百日紅 (下) (ちくま文庫 す 2-9)

著者 :
  • 筑摩書房 (1996年12月1日発売)
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本棚登録 : 887
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480032096

感想・レビュー・書評

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  • 北斎、お栄、英泉(善次郎)、国直ら浮世絵師たちが暮らす江戸で起きる幻想的な事件の数々。

    映画「百日紅 Miss HOKUSAI」が良かったので杉浦日向子さんの原作漫画も買ってきた。
    浮世絵のような世界観が 不可思議な出来事に現実味を持たせてくれる。
    杉浦さんの漫画はもっと読みたいな。

  • お猶の話は短かったんですね。
    ふつう映画観てから原作読むと、ちょっとイメージ違う、となるのですが、お猶ちゃんのとこは、ちょっと薄ら寒い印象そのままだなぁ、と感心。
    お栄ちゃんや善さん、国直たちの着物の着くずれが素敵だなぁ。
    また、映画が見たくなってしまったわい。

  • 上巻でも書いたとおり、この漫画は文庫になると字が小さすぎて、少しでも暗いところでは、メガネをかけても台詞が読めない! そのため読めるシチュエーションが限られており、下巻も読み進めるのに苦労したが、どうにか読み終えた。何も考えず平積みになっているものをパッと上下巻買ってきたのだが、今後文庫サイズの漫画を買うときは気をつけよう。劇画タッチのアクションものの方が、文庫サイズになると迫力が薄れて良くないように思うが、実はそうでもなく、むしろこのような「静かな漫画」の方が、空気感や物語の間など、文庫になると失われるものが大きいように思う。この辺は映画と正反対で面白い。
    内容は面白いが、上巻と比べてもさらに淡々とした描写や物語が多く、しばしば登場する超自然的な題材と相まって、此岸と彼岸の境界に位置しているような印象だ。こうして見ると、映画版はそれなりにドラマチックな脚色と演出をしていたことが分かる。
    特に好きなエピソードは、映画でも取り上げられた「色情」「離魂病」「野分」、映画では取り上げられなかった「美女」「仙女」など。映画で最も大きな比重を締めていた北斎の末娘 猶は原作では「野分」にしか登場せず、印象的な雪のシーンは「山童」から拝借していることにホ〜ッと感心した。「色情」は、夢の中で大仏に踏みつぶされる描写が、映画以上にシュールで素晴らしい。「美女」は、上巻の「鬼」と同様、絵(物語)と人間の関係を描いていてたいへん面白い。
    本作で初めて杉浦日向子に接し、たいへん気に入ったのだが、調べてみると今はほとんど文庫で出版されている模様。他の作品も読んでみたいが、この字の小ささではなあ…

  • 上下巻のコミックは、短いお話が何編も
    江戸情緒や、江戸っ子の気っぷの良さ
    なんとも言えない世界観
    小説を読むのと同じくらい時間をかけて読みました

  • 映画を見たので原作を。江戸時代の風俗や世界観が分かる。なかなか面白い本。

  • 北斎、娘のお栄、居候の善次郎を中心にした江戸の下町の日々。ひとつひとつが独立した短編作品とも読める人情話や怪奇譚の連続でどこからでも読めるけど、ぜんぶ読み終えていつも正直で飾りも気取りもないお栄さんが好きになった。
    掛け軸の中の世界と行き来したり、川獺にだまされたり、とますます梨木香歩『家守綺譚』の世界と似た匂い。こっちが先で、あちらがあとか。
    物語が収束するわけでもなく、まだまだ続きが読みたい感じ…病気で漫画家から隠居することがなければもっと描きたかっただろうにと惜しむ。

  • アゴが恋している初五郎と相合傘。
    肩が濡れるだろとぐいっと引き寄せられて、
    何の匂い……髪油……?
    やたけたな気分で蔭間茶屋へ。
    この挿話が好きだ。
    お栄はほんとうにいい顔をしている。

  • 上巻も良い話ばかりだったが個人的に下巻の方が好き。

    全部説明しないで読者に想像させる楽しみを残しておいてくれる面白い話ばかり。
    一話完結なのでどの話から読んでもいい
    映画化もするらしく楽しみ

  • 上巻で、『お栄は離縁されて出戻ったんだよね?でも、ここでは未婚?』と疑問だったが、やっぱり未婚時代だったのね。
    昔から英泉の美人画のよさがわからず、好みでない浮世絵師としてその名を覚えてしまったほどだけど、この作品のおかげで『善ちゃん』に親しみが湧いた。下巻では若き国芳も登場。
    よくわからない話もあったけど、まだまだこの世界を楽しみたかったな。

  • 下巻。どうでもいいけど、なぜだか妙にエロティックな線を描く人だと思った。男がよろこぶ線をわかっている。楽園のような江戸。

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著者プロフィール

杉浦 日向子(すぎうら・ひなこ):1958年、東京生まれ。1980年、「通言室之梅」(「ガロ」)で漫画家としてデビュー。1984年、『合葬』で日本漫画家協会賞優秀賞受賞。1988年、『風流江戸雀』で文藝春秋漫画賞受賞。1993年に漫画家を引退し、江戸風俗研究家、文筆家として活動した。NHK「コメディーお江戸でござる」では解説を担当。主な漫画作品に『百日紅』(上・下)『ゑひもせす』『二つ枕』『YASUJI東京』『百物語』、エッセイ集に『江戸へようこそ』『大江戸観光』『うつくしく、やさしく、おろかなり』『一日江戸人』『杉浦日向子の食・道・楽』『吞々草子』等がある。2005年、没。

「2023年 『風流江戸雀/呑々まんが』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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