婚活中毒 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408556055

作品紹介・あらすじ

この人となら―と思った瞬間、
あなたは既に騙されている!
人生はどんでん返しの連続だ――

幸福を願うすべての人へ贈る
衝撃のミステリー!!

運命の出会いはいのちがけだった――

沙織が地元の結婚相談所で紹介された男・杉下はハンサムで真面目、収入も十分だ。
何か裏があると感じた沙織は、これまで杉下が紹介された女性たちに会いに行くが、驚愕の事実が……(「理想の男」)。

婚活をめぐり、運命のどんでん返しが待ち受ける、サプライズ満載ミステリー!

目次
理想の男―結婚相談所で紹介された運命の相手は…
婚活マニュアル―街コンで出会った美女の暴走に戸惑うマニュアル男は…
リケジョの婚活―本命男を絶対に落とす〈婚活ツール〉の中身とは 代理婚活―見合い相手の母親に会いたい一心で嘘を重ねた父親は…
解説:大矢博子

人のリアルをえぐるイヤミスの気鋭だからこそ書ける、人間の愚かさや滑稽さ。
それが詰まっているのが本書『婚活中毒』なのだ――大矢博子(解説より)

感想・レビュー・書評

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  • 婚活を題材にしたミステリー(苦手な)短編集
    総じて登場人物の結婚動機が浅い
    辻村深月の「傲慢と善良」を読んだのか、こんなの成立するわけがないと一人ツッコミするが、この本の伝えたいことは、婚活にまつわるヒトの欲と性への滑稽さでしょうか?

    最後の当事者でなく父母メインの婚活話は、
    解説読んで腹落ちする。
    世間体を気にする現代な日本なら縁も重要

    ■代理婚活
    「結婚したい」と思っていた三十代の主人公たちにとっては、結婚することがゴールだった。けれど本篇を読めば、結婚とは継続なのだということがよくわかる。
    本篇を最後に置くことで、結婚とは何か、何のために結婚するのかというテーマにしっかりと芯が通るのである。





  • 焦ったときにはもう遅い… 男女の甘い出会いの裏に潜む、婚活の厳しい現実があまりにも強烈 #婚活中毒

    ■レビュー
    婚活がテーマになっている短編ミステリー。どの作品も最後にはニヤリとしちゃう仕掛けが施されており読み手を楽しませてくれる作品です。

    内容もライトでシンプル、いかにもテレビの1時間ドラマになりそうなものばかり。それでいてゾワっともさせてくれるという、バランスが取れた超お得な一冊です。

    本作、いろんな切り口で婚活を描いていますが、誰もが興味を引く、強い題材なんですよね。その為できれば社会性に訴えかけるような、作品の肝や魂みたいなのが感じられると、より読者を痺れさせる作品になったかなーと思いました(ライトなのもいいですけどね)。

    また映像化にも適しているので、世にも奇妙な物語などで見てみたいですね!

    ●理想の男
    発想と展開が面白い作品、本作はもう少し長いお話で読んでみたい。
    キャラや心情描写が膨らめば、もっともっと面白くなると思いました。

    ●婚活マニュアル
    なかなかな胸クソ作品でGOOD!
    なにより街コンの殺伐とした描写がリアルで、もし自分が参加していると思うとガクブルでした。

    ●リケジョの婚活
    かっこいい!こういう女性は惚れる! という作品。(かなりキモイけど
    ただ頭のいい女性は大好きです。

    ●代理婚活
    面白いっ 良いひねり具合ですね。
    さらに婚活の差別社会性が滲み出ている良作でした。特に若者の心情描写、習慣、物事の判断などがリアルで秀逸。

    ■推しポイント
    生涯未婚率 男性28.3%、女性17.8%(2022年度 国勢調査)
    東京都内においては、男性は3人に1人、女性は4人に1人が生涯未婚だそうです。

    かなり恐ろしい数字ですが、もちろん価値観は人ごとにあって当然なので、別に結婚しなければいけないわけではありません。

    ただ自分としては将来パートナーと一緒に生活していきたいと思っているのであれば、年収や見栄えだけで判断するのではなく、多くの人と社交的をもって生きることをおすすめしたいなーと思った次第でした!

    しかし本作のテーマ性とこの現実… 明るく楽しい未来になって欲しいですよね。

  • 婚活にまつわるライトなミステリー短編集。
    後味悪くなくサクッと読めるので、長時間の移動中に読むとかおすすめ。

    最初の二篇、「理想の男」と「婚活マニュアル」はほんとにライトな感じ。
    読み終わって「ああ、なるほどね」という感想(上から目線ですみません笑)

    「リケジョの婚活」では、主人公の理系女子・後藤恵美の超前向きさにシビれる。

    「代理婚活」では、子のかわりに親が婚活を行う。
    こんなイベントってほんとにあるんだ!びっくり。
    と思ったが、形を変えたお見合いなのね。
    お父さんの必死なハタラキぶりが笑えます。

    いやぁね、男の人って幾つになっても…

  • 焦ったあかんで〜
    そんな美味しい話はないから〜
    また、競争相手がいたら、焦るし、急ぐ!でも、そこに罠が…

    焦る気持ちも分かるし、良いご縁がって言ってたら…あっという間に、時が〜

    でも、やっぱりご縁とは言わんけど、タイミングってあるかもね。
    個人的には、結婚、結婚って感じではないし、別に一生独身も選択肢の一つとしてはあると思ってたし…

    そういう一歩離れた感覚の方が良いのかな?知らんけど…

    深呼吸!
    深呼吸!
    深呼吸!
    して〜落ち着く!

