象。定年を無長けた庄司常雄が、妻の変容や娘との会話、そして孫たちのお迎えを任せられることを機に、自分の価値観の古さや、それが息子に受け継がれていることへの危機感に気づきはじめる。“イクメン”ブームで自分は常雄のような人とは違うと思って読んでいる人も遠慮なく斬ってくる容赦のなさ。ジェンダーニュートラルを超えて、インクルーシブな世の中へと向かわせるアクションとしては、エッセイでなく小説の体をとっていることが効果的だと感じた。“夫源病”もこわい単語だが、一番怖かったのは解説の中にあった、中年オヤジは企業が生んだ“産業廃棄物”だというコトバ。これはキツい…。
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垣谷美雨らしい作品。主に子育て中の女性の生きづらさを描いているが、男性も稼ぎ頭として仕事を一手に担う辛さがあったと思う。男女関係なく性差による偏見がなくなり、お互いに行きやすい世の中になって欲しいと思った。
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「定年オヤジ」だけではない、むしろ若い世代の男性諸氏にこそ読んでほしい一冊。小説仕立てだが、そこはさすが、著者・垣内美雨。時代錯誤な感覚の主人公・定年おやじが、徐々に現在の子育てや保活の状況を目の当たりにしながら、息子の嫁のサポート、そして自分と同じ認識だった息子の改革に乗り出していく。解説は、家事労働ハラスメントという言葉を生み出した竹信三恵子氏。