こなもん屋馬子

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408535968

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと行き詰まった人たちにしか開かれない、なぞのコナモン屋。入るのに躊躇われるほどオンボロなのはちょっと怖いけど、探せば開かれるのかな?

  • 2012/11/25 おいしそうだから食べたくなる気持ちと、大しておいしくないなら食べなくていいや、という諦めを呼ぶ。安定のワンパターン。

  •  近年、映画やドラマで「食堂もの」とも呼ぶべきジャンルが市民権を得てきたと思っていたら、大御所の伝奇作家までがこんな本を出していた。
     「こなもん」とは、関西で「小麦粉を主体とした料理」を意味する。饂飩もラーメンも焼きソバも、タコ焼きもお好み焼きも肉まんも、パスタやピザまでが「こなもん」の範疇らしい。
     そんな「こなもん屋」の店主であり、コテコテの大阪おばちゃんの馬子が、弟子の少女イルカをしたがえて傍若無人に料理を作りながら、客たちが密かに抱える苦悩を見抜き、問題を解決していくミステリー風コメディーである。
     ちなみに、このタイトルから『UMAハンター馬子』を連想した人は、かなりのマニアだ。

  • 予想外のお悩み解決ストーリーで面白かった。どのこなもんも美味しそう。

  • 「こなもん」って小麦粉を使った料理の総称。こなもん全般なんでもアリマ温泉など毎回違った看板を掲げている大阪のおばちゃんののりの謎の店。とにかく旨いこなもんを出し味に魅せられて通いつめる客の悩みを解決するがいつも最後は店ごと消えている。思わず声を出して笑ってしまうけど人情物でもある。

  • 笑った〜(^^)馬子さん最高!!最強!?馬子さんの「こなもん」は食べたいけれど、店にはあんまり行きたくないな(^_^;)毎回、店の看板に笑わされた♪こなもんは他にもたくさんあるから、もっと読みたい!

  • 濃い~大阪のおばちゃん馬子さんのお店で
    いろんなことがおこる。

    お店は神出鬼没、必要な人のところに
    必要な間だけ現れる。
    絶品こなもんや。

    ちょっと、パターンが決まっているので
    最後のほうは飽きちゃうかんじもあるが、
    これは続けていくと、
    吉本新喜劇の域に達するであろうと思われる。

    おいしく食べることは元気の素なのだ。

  • もんじゃ美味しいのに!
    馬子さんのもんじゃ食べたいよ!

  • 2012.05.26読了。大阪のオバはん馬子の店で起こる話。豚玉のジョーが一番好きな話やったなー☆

  • 話がよく練られてるなぁという印象。
    短編集なんですが、それぞれの主人公の正体に毎回びっくりさせられてました。
    馬子なにものなんだ…

  • 悩みを抱えた人々が、吸い寄せられるように入った店には、「コナモン全般」と書かれた
    看板と、でぶっと太った、どの方向から見ても文句無しの「大阪のおばはん」が……。
    お好み焼き、たこ焼き、うどん、ピザ、焼きそば、豚まん、ラーメン…
    蘇我家馬子(そがのやうまこ)がつくるどういうわけか絶品のひと皿と、店で展開される
    ドタバタ大騒動が、来る客みんなをなぜか幸せな気分にしてしまいます。
    読んだら無性に食べたくなる、やみつき必至の爆笑B級グルメ・ミステリー

  • 大阪のどこか
    たまたまたどり着いたこなもん屋
    いかにもな大阪のおばはんが作り出すこなもんのおいしさに常連になるも
    ある時を境に店は消えてしまい…

    テンポよく読めて◎
    スランプ中の人しかたどり着けない店、出会いの縁、うまうま食べて
    生きる力を取り戻す!
    安心して楽しく読めました

  • 長女にススメられて読んだ本。

    お好み焼きと、たこ焼きと、うどんと、ピザが食べたくなる本。

    でも…最初の2編くらいは良いけど、
    後半は、パターンが一緒で、飽きるかな。

  • 7つの短編連作集。
    なんでもありマッセ…ありま温泉…ありま記念…アルカポネ。

    すげえ美味しい豚玉、マルゲリータが食いたくなる事必死…つーか食いたい!
    馬子さんには認められてないもんじゃ焼きも好きなのよね僕は…。

  • おもしろかった!さすが大阪のおばちゃん。
    思わず声出して笑ってしまった。

  • 初めの三編はおもしろかたなぁ
    あとになるほど
    さすがに 無理があるかな
    と 思ってしまった

    ただ
    田中啓文さんの
    発想力と着眼点は
    相変わらず 魅力的です

  •  悩める人たちの前に忽然と現れ、その悩みを解決するとたどり着けなくなってしまう不思議なお店。コナモン全般を出す“馬子屋”。いかにも大阪のおばはんという感じの店主・馬子。お好み焼き、たこ焼き、おうどん、焼きそば、ピザ、豚まん、ラーメン…読んでると、どれもおいしそう。食べたい!

