桜の下で待っている (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 852
感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408554020

感想・レビュー・書評

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  • 何でもない日常や、東北新幹線で故郷や友だちや親族や仕事で行くその中で流れていく物語。
    子どもが出てくるお話では子どもの不思議な体験や幼少期に子供の生まれてからの記憶や出来事などを織り交ぜて不思議な時間が流れたり、かと言って特別の事ではないのだけれど。
    さらさらと小説の中に流れる時間が東北の地域も震災の傷跡も少し登場し、北野地方の風景も目に浮かぶ。
    読み終わってあまり重荷にならない本ではあります。

  • 色々なふるさとを描いている短編。
    読みやすかったし空気感も緩やかで素敵だったけど、感情が大きく動くことはなかったかな。
    最初の大学生がおばあちゃんに会う話の空気は好きだった。
    家族や実家や帰る場所があるのは素敵だなと思った。帰りたいふるさとがない最後の話が、悲しい話じゃなくて良かった。両親が離婚した友達は、確かに唯一の身内という風で弟と仲がとてもいい。

  • 病気とかペットの死とか安易な設定で感動させようとする小説は鼻白むけど、こういう何気ない会話や描写の細やかさでじ〜んとさせる話は大好きです。
    一話目でちょっと泣きそうになってもーた

  • 桜の季節、東北新幹線で北へ向かう人や家族の物語。
    宇都宮、郡山、仙台、花巻&新幹線で往復を繰り返す車内販売の女性が住む東京。
    それぞれの町での「家族」や「ふるさと」を取り巻く事情と鬱屈を抱えた人たちの話でいい話なんだけど、何となくどこにでもあるような話で私にはあまり刺さらなかった(大半を混みあった病院や薬局で順番を気にしながら読むはめになったこともあるかもしれない)。

    それにしても岩手を語ろうとすると宮沢賢治は不可欠で、出しておけばそれだけで場面が締まる。
    その童話村や記念館をはじめ各地の見所を織り交ぜた作りには、コロナ禍で出来ないままの旅への思いをくすぐられた。東北にもまた行きたいなぁ。

  • 人物の心の内側を描写するのがとても上手く、読んでいて気づくと感情移入している自分がいる。

  • 冷たい皮を丁寧に剥いていき、さらにその下に潜む皮を剥いていき、そうやって辿り着いたほんのり温かい核

    どんな話もそんな仄かな温もりを感じた
    ふるさとについて、おもったり考えたりすることはなくて、ただの過去としか捉えたことがないけれど、いつかふるさとの重みに触れることになった時はこの本をもう一度読みたいと思う。

    • ポンのすけさん
      冷たい皮を丁寧に剥いていき、さらにその下に潜む皮を剥いていき、そうやって辿り着いたほんのり温かい核

      どんな話もそんな仄かな温もりを感じた
      ...
      冷たい皮を丁寧に剥いていき、さらにその下に潜む皮を剥いていき、そうやって辿り着いたほんのり温かい核

      どんな話もそんな仄かな温もりを感じた
      ふるさとについて、おもったり考えたりすることはなくて、ただの過去としか捉えたことがないけれど、いつかふるさとの重みに触れることになった時はこの本をもう一度読みたいと思う
      2021/01/23
  • モッコウバラ、カラタチ、菜の花、ハクモクレン、桜、とサブタイトルについている

    花を咲かせた一本の樹のように笑い続けるおばあちゃん、素敵。

  • ちょうど故郷に帰っているときに読んだ本。

  • 穏やかでやさしい文章。
    確執があったり、いい思い出ではないことも少なくないけれど、前向きに生きていこうと思える一冊。

  • ご先祖様?が出てくるハクモクレンの話が一番印象に残りました。
    何で死ななきゃいけないのという問いに、この世界の仕組みをなにも言わずに見せて悟らせる。
    宮沢賢治童話館に行ってみたくなりました。

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著者プロフィール

1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。16年『やがて海へと届く』で野間文芸新人賞候補、17年『くちなし』で直木賞候補、19年『森があふれる』で織田作之助賞候補に。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『川のほとりで羽化するぼくら』『新しい星』『かんむり』など。

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