ひとはなぜ「認められたい」のか ――承認不安を生きる知恵 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
3.26
  • (5)
  • (5)
  • (12)
  • (2)
  • (3)
本棚登録 : 192
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480073693

作品紹介・あらすじ

ひとはなぜ「認められないかもしれない」という不安を募らせるのか。承認欲求を認め、そこから自由に生きる心のあり方と、社会における相互ケアの可能性を考える。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ふだん人とコミュニケーションする上で、「承認」というものがどういう風に存在しているか、作用するか知れる本。

    「認められたい」ということよりも、人が無自覚に薄々感じている「不安」が、その人の行動に大きく影響しているのだと知れてよかった。
    過去の経験、体験として承認を十分に得られなかった人は、それを反映したり補償する形で歪んだ価値観や行動様式を持っているというのは自分に当てはめてもそうかもという風に思った。
    存在の承認、行為の承認によって、その人の価値を認識すること、認めることが人と人とのコミュニケーションにおいて大事なんだなと思う。

  • なんとなく普段感じていたことを、ある程度で学的にに言語化していただいた。著者自身がいうように「わかりやすく」書いたとされている。丁寧さの記述と繰り返しの箇所が多いと感じた。著者の考える処方箋は、「相互ケア社会」を作る上での、人に対する「教育の重要な役割」(P.231)としているが、既述にもう少し具体性があれば関係者の施策に資することができただろう。

    以下に備忘録の意味でいくつか引用した。

  • リソースははっきりしてないが、読んでいて納得しながら読み進められる。
    個人的には、障がい者や高齢者に焦点を当てて承認不安について説明している章の内容が目新しくて勉強になった。「どうしてそう考えるのか」「どうしてそうするのか」を掘り下げて質問することによって、理解と共感につなげていくという点も分かってはいるもののなかなか実践できていないポイントだったので、言語化されていることにより意識がむいてよかった。

  • 読んでてもちっともすとんと落ちなかった。
    よくわからない。そのひとこと。
    あたりまえのことを小難しく言いまわしてるという印象もある。
    この人がこういってる、という引用も多くてよくわからない。

    とにかく残念だった。よくわからなくて。

  • 私はずいぶんと承認欲求が強いと思っているので読んでみた。特に病気を患った中での葛藤や他者への攻撃性、怒りなどの極端すぎる感情に振り回される自分についての考え方の取っ掛かりになったように思う。
    子育てについてなども記載があるが、あくまで子供の育成に目を向けているので個人的には子育て中の友人におすすめできないと思う。子育て真っ最中の友人が読んだら自分の至らなさに絶望してしまいそうだ。ケアする側のことについてはほとんどなにも記載がない。(本書のテーマから逸れるからだと思うがそれゆえにケア側にはおすすめしたくないと思った。)

  • 姫路大学附属図書館の蔵書を確認する→https://library.koutoku.ac.jp/opac/opac_link/bibid/BB00003608

  • 2023年9-10月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00553118

  • 今は自分のやりたいことを自由に発信できる世の中だが、同時に自分のやっていることを多くの人に監視もされている。
    知り合いでもなく会ったことも話したこともない人達に自分の行動や発言を監視されるというのはある意味怖い時代なのかもしれない。

  • 『「認められたい」の正体』の続編的位置づけ。「存在の承認」をベースとした相互ケア社会の実現が、承認不安がまん延する世の中への処方箋になるという。「存在の承認」=「ただそこにいてくれるだけでよし」については、岸見一郎氏のアドラー関係の書籍でも言及されていた。 山竹氏本人もあとがきで触れていたが、相互ケア社会については、少々理想主義的でもある。そもそも、世の中のほとんどの人は、このような新書など読まない(もっと言うと、本すら読まないし)ので、この考え方を広めていくことが課題でもある。

  • 「承認」に関して興味があるなら読んでみると良い一冊だと思いました。

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

山竹伸二(やまたけ・しんじ)
1965年、広島県生まれ。学術系出版社の編集者を経て、心理学、哲学の分野で批評活動を展開。評論家。同志社大学赤ちゃん学研究センター嘱託研究員、桜美林大学非常勤講師。現代社会における心の病と、心理療法の原理、および看護や保育、介護などのケアの原理について、現象学的な視点から捉え直す作業を続けている。おもな著書に『「認められたい」の正体』(講談社現代新書)、『「本当の自分」の現象学』(NHKブックス)、『不安時代を生きる哲学』(朝日新聞出版)、『本当にわかる哲学』(日本実業出版社)、『子育ての哲学』(ちくま新書)、『心理療法という謎』(河出ブックス)、『こころの病に挑んだ知の巨人』(ちくま新書)、『ひとはなぜ「認められたい」のか』(ちくま新書)、『共感の正体』(河出書房新社)など。

「2023年 『心理療法の精神史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山竹伸二の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×