デビル・イン・ヘブン

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 114
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (423ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634308

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  • 近未来、東京メガリゾート構想で2020年のオリンピックと同時に創設された公営カジノを巡る物語。
    地上の楽園とも思える「カジノ特区」に疑問を抱いた刑事や保険会社の調査員がその実態に迫ってゆく。
    国民、特に高齢者から金を巻き上げる仕組みとしてのカジノの恐ろしさが身にしみた。実にイヤな話ではあるが、ありそうな未来としてのインパクトは抜群。キリスト教をモチーフに取り入れたのはいい感じ。

  • 近未来の日本、オリンピックは東京で合法化されたカジノに客を送り込む最大のキャンペーンだった。
    その東京のカジノから得られる利益に吸い寄せられる犯罪者たちと、その共同体に人生を狂わせられた警察官の死闘。
    あまりに近未来におこりそうな舞台背景。石原、猪瀬時代が続いていたら、そのまま現実になりそうな近未来。
    小説としては、かなり早い段階から黒幕の目星がついてしまい、なんとなく読み進める感じで、推理小説としての面白味はあまりなかったかもしれない。

  • 2023年の東京が主な舞台の、起こってほしくないけどあり得そうな話で、読後はちょっとブルーに…。前の二作と比べて、リアリティーがある分、怖さを感じた。
    日本がギャンブル大国というのはもちろんのこと、高齢者の介護予防の政策として模擬カジノを推奨という話も、ニュースか何かでそういえば聞いたことあるなあと思いながら読んだ。私はパチンコどころか宝くじすら買ったことがない堅実派なので、ギャンブルの魅力は解らない。幸いにして、依存症というほど「遊戯」に嵌まってしまう人も身近にはいない。
    そんな自分でも、ギャンブル依存がまったくの他人事とは思っていない。きっかけさえあれば誰にも陥る可能性はあって、しかも、日本ではそれは自己責任とみなされ適切な援助も受けられない。それどころか、積極的にリスクを負わせる動きがあるという現実を思い知らされ、暗たんたる気分になった。


    【校正】
    17時30分、署の正面玄関に来い。田沢
    田沢真からだった。(略)腕時計を見ると十八時二十分。(略)約束の五分前に、諏訪は聖洲署の正面玄関入り口に着いた。(P67)
    →18時30分、署の正面玄関に来い。
    もしくは、
    →腕時計を見ると十七時二十分。

    諏訪の正面、方角でいうと西には、聖洲と若洲を繋ぐ東京ゲートブリッジ。(略)左手つまり北には、狭い運河を挟んでお台場・有明臨海副都心のビル群。(P70)
    →左手に北がくる方角は、西ではなく東

    消費者金融、保険会社、カジノ、東京都、国という五者が結託して、罪もない老人たちを次々と殺害している――そんなことがある筈がないと思いながらも、事実、五者がそれぞれに大きな利益を得ていることは、どうやら事実のようなのだ。(P161)
    →1つ目の「事実、」を削除
    もしくは
    →……ある筈がないと思いながらも、事実、どうやら五者がそれぞれに大きな利益を得ているようなのだ。

  • 2013/12/31読了

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著者プロフィール

河合莞爾
熊本県生まれ。早稲田大学法学部卒。出版社勤務。
二〇一二年に第32回横溝正史ミステリ大賞を受賞し『デッドマン』でデビュー。他の作品に『豪球復活』(講談社)、『デビル・イン・ヘブン』『スノウ・エンジェル 』『ジャンヌ』(祥伝社)、「カンブリア」シリーズ(中央公論新社)などがある。

「2023年 『カンブリアⅢ 無化の章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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