世界史の誕生

  • 筑摩書房 (1999年8月1日発売)
3.75
  • (24)
  • (33)
  • (36)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 505
感想 : 45
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784480035042

みんなの感想まとめ

歴史の発展を新たな視点から捉えた本書は、中央ユーラシアの遊牧民の活動を通じて、世界史の成立過程を探求しています。著者は、中国と地中海文明の異なる歴史観を対比し、両者の間に存在するダブルスタンダードを指...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ざっくりとした語り口で持論を明快に語る。300頁もないのでいくぶん駆け足だが概要を掴むには十分か。年代で輪切りして世界史覚えた人間にとっては納得のいく内容。また補足もできてよかった。

  • ちょっと古いかも

  • 中央アジアから東アジアにいた遊牧民の活動から見た、ユーラシアの歴史を概説している。面白い視点だと思う。ギリシャ・ローマとその後継の西ヨーロッパと中国はそれぞれの地域で歴史を積み重ねてきたが、互いに影響を与えることはなかった。一方で、中央アジアから中国北部の遊牧民の活動が、両方の文明に影響を与えた。その極致がモンゴル帝国で、東西の交流が生まれユーラシア全体の歴史に影響を与えた。著者はこれを以て世界史の誕生と言っている。遊牧民は移動が激しいので、時代ごとの彼らの移動と侵攻を示す図説があると、わかりやすかった。

  • ちくま文庫 岡田英弘 
    世界史の誕生

    東洋史と西洋史といった別々の歴史が1206年のモンゴル帝国をきっかけに ユーラシア大陸をおおう一つの世界史となる展開


    日本やヨーロッパから世界の歴史を見ることはあっても、モンゴルなど中央ユーラシアから世界の歴史を見たのは初めて。とても面白かった


    ヘロドトス「歴史」やヨハネの黙示録の影響を受けたヨーロッパの歴史観が アジアとの対立構造やヨーロッパ=善、アジア=悪の二元構造を持っているとのこと。アジア差別というのは ヨーロッパの歴史観からきているように感じた


    秦・漢時代の中国を正統と捉え、中国の正統の歴史は、中央ユーラシア草原から移動してきた鮮卑、トルコ、ウイグル、キタイ、金、モンゴルから支配を受けてきた歴史と捉えている



    著者の歴史観
    *歴史は文化である〜人間の集団によって文化は違うから集団ごとに歴史がある
    *歴史は強力な武器である〜歴史のない文明は、なんとか自分なりの歴史を発明して、この強力な武器を獲得しようとする

    そういう理由で、地中海文明と中国文明は、歴史のなかった文明にコピーされ、次から次へ伝染していった

    へーロドトス「ヒストリアイ」
    *アジアとヨーロッパの対立こそが歴史の主題
    *アジアに対するヨーロッパの勝利が歴史の宿命

    「ヨハネの黙示録」
    *この世は善神と悪神の対立抗争の場であり、最終的には善神が勝ち、世界は消滅するが、その前に出現するメシアの王権のもと、ユダヤ人キリスト教徒が苦難の報酬を受ける

    *世界は善の原理と悪の原理の戦場である〜ヨーロッパは善であり、アジアは悪










  • 卑近な例を挙げると、当時の高校世界史マテリアルは西洋史・中国史・その他の地域の歴史が分断されて、大航海時代にようやく統合されて記述されており、知識獲得以外の目的ではなんとも無粋で不親切なつくりであったことが思い出される。それに比べて、モンゴル史を基軸に世界史を語ると、本書のようにすっきりと流れが構築されて興味深い世界史を学ぶことができるような気がする。ただ、分量のせいかもしれないけれど、書かれてあることのどこまでが歴史的事実でどこが筆者の思い込みなのかが判断できないのがもどかしい。だからといって、学術書的にこれを書くと、商業ベースで採算に乗るのかどうか疑問なので、これも致し方ないのだろう。

  • 肝心のモンゴル帝国が世界史に与えた影響については5%程度しか触れられておらず、後は周辺時代・民族の御託ばかりで期待外れ。

  • 檄文としては面白い。

    ヘーロドトスを始祖とする西洋史も、司馬遷を始祖とする東洋史も、どちらもローカルな個別事情に影響を受けて形作られたものであって、それらを世界史に統合・昇華させるのは無理がある。
    モンゴル帝国こそが西ヨーロッパにも極東にも影響を与え、両者を連結する史上初めての存在であったのだから、モンゴル帝国を軸にして世界史を構築すべきだ。
    したがって、テムジンが中央アジア遊牧民たちの指導者に選ばれ、彼がチンギス・ハーンと名乗り始めた1206年が世界史のスタートである(それ以前の歴史はローカル史に任せる)。

    …という檄を飛ばしている一冊。すごく面白い構想について書いた本で刺激的だ。

    刺激的だけど、ただの宣言である。
    モンゴル帝国が東西ユーラシアに及ぼした影響について自明のこととして書いているのは本書の性質からすれば仕方ないのかもしれないが、予備知識がない立場で読むと、「ゴルフは呉竜府が中国で生み出してイギリスに伝播した」と書く民明書房の本かと思ってしまう部分もある。
    ユーラシア以外を無視しているのはともかく、ユーラシア中央部の遊牧民族たちの歴史を語る部分が退屈というか眠くなるのが一番つらいところだ(そもそも歴史を語り継ぐ性質がない人々であったとするなら、主張の根幹にかかわるとも思う)。

