- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396635855
感想・レビュー・書評
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突飛でもなくありがちな悩みで生きにくさを感じる日々。周りに迎合し過ぎたり、短慮な会話が苦手だったり、夫がメンタル崩して会社行けなくなったり、いつしか友人と距離ができたり。その立ち直りのきっかけは、誰かが自分に作ってくれる料理かもしれない。それは決して特別な料理ではなく、心のこもった日常の料理なのか、幼きころから馴染んだ思い出の料理なのか。ああ確かに、子供の頃は食事がどれほど楽しみでもなく、母から「ごはんだよ」と呼ばれたら面倒くさい気持ちがよぎった。大人になり、色々あるうちに食事に感謝がそなわる。ときにね。
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日々の生活の中で、自分が食べたいと思う食事を用意して(自ら作るのは勿論、外での調達も)腹を満たす、セルフケアする、自分の機嫌を自分でとる。それが出来ない程に元気がない状態に陥った友達がいたならば、美味しいご飯で寄り添う。それが出来る人は、主体的に人生を生きられる人なのかな、と思った。
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食にまつわる短編集。生きている中で味わう言葉にならない悲しみや、決して取り返しのつかない過ちでどんなに息苦しくなっても、食べることを選び続けよう、そんな声が聞こえてくるようだった。家族というものの「気持ちの悪さ」を別々の視点から描いた「シュークリームタワーで待ち合わせ」「大きな鍋の歌」は傑作でした。鍋いっぱいのクリームシチューやささみと大根おろしのスープ、赤ワイン牛煮込み、そんな料理を作りたくなる。
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料理の描写がある小説は好きなんだけど、これはあんまりそこに力は入ってなくて、食にまつわる思い出の話って感じかな。
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記録
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色とりどりの羽を持つ鳥、優しい色味の枝豆パン、ミルキーな回転木馬、玩具みたいなピザ、レモンイエローのホイッスル、冬の夜空のような深鉢、シュークリームタワー、色とりどりの野菜が入った具だくさんシチューと各章に登場するモチーフがいちいち可愛いのが憎い。
食べ物も勿論おいしそうだったけど、それ以上に悩み生きるどこか子どもっぽさを残した登場人物達が愛おしくてしょうがなかった。
何故だか母親のような気持ちで幸せを離さないでほしいと願う。 -
sg
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食べ物が紡ぐエピソード、のちにそれはその人との思い出になる
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あまり好みではなかった。主人公が好きになれないからかもしれない。
「シュークリームタワーで待ち合わせ」の主人公の夜子は力強くて好感が持てた。食べる事は生きる事というが、まさにその通りで夜子は食を通じて、友人である幸を立ち直らせる。少し強引だったけど、そういう事が出来る人って素敵だと思う。 -
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