茶の湯と日本文化

著者 :
  • 淡交社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784473038494

作品紹介・あらすじ

日本文化のあらゆる要素が詰まった「総合文化」茶の湯。いま一度、この茶の湯の側から日本文化を見つめなおす、新しい視点の日本文化史-。茶の湯は何を取り込み、何を生み出したのか。

感想・レビュー・書評

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  • 茶の湯について知ると、日本の建築や美術などさまざまな文化に影響を与えていることがわかるようになってくる。
    そんな日本文化と茶の湯の関係性を、改めて見直し、古い文献をもとに本当に通説通りなのか、を検証するとても興味深い一冊だ。

    新しい切り口で切り取った内容が多く、全編にわたって面白いのだけれど、とりわけ驚いたのが、昔は道具組や菓子などで季節を表現する、ということがなかった、ということ。
    上生菓子の季節感は茶の湯で供されるために生まれたと思っていたし、茶道の本を齧って読めば、春夏秋冬の季節を、茶碗や軸をはじめとするさまざまな道具でどのように表現するか、というのが亭主の腕の見せ所のように思っていたけれど、少なくとも利休の頃にはそんな傾向はまるでなかったらしい。
    そもそも、茶事で出す料理は亭主自らがつくるものであったから、料理に比べて菓子というのはつくるのが難しく、現代のように気軽に買ってこられるわけでもなく、菓子を出さないこともあった、らしい。
    お茶といえば和菓子、という固定観念が覆される。

    もちろん、時代を経てさまざあな理由があり変遷があって現代の形になっているわけで、利休の頃は違ったから邪道、などという話ではない。ただ、歴史として、その時はどうであったのか、どういった理由があって変わっていったのか、ということを知るのはとても面白いなと思う。

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著者プロフィール

1953年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。ドイツ、マンハイム大学に2年間留学。帝塚山大学大学院修了。博士(学術)。短大・大学教員を経て、著述業。著書に『千利休の「わび」とはなにか』(角川ソフィア文庫)、『茶の湯と日本文化』(淡交社)、共編著に『茶書古典集成 第1巻 初期の和漢茶書』(淡交社)などがある。

「2021年 『茶の湯の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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