- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784409241066
作品紹介・あらすじ
メディアで、路上で、SNSで、隣国や在日などへの憎悪が煽られ続けている。他方で政権与党は、ヘイトスピーチの広がりと歩調を合わせるかのように、復古的な改憲運動を推し進めている。これを冷笑している時間はない。旗幟を鮮明にしたリアリストたちと縦横無尽に語る、ヘイトスピーチ、安保法制、そして民主主義の現在。
中島京子(作家)、平野啓一郎(作家)、星野智幸(作家)、中野晃一(政治学者)、明戸隆浩(社会学者)、向山英彦(エコノミスト)、上瀧浩子(弁護士)、泥憲和(市民運動家)との対談を収録。
感想・レビュー・書評
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タイトルの通り、ヘイト、特に在日朝鮮の方々と韓国に向けられるヘイトにNOを叫ぶ対談集。
刊行が2015年で、そこから状況が良くなったとはまるで言えないことが悔しいし情けないけれど、読んで背景や経緯が整理できたと共に、ヘイトを決して許さない思いがどの方の言葉からも伝わり、心強く感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
在特会をはじめとする「行動する保守」によるヘイトスピーチをめぐる対談集だが、2段組み300ページは長すぎる。何を目的に編まれた本なのか、何を読ませたいのかがイマイチよくわからず途中からただひたすら苦痛だった。文学の人々がこの問題をどう捉えているのか、その感覚は理解できたものの、とくに「慰安婦」問題に関する発言などを読むと、やはりフェミニズムの立場から被害者に寄り添い支援してきた人々の認識とは乖離が大きく、事情もよく知らんのに余計な首を突っ込んでくるな感がすごい。
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ことば
社会 -
ツイッターなどのSNSを始め、流行には乗り遅れるタイプだ。「新大久保って外国みたいで楽しいよ!」韓流ファンの友人に誘われたもののご縁がなく。そのうち、そこではひどい差別発言があるらしい、とネットニュースなどで目にするようになったが、ほんの一部の心ない人たちの犯罪ぎりぎりの嫌がらせなのか?くらいの認識だった。
本当に甘かった。本書を読むと、「ヘイトスピーチ」をする人々が実在し、それに対抗せざるをえなかった人々の存在が見えてくる。時代背景とその政治的な意味を時系列でひとつひとつ振り返ってみれば、少しずつ行動が過激になり影響しあっていたことがよくわかる。(特に2012年の急展開!)
ニュースはテレビだけで事足りる時代ではない。
差別は反対だけど、言論の自由、民主主義は守りたい、と思う人々は必読。
会話形式なので読みやすいし、きっと驚くことばかりだと思う。 -
【収録作品】「そうだ、話をしてみよう」 中沢けい/「アジアとつながる意志」 中島京子/「シニシズムを放棄する」 平野啓一郎/「声を出す、自分がある」 星野智幸/「民主主義の彩り方」 中野晃一/「ヘイトの源流を辿って」 明戸隆浩/「日韓で補い合う経済」 向山英彦/「誰のための裁判か」 上瀧浩子/「親鸞から考える」 泥憲和/「ここから始まり」 中沢けい