    そのほか、詳しい人が見たらツッコミどころが多いことが予想されるが、繰り返すと「構想としてはとても面白い」(大ぼら吹きと紙一重)。

  • 著者によれば、歴史の書き方にはヘロドトスに始まる、地中海世界の描き方(アジアに対するヨーロッパの戦いの歴史)と司馬遷に始まる中国の描き方(中国の正統を巡る歴史)がある(それしかない)という。その両方に影響を与えその特に中国にありながら中国を超える歴史的存在だったのがモンゴルなのだ、ということだと理解した。ただ結局その先に何があるのか、という展望については物足りなさも残った。

  • Amazonで購入

  • ★★★2021年8月★★★


    世界史はモンゴル帝国から。
    壮大なロマンを感じる。
    地中海史観による西洋史。史記の史観によると中国史。
    それらを通して世界史を見るのではなく、ユーラシア大陸を全体としての歴史はモンゴル帝国より始まる。ロシア帝国をはじめ多くの国はモンゴル帝国の継承国であるという。
    まさに「地果て、海尽きるまで」スケールの大きな話だ。

  • ユーラシアの歴史に興味が出る

  • 2008-00-00

  • さほど読みやすくもない前書きを読み、やっと理解したときにはわくわくした。卓抜な論旨とはこのことかと。でもそこがこの本のピークだったな。学びはたくさんあったけど、そのほぼすべては前書き〜序盤で語り尽くされてて、全体としては竜頭蛇尾といううらみがある。

    ただ。それでも、たしかにこの本には一読の価値はあったと思う。歴史という概念を作り出すことが、人類にとっていかに至難だったか。その結果として、いかに多くの文明が歴史というものを持たずに終わったか。そのわずかな例外が地中海文明と中国文明の2つでしかなくて、しかし双方の歴史文化が相容れないまでに著しく異なっているので、今となっては世界史理解の障壁になっていること。

    だから世界史を理解(叙述)するにはモンゴル史を見よ、という結論に著者は持っていこうとするわけだけど、実のところその必然性については僕は今ひとつよくわからなかった。それぞれにクセのある歴史認識のもとにつづられてきた地中海史があり、中国史があって、その中間地帯にはモンゴル史もあって、その統合的な把握はなかなか難しいよ、ってことだけわかっときゃ充分なんじゃない?べつにモンゴル史に統合しなくってもよくない?

    そのへんの議論の粗雑さ、強引さが、この本の中で「中国人は民族的に資本主義になじまないから先進国に追いつけない」なんて暴論じみた予言を生み、そして華々しくその予言が外れるという失態にもつながったのではないかと僕は思う。(笑)物理の統一理論みたいな見事な世界史認識を持つことはたしかにちょっとした夢だけど、それはモンゴル史への統合ってことではないんじゃないのかな。知らんけど。

  • 「東洋史」=中国を中心とし、歴史は自らの正統性の証明のためのもので変化を認めない。「西洋史」=地中海文明(ギリシア・キリスト教)の歴史は二つの勢力の対立と正義の勝利という変化を描くもの。そもそも両者は全く異なるが、13世紀のモンゴル高原、中央アジアに住む遊牧民の活動(侵略)が、東西の歴史に重要な影響を与えてきたとの考え。
    すばらしくエキサイティングな本。

  • 高校の世界史で挫折(どうしても頭に入らない)して以来、リベンジを繰り返してきましたが、この本のお蔭で、ようやく頭に入るようになりました。
    そもそも「ゲルマン民族の大移動」って、どこから、何で移動してくるの? の疑問がようやく氷解した幸せ……。
    ただ、中央アジアの地理関係を理解しながら読むために、世界地図を広げて指で地名を辿りつつ読まねばなりませんでしたが、それでやっとユーラシア大陸って一つじゃない、という当たり前すぎるのに受験世界史から抜けてた視点が補完されたように思います。
    ついでに……アラル海が半分以上消えてるってこと、今ようやく気付きましたよ!
    本編に比べればオマケのようなボリュームですが、ざっくりヨーロッパ史と、ざっくりキリスト教史も分かりやすくて面白かったです。

  • 歴史は中国と、古代ギリシアからはじまり、モンゴル帝国の誕生をもって世界史の誕生となる。という視点は興味深かった。
    ただ、中国が今後資本主義を取り入れずに発展しないと記述していた点は、時代を感じた。

  • 通史が好きで、東と西の大国を学んだら、読まずにはいられない。内容は普通

  • 高校までの世界史の授業と全く違う世界史の話。そうなのか!と驚く。▲歴史という文化は、ヘーロドトスと司馬遷の二人の天才のつくりだした地中海文明の歴史と中国文明の歴史があるのみ。例えばインド文明もマヤ文明もアンデス文明も歴史のない文明。日本文明は中国文明に対抗してできた。▲それからモンゴル帝国の誕生による二つの歴史の交流が世界史の誕生なのだ。▲ユーラシア大陸の民族の興亡の話は雄大。▲現代の世界の対立は歴史のある文明と歴史のない文明の対立らしいです。

  • ユーラシア大陸全体を駆け巡った遊牧民、とりわけモンゴル帝国を軸に「世界史」を再定式化しようというもの。なるほど、このような視点があったかと納得。これはもっと勉強せねば。

  •  モンゴル帝国還元説。個別論証を欠いた大雑把な立論。資本主義までモンゴル帝国で発生したというのは問題がある。

全32件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

東洋史家

「2018年 『真実の中国史[1840-1949]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡田英弘の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×