この指とまれ -GONBEN-

著者 :
  • 実業之日本社
3.50
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本棚登録 : 51
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408535111

作品紹介・あらすじ

美貌の女子大生・椙浦夏子は、稼いだバイト代全てを貢いだ恋人を、社長令嬢・日ノ原麗華に奪われた。「お金持ちになって、あのふたりを見返してやる!」と誓う夏子は、大学の同級生で体育会スキー部に所属する鹿沼歩、父親が会社で不正を働いて逮捕されたスキー部の後輩・吉田博貴、夏子がバイト先のキャバクラで知り合った長谷川夏樹らを仲間に加え、詐欺グループを結成する。学生サークルのノリでカモを騙す計画を練る彼女たち。数多の犯罪の成功に味をしめ、より大物をターゲットに定めるうちに、いつしかヤクザや警察を敵にまわすことになって…。狐と狸の化かし合い。悪魔は誰に微笑むか。

感想・レビュー・書評

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  • この作者にしてはおとなしめな描画。
    オチもいまいち。

  • 大学生の詐欺師グループが次々と犯罪を重ねるうちに破滅していくと言うストーリー。青春なんて紹介から、コンゲーム的な頭脳戦を期待していたのだが、作品全体にアルコールと煙草の匂いが漂うヤクザ小説に近かった。結構分厚いが、次々と三人称の視点が変わる構成で読んでいて飽きがこない。因果応報的なエンディングを予想して読み進めていたら、予想の範疇外の結末も用意されていて最後まで楽しめた。惨劇のシーンを敢えてカットしたことが作品の印象をより深いものとしている。

  • 自分の知能や体力をすべて賭けたルール無用の駆け引きの中で、人間の欲深さや身勝手さが露呈し、絡み合い、勝者は大金を手に入れ、敗者は命すら奪われて堕ちていく。その容赦ない弱肉強食のゲームは、仕掛ける側をも食い殺していき…。
    最後の無慈悲などんでん返しは圧巻です。これぞ小川勝己!

    あと、このひとの描く女性像はいかにもで怖いんですけど、へたれなだめ男が最後ぐわっと冷徹な底力を見せるところがすごく好きです。自己破壊的で露悪主義な夏樹なんかもう惚れ惚れしてしまうし、博貴はこれからが楽しみだなあ。

  • 途中がちょっとご都合主義的な感じがしたが、一応最後ははまとまってくれたのでスッキリ。正直言うともう少しこうアレな結末でも良かったけどなぁ。

  • ラストでどどどどっと人物と人物がつながっていく感じがきもちいい。
    この方の書くキャラで最初のイメージが崩壊しないキャラは珍しいかなーというかちょっとその可能性を感じていただけに長谷川夏樹の最後はよかった。最後にとち狂って醜態を晒すような可能性が高かった(アル中だし)だけに、カッコイイ死に方をしてくれた。好きなキャラです。俊明も裏切らなくてほんと嬉しかった。だってこの方ならそれが有り得そうなんだもん。誰が歩を疑っていただろうか…。

    学生グループが大規模な詐欺を働いていくストーリー。被害者、学生グループのうちの一人、警察、など様々に視点が立ち代わり入れ代わるので叙述トリック的な要素が。

  • 人を騙して欺く詐欺師たちの物語。騙し騙されまさにノンストップ、一気に読まされました。かなりスリリングです! 詐欺っていかんよな、とは当然思うのですが。ものすごくわくわくしてしまう作品でしたよ。詐欺の手口は勉強になりますかね?
    しかし。それだけじゃなかったな。このオチは読めませんでしたよ。ここがこう繋がって、実はあの人があれだったとは……! そういや伏線もあったのね。なるほどなるほど。けして爽快とはいいがたい読後感ではありますが、ぞくりとさせられて印象的でした。

  • すきなタイプの書物では無かった。やはり人が死ぬのはあまり好きではない。展開上、ミステリー系は仕方ないのだが、ただ人が殺される情景の描かれ方が好きでないと云うのかな。素人詐欺師集団の「この指いとまって」しまった、若者たち。詐欺にかかった人たちの転落が、やがて本人達にも及ぶ。しかしその陰には「引導を渡す一人の女」がいた。読後感が・・・・にぶい。

  • 題名と装丁からホラーかな?と思って手に取った一作。
    予想を裏切る詐欺モノ。嫌な感じに重く、でも読み進めることが苦じゃない。
    単なる連作かと思いきや、ラストの収め方は見事でした。
    楽しかったです。

  • 「負け組人生」から脱け出すため、女子大生の椙浦夏子をリーダーに結成
    された詐欺グループ。自らの犯罪を“ビジネス”と称して、カモを騙し続ける
    彼女たちの運命は・・・・・。

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