    しかし、代理婚活ってあるんやな。親が出席して子どもの嫁、婿探し。晩婚が多いからそうなるんかな?
    あっ!昔からのお見合いもそうか!親が写真見せて「この娘どう?」ってあるし。会場みたいなのには行かんけど、目的は同じか…

    いつもより、まだ、明るいどんでん返し!
    スイスイ読めて、面白かった!

  • 婚活がテーマの四つの短編。

    まずは結婚相談所。
    結婚相談所で知り合った男性は、見てくれも雰囲気も悪くない。しかし三年も相談所に登録しているのに、成約していない。
    何故こんなに素敵な男性が??
    彼と懇意になった女性はこれまで3人居たのだが、全員が亡くなっていた、、、

    お次は街コン。30代
    洋介は友人の死を機に、婚活することに。
    街コンで同席になった愛菜は1番人気。愛菜と一緒に参加していた靖子は見た目がブスで不人気だった。何故かその1番人気の愛菜と付き合うことに。。。
    しかし愛菜の要求は次々にエスカレートしていく。。。


    お次はリケジョの婚活。
    これは何だろう?昔流行ったネルトンみたいな設定か?古くて誰も知らないか!?
    テレビ放映される婚活を描く。
    1番人気の彼に挑むリケジョの作戦は功を奏すのか!?

    最後は代理婚活。
    両親が息子の代わりに婚活をする。
    1番人気のお嬢様に息子が気に入られ、、、


    いや、どの作品も面白かった(*^^*)
    えー!?どーなるの!?
    そんなオチ!?ってびっくりするような(笑)
    ミステリのようなワクワク感。

    すっごい文字数少ないのであっという間に終わってしまったが、もっと沢山読みたかったなぁ(笑)

  • 秋吉理香子さんは『暗黒女子』からのニ作品目。
    さらっと読める婚活をテーマにした短篇集。

    「理想の男」3人も死んでることがわかったら私ならすぐに縁切るな…。香織不運。

    「婚活マニュアル」ラスト笑ってしまった。強かな女嫌いじゃない!いちばん好き。

    「リケジョの婚活」リケジョこわ!

    「代理婚活」ラストはほっこり。いちばんリアルなお話。

  • 面白くて一気読み。

    婚活を巡っての攻防戦を巧みに描く。コロナが明けたとはいってもいつでも人とつながれるということは、選び選ばれる関係性もより残酷な実情が浮き彫りになっているのだろうか。世の中でありきたりな幸せを築くのにも様々な戦略が必要。しかし、思った通りにはいかないのが婚活。お互いに人生を掛けているからこそ、むき出しの本能が垣間見られる。

    このようなイヤミスの怖いところは、全く掛け離れた感情から発生した物語ではなく、誰もが抱くようなちょっとした虚栄心、嫉妬心、競争心などが発端となっているところだ。

  • 婚活にはげむ男女や代理婚活に臨む両親に起きるミステリー!

    最後の最後にどんでん返しがあり、びっくり&面白い!
    もっと読みたい!

    特に『理想の男』。
    まもなく40歳になる沙織が結婚相談所で紹介された男性は、格好よくて優しく、収入面でも問題なし。ご両親もすでに他界しているので嫁姑問題もない。
    なぜ彼が独身のまま残っているのか?!
    心配になった沙織は彼の部屋をごそごそ。
    すると沙織の前にお付き合いしていた3人の女性が、3人とも亡くなっていることを知る。
    もしかして彼が...?次はまさか自分が殺される?

    相手の男性が、人が良さそうに読める分、かえって怪しくも見える。
    見た目が普通な人ほど裏の顔は...ね。

    やっぱり彼が犯人なのか?!
    そしてどんでん返し!!!なんて面白いんだ!

    なるほど、それなら独身でいる理由もわかるわ。

  • 「終活中毒」が面白かったため、本作も手に取ってみました。

    地方で婚活を行う主人公を描いた「理想の男」、婚活初心者がマニュアル片手に参加した街コンで美女と出会う「婚活マニュアル」、一目惚れした男性のために奮闘する「リケジョの婚活」、息子のために代理で婚活を行う「代理婚活」の4編からなる本作ですが、どのお話も、良い塩梅の毒加減でスラスラ読めてしまいました。

    アイロニーにとんだ、「婚活マニュアル」が個人的には1番好きでした。

  • 4つの短編婚活ミステリー。
    これは、いわゆるイヤミスと言われるもの。
    リアルなどんでん返しが待っていて、読んだ後はぞくっとしたり、なんとも言えぬもやもやが残ったりします。

    婚活も結婚相談所から街コン、代理婚活まで取り揃えていて、婚活中の人も、婚活ってどんな感じ…?なんて人も読みやすい。さくさく読み進められます。

    本書でも一部で触れていますが、婚活は就活に似ている。いいご縁に恵まれるように、見る目を養い自分を磨き…それでも予期せぬことはいくらでも起こる。
    そして、その先にある結婚生活はどんなものか。
    別れなければずっと続く結婚生活。

    最後にすこし温かい気持ちになって読み終えられる一冊でした。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ロヨラ・メリーマウント大学院で映画・TV製作の修士号を取得。2008年、短編「雪の花」で第3回「Yahoo!JAPAN文学賞」を受賞、翌年、同作を含む短編集『雪の花』で作家デビューを果たした。ダークミステリー『暗黒女子』は話題となり、映画化もされた。他の作品に『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『眠れる美女』『婚活中毒』『灼熱』などがある。

「2021年 『息子のボーイフレンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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