乙女の港 (実業之日本社文庫 - 少女の友コレクション)

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  • 実業之日本社
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感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550534

感想・レビュー・書評

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  • 女学校3人の三角関係?のお話である。少女の心理が自然かつ巧みに描かれている。クリスマスのお話や卒業のくだりは特に心ひかれた。万人にお薦めできる作品である。

  • 女学生、やってみたかった。

  • 上品で瑞々しさすら感じる文章。
    お姉様をお慕いするまばゆいぐらいに純真な御心。
    驚愕しつつもこうありたかったまっすぐで美しい世界があってひりひりする。
    でも、読み進むにつれて洋子お姉様に顕著な不幸臭ただよう影が、美しい水脈に流れ込む一筋の濁り(現実)としてせまってくる。
    まさに少女が好みそうな世界観である。
    中原淳一の挿絵や、着物の描写もまた一興。
    こういう復刻本もっと出てほしい。
    そして「少女の友」で川端康成なら、太宰治も読みたかった。
    絶対ぜったい良いと思うのだけど。。。
    時代もバッチリではないか。。。
    今でなら夢じゃない気がするが当時の太宰の評価がかなしい。。。

  • 丁寧で素敵な乙女

  • 話の先を想像すると悲しい。

  • 私たちはね、だから、世界の灯にならなければいけないと思うの。日本の少女は、もっともっと、誇りを持っていいのよ。
    この一文があるだけでわたしは川端康成が無条件で好きになった。
    中原淳一の挿絵目当てで購入したが、女学生の揺れ動く花のようなこころの移り変わりの描写はひとことでは表せない。
    エス、なんといい響きな関係でしょう!

  • 乙女の港読み終わりました。
    文豪川端康成の作品を読んでみようと、適当に書店で探しまわっていたところこの本に出会いました。
    挿絵のある小説は珍しいなと思い(ライトノベルでは普通のことですが)読んでみることにしました。

    内容は簡潔にまとめると女学生の間の恋愛とも友情とも違う関係の物語です。

    割とすらすらと読むことができました。少女小説はなかなか読む機会がないので良い経験になったと思います。


    川端康成の作品というよりは、原案者の中里恒子の作品という感じがしました。

  • 女学生同士の親交「S」という世界が実際にあった知り、驚いた。男女交際が厳禁だった大正から昭和にかけて流行した風俗とのこと、私自身は共感できないが、誰かを愛おしく思いたい、大切にしたい、されたい、という気持ちが少女時代に芽生えるのはごく自然なことなのだと気づかされた。
    テーマはともかく、会話の言葉づかいの美しさは魅力的。

  • 最初は高い買い物だなと思ったけど、いい買い物でした。
    こんな時代を過ごしてみたかった。少しだけ、が結局最後まで読んでしまい、百合好きの孑に勧めてみたり、とても楽しい。
    どうも陳腐な感想しか出てこないのが残念だけど、今は昔の乙女たちに憧れて、短い夢をありがとう。
    初めてきちんと読んだ(多分)川端作品がこれで良かった。

  • 少女文学を学ぶ上で欠かせない一冊。女学校における少女達の姿が美しく繊細でありながら、力強くも描かれている。中原淳一の挿絵と共に楽しめる。

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著者プロフィール

一八九九(明治三十二)年、大阪生まれ。幼くして父母を失い、十五歳で祖父も失って孤児となり、叔父に引き取られる。東京帝国大学国文学科卒業。東大在学中に同人誌「新思潮」の第六次を発刊し、菊池寛らの好評を得て文壇に登場する。一九二六(大正十五・昭和元)年に発表した『伊豆の踊子』以来、昭和文壇の第一人者として『雪国』『千羽鶴』『山の音』『眠れる美女』などを発表。六八(昭和四十三)年、日本人初のノーベル文学賞を受賞。七二(昭和四十七)年四月、自殺。

「2022年 『川端康成異相短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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