終活中毒

著者 :
  • 実業之日本社
3.71
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本棚登録 : 1586
感想 : 156
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408538075

作品紹介・あらすじ

人生は、いつでも大どんでん返し。
たとえ、余命わずかでも――

最高の最期(エンディング)、始めますか?  
あなたの心に火を灯す驚愕×号泣ミステリ―!

ゾッとする終活、理想的な終活、人生を賭けた終活…
4人の〈終活〉に待っていたサプライズとは?
40代女性―余命をSDGs活動につぎ込む資産家の妻に望むのは…(「SDGsな終活」)
60代男性―妻の三回忌のため息子と家のリフォームを始めたが…(「最後の終活」)
60代女性―ベストセラー作家の遺品に心を乱された理由は?(「小説家の終活」)
40代男性―売れない芸人の終活はお笑いグランプリの挑戦で…(「お笑いの死神」)

感想・レビュー・書評

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  • 「就活」ではなく「終活」。
    人生のエンディングに向けて行う準備のこと。

    そんな「終活」についてのミステリー4編で構成された「婚活中毒」の姉妹編的短編集。

    「SDGsな終活」
    莫大な遺産を相続することを目的に、余命僅かな女に近づく男。
    イヤミスだけどどこか滑稽で…だけど、結末は怖くてぞっとする。

    「最後の終活」
    妻に先立たれた夫。以来すっかり疎遠になっていた息子が家に戻ってきてくれるが…
    ああ、もしかしたら、こういうふうに世界が見えているんだ…と妙に納得。

    「小説家の終活」
    自分を慕う後輩小説家が密かに遺した原稿は大傑作だった。
    小説家としての一線を越えるのか、それとも踏みとどまることができるか?

    「お笑いの死神」
    ある日突然がん宣告された芸人の最後のステージを見ている死神とは一体何者か?

    サクッと読めて、コロッと騙される快感に酔いしれることができる。深みはないけど見事です。

  • 終活がテーマの短編集
    「小説家の終活」と「お笑いの死神」が良かった

    イヤミスは1話目くらいかな
    自業自得ですね

    ほろっとする場面もあり
    読みやすい作品です
    これからも追っかけよう

    図書館本

  • サクサク読める短編4編
    最初のSDGsは イヤミス?風味ですが
    心温まるだけではない
    ちょっと苦笑させられるところも
    楽しんで読めました
    お笑いの死神は
    まさにお笑い芸人にとって
    最高の終活じゃないかな と思う
    笑ってもらえて 記憶に残って
    ちょっとした勘違いも 
    あの世で泣き笑いできそう

  • 題名が気になり手に取りました


    てっきり終活のhow Toっぽい感じの
    内容を想像していましたが
    読み進めると
    ぞくっしたり、
    えっ!となるような話もあって
    なかなか楽しめました(^^)


    調べてみると
    婚活中毒という作品も
    出されているんですね

    そちらも読んでみたいと思います

  • 終活をテーマにした4話の短篇集。

    想像を超える結末に唖然とするしかない。
    特にSDGsな終活は、ゾッとするほどの凄さだった。
    最後の終活は、こうやってサクサクと息子が片づけしてくれたらいいなぁ…頼もしいなぁなどと考えていたらまさかの大どんでん返し。
    この2話がとても強烈過ぎた。

  • 婚活中毒に続く終活に関する短編集。どれも読みやすくてよかった。
    秋吉さんの作品は、おもしろく、考えさせられ、ホロッとくる。

  • 終活にまつわる4つの物語。
    初めましての作家さんだったけれど、私の好みのサラッと読める作品で、出会えて嬉しい(^^)

    ◆各作品あらすじと感想
    「SDGsな終活」
    余命少ない患者の遺産相続目当てに結婚相手を探していた僕は、3つの条件を満たす真美子と結婚。しかし真美子は、余生と遺産をSDGs 活動につぎ込み始め、そのうえ死に向かうどころか、元気になるばかり。耐えきてなくなった僕は殺害を計画・実行するが…。どっちもサイコパスで、ゾッとする怖さではあったが、予想できるオチではあった。

    「最後の終活」
    妻を亡くし、息子とはほぼ絶縁状態で独り身だった松永の元に突然帰ってきた息子。妻の三回忌に向けて家のリフォームの準備を進めるが…。
    認知症、詐欺、息子との絶縁の理由等、伏線が回収されていく。こちらもオチの予想は簡単だった。

    「小説家の終活」
    一時はベストセラー作家として名を馳せたものの、ある作品での事件をきっかけに執筆意欲を消失してしまった神崎美奈子。小説家仲間だった花菱あやめの死後、彼女が世に出していない作品を遺していたことに気づいた美奈子は、盗作の罪に足を踏み込む…。一つの作品を生み出す苦しみ、作品が被ってしまい、出版に辿り着くことができなかった絶望、盗作への罪悪感と葛藤…。美奈子の心の揺れがこちらにまで伝わってきた。最後、あやめの娘 奈緒美と編集者荻野の粋な計らいが良かった。

    「お笑いの死神」
    ブレイクできずにいる芸人の六は、ある日突然医師から癌の告知を受ける。愛するヨメ(嫁)と娘の為に、文字通り命がけでお笑いグランプリ優勝を目指す。
    最後のヨメのお別れの挨拶がよかった。死神が生き別れた本当の父親だったというのは、怪談を信じていない私にとってはよかった反面、事故で耳が聞こえないから笑えなかったとか、設定が細かすぎるのは、それはそれでフィクションの感じが出過ぎてしまって、描写の塩梅って難しいのだろうな…と改めて思った。

  • 秋吉理香子さん初読み。4編から成る短編集。
    終活に何らかの関わりがある話ということで、しんみりしてしまうかなと思ったが、4編の主人公ともパワフルでドライで面白かった。それぞれ、資産家の娘、リタイア後の一人暮らしの男性、女流作家、お笑い芸人が主人公。余命宣告された人が主人公とは限らない。サスペンス要素のあるものもあれば、ヒューマンドラマのような話もあり、エンターテイメント性が高いストーリーだった。特に、女流作家の話が良かった。

  • 終活。
    全く考えたことがないので読めるか不安でしたが
    とても面白かったです♪

    かなり重い内容かと思いきや
    ちょっとホラーだったり素敵なお話だったり。
    4編とも好きでした。

    終活を手伝う日がきたり
    自身で終活をする日がきたりするのか。。。
    そう考えると寂しいとは別の不思議な気持ちになります。

    一言に終活といっても
    色々な形があるのだな、と。

    なんとなく読んでみたけれど
    意外と考える部分があったかも。


    婚活中毒も読んでみます!

  • 『婚活中毒』の後、図書館で数ヶ月待ってやっと借りられた本書。
    読みやすくて面白かった。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ロヨラ・メリーマウント大学院で映画・TV製作の修士号を取得。2008年、短編「雪の花」で第3回「Yahoo!JAPAN文学賞」を受賞、翌年、同作を含む短編集『雪の花』で作家デビューを果たした。ダークミステリー『暗黒女子』は話題となり、映画化もされた。他の作品に『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『眠れる美女』『婚活中毒』『灼熱』などがある。

「2021年 『息子のボーイフレンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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