- Amazon.co.jp ・マンガ (119ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396761776
感想・レビュー・書評
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楠本まきさんの代表作のひとつにして、圧倒的な芸術性が煌々と輝く真珠母みたいな作品です。二色刷りの斬新さと細微流麗なタッチは言うまでもなく、この作品では特に蜜こと『ドーリス』を表現する美しい言葉とその配置の仕方も傑出していて、パラパラとめくるだけでも最高に甘美な気分に浸れます。今の時代、蜜みたいな女の子は「メンヘラ」「ヤンデレ」って簡単に言われて、ラベリングされそうだけど、私の中では蜜はそんな外連味などない『ドーリス』で、とっても脆くて綺麗で儚い魅力的な女の子です。
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痛い・・・
でも一番好きな話。 -
今読んでる楠本作品の中で一番愛している作品
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破綻。1話ごとに異なる2色刷りで、その色調でも読み取れるものがある。
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好き…
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再読。初めてドーリスと出逢ったのは十四歳のとき。私にはここに描かれている内容が半分も理解できなかったし、破滅的な性格の蜜を好きになれなかった。でも彼女と同じ年齢の頃、ある歌を聴いて三半規管が破壊されるような衝撃を受けてから、この作品に対する意識が変わった。
次の容器は見つけられそうにない。その限界はひたひたと爪の先から忍びよってくるから、血液が煮立って、息が詰まったら、膝を抱えて蹲ったらいい。アスピリンを飲み込むつもりで、何回も、何回も、頭の中で唱える。感覚が麻痺するくらい。
〈ドーリス 世界が私の集合体なら呼吸は苦しく無いわ〉
エーテルの階段を駆け上って飛び降りてしまわないように、諦観的微笑を口元に浮かべ自己を欺く。
《2013.09.03》 -
年寄りにはようわからん。
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耽美派漫画など似合わない自分。
ソレでも、『KISS xxxx』はロック漫画的入口で好きだったりする。
今作も、耽美的かつ、退廃的。
BGMにはヴェルヴェット・アンダーグランド、1st&2ndで……。 -
絵画的。退廃的。
破滅的な恋愛と自傷行為と依存と、どこまでも不安定。
昔はこんな恋愛も…と思っていたけれど、もう大人になってしまったみたい。今はもう本棚の奥に。 -
全編多色刷の逸品。エキセントリックな美少女と、彼女に溺れる少年の破滅型恋愛譚というのは、描き方次第で逆に凡庸にも単なる自己陶酔にも陥りかねないけれど、楠本まきの画力と詩情をもってすれば「美しさ」のほうが勝る。