  • こてこての大阪風ジョークがたっぷり詰まった話。
    7つの短編はいずれも食い倒れの町・大阪のソウル・フード「こなもん」を題材に、妙ちきりんな女主人・馬子と常連客のやり取りで笑わせてくれる。

    田中さんらしい、くすぐりと駄洒落、いかにも大阪と言うべきボケと突っ込みのやりとりがリズミカルに繰り広げられる。

    各話共に読み切りで、それぞれに登場するノンベエの語り手たちが馬子の屋台との唐突の出会いと、そこで常連になるまでのいきさつ、そして引き起こされる印象的な事件を語っていく。

    ニックネームまで付けられる常連客になったと思いきや、いつの間にか消えていく馬子とのその使用人イルカに思いをはせるという構成だ。

  •  「こなもん」とは,小麦粉を使った料理の総称を指す大阪弁で,お好み焼きやたこ焼き,うどんetcがあります。

     馬子は,こなもんを営む女主人の名前。この馬子の風貌たるや,本の中の一節から引用すると「肉襦袢を着たような肥えかたをした中年女性が,煙草を吸いながらこちらを見ているのです。まず,その髪型に驚きました。ごわごわの髪質に粗いパーマをかけ,前衛彫刻のようなねじり方をしたうえ,水色に染めているのです。関西のおばはんに共通する「どういう美的センスをしているのかわからない」セットのしかたです。シャツにプリントされた巨大なジャガーの顔面が・・・」といった感じ。

     お話は,こんな強烈な個性の持ち主の馬子とそのお店に訪れるお客さんとのエピソード。「豚玉のジョー」,「たこ焼きのジュン」といった食欲を誘うタイトルの短編が7つ入っています。

     関西のノリの笑いがあるのは当然,一方で訪れるお客の悩みや謎を解決していくというちょっとしたミステリーの要素をあります。

     とにかく,でてくる「こなもん」の旨そうなこと。行ってみたくなること間違いなしです。

  • 電車の中で読んでいて笑いをこらえるのに苦労する面白さがある。

  • こなもん屋を営む蘇我屋馬子(そがのや・うまこ)・・コナモン全般を食べさせてくれる幻の馬子屋が物語の舞台です。大阪の典型的オバハンをキャラクタモチーフにした馬子と娘のイルカは『神か?』はたまた『妖しか?』・・・B級グルメを通して笑いと人生の機微を楽しく語る7話の連続小説はB級グルメのファンタジーです。お店を訪れるのは身分を伏せた各界の著名人や達人そして袖触れ合う来店客との間で繰り広げられる物語はワハハハと心を温かくしてくれます。日本人大衆なら誰もが好きなコナモングルメ・・お好み焼き・たこ焼き・おうどん・焼きソバ・ピッツァ・豚まん・ラーメンを売る豪快にして磊落な大阪のオバハン馬子が繰り出すコナモンは人生の栄養と滋養を与えてくれる美味しい一冊でした。

    読後感=ああ~ウマカッタ♪

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  • ミステリー?ファンタジー?

  • ある日ふらっと立ち寄ったコナモン屋に通い詰めるうちに次第に悩みが解決されて行くという基本線は全話同じ。
    連載物ならそれでもいいけど、せっかく単行本なのでうまくまとめて欲しかった。

  • 悩みを抱えた人が吸い寄せられる「コナモン」料理の店 馬子屋。
    お好み焼き、たこ焼き、うどん、ピザ、焼きそば、豚まん、ラーメン…、どれもおいしそうで、一度は食べてみたくなる。空腹時にはお勧めできない本である。

    笑酔亭竜吉や松茸芸能など、梅寿謎解噺シリーズとも絡んだ名前も出てきて、ついニヤリ。梅寿と馬子が対決したら凄いことになりそうだ。

  • +++
    大阪の「こなもん」料理でお悩み解決!

    悩みを抱えた人々が、吸い寄せられるように入った店には、「コナモン全般」と書かれた
    看板と、でぶっと太った、どの方向から見ても文句無しの「大阪のおばはん」が……。
    お好み焼き、たこ焼き、うどん、ピザ、焼きそば、豚まん、ラーメン…
    蘇我家馬子(そがのやうまこ)がつくるどういうわけか絶品のひと皿と、店で展開される
    ドタバタ大騒動が、来る客みんなをなぜか幸せな気分にしてしまいます。
    読んだら無性に食べたくなる、やみつき必至の爆笑B級グルメ・ミステリー!
    +++
    「豚玉のジョー」 「たこ焼きのジュン」 「おうどんのリュウ」 『焼きそばのケン」 「マルゲリータのジンペイ」 「豚まんのコーザブロー」 「ラーメンの喝瑛」
    +++

    建物と建物の隙間から滲み出てきたようなちっぽけで汚い店構えのこなもん屋「馬子屋」が舞台である。とはいっても、この店、決まった場所にあるわけではない。それぞれのタイトルにもなっている迷える男が、酔った挙句に迷い込むようにして見つけ、その味にほれ込んでしばらく通う内に、ほかの客の持ち込んだ厄介ごとを解き明かし、それに連れて男の抱えている問題まですっきり解決してしまうと、いつのまにか跡形もなくなっているのである。店主の蘇我家馬子もただひとりの店員・イルカも果たして実在するのだろうか、と関係者全員が疑うのだが、あるときまたどこかで、酔って迷い込む男がいるのである。見るからに大阪のおばちゃん然としているが、料理の腕前といい、腕っ節といい、鋭すぎる洞察力や推理力といい、ただ者ではない。きょうも大阪のどこかでおいしそうな湯気を立てながら他人の厄介ごとを解決しているのだろうな、と思わされる一冊である。

  • 内容紹介
    大阪の「こなもん」料理でお悩み解決!

    悩みを抱えた人々が、吸い寄せられるように入った店には、「コナモン全般」と書かれた
    看板と、でぶっと太った、どの方向から見ても文句無しの「大阪のおばはん」が……。
    お好み焼き、たこ焼き、うどん、ピザ、焼きそば、豚まん、ラーメン…
    蘇我家馬子(そがのやうまこ)がつくるどういうわけか絶品のひと皿と、店で展開される
    ドタバタ大騒動が、来る客みんなをなぜか幸せな気分にしてしまいます。
    読んだら無性に食べたくなる、やみつき必至の爆笑B級グルメ・ミステリー!

  • 面白い!馬子は神なのか、妖なのか、ただの大阪のおばちゃんなんか・・・メリケン粉の化身?馬子の食べる美味しい粉もの(お好み焼き、タコ焼き、焼きそば、ピザ、豚まん、うどん、ラーメン)を旨い旨いと食べてるうちに、そこで出会った人たちや馬子の助言もあって、それぞれのお話の主人公の悩みが解決する。そんなうまい事いくかい?っていう突っ込みはなしで、単純に面白がって読みました。殆どの話は、主人公の悩みも素性も、最後の最後に明かされます。粉もん言うたら、お好み焼きやたこ焼きを思い浮かべるけれど、うどんも点心も、パスタもみーんな小麦粉で出来てるから粉もんなんか。そう。ラーメンやないけど、粉もんの定義何て考えてもしゃーない。粉もんなんてものは『無い』ねんから。

  • 大阪のちょっと不思議な「こなもん屋」を舞台にした短編集。心に病を抱えた客が引き寄せられるように入った「こなもん屋」の主人・馬子(うまこ)が出す素朴だが絶品の料理で何時しか心の病が癒えてしまうが、お礼を言おうと後日訪れると店ごと消えてしまっているというのが全編共通のプロット。

    ある時はうどん、ある時はタコ焼き、ある時はお好み焼き、と出す店の料理は変わるが馬子の浪花のおかんキャラクターは変わらない。そして店前に置いてある看板の書き間違いとそれに対する客のツッコミは不変。これがこの短編集の「形式美」とでも言えるものなので、存分に楽しんで貰いたい。

    馬子が店にやってきた訳有りそうな流しの歌手にギターで伴奏させ唄うは「俵星玄蕃」というのが三波春夫の長編歌謡浪曲集を最近買った自分にはたまらなくウケた。果たしてその馬子の正体は?読み終えるとなぜか少しだけ幸せになれる物語。

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著者プロフィール

1962年大阪府生まれ。神戸大学卒業。93年「凶の剣士」で第2回ファンタジーロマン大賞佳作入選、短篇「落花する緑」で「鮎川哲也の本格推理」に入選しデビュー。2002年「銀河帝国の弘法も筆の誤り」で第62回日本推理作家協会賞短篇部門を受賞。ミステリー、ホラー、伝奇と様々なジャンルで活躍し、時代小説では「鍋奉行犯科帳」「浮世奉行と三悪人」などのシリーズなどがある。

「2023年 『貧乏神あんど福の神 秀吉が来た!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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