批評の教室 ――チョウのように読み、ハチのように書く (ちくま新書)
- 筑摩書房 (2021年9月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480074256
感想・レビュー・書評
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こっそりもうちょっとちゃんとした感想が書けるように練習しようっと。
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図書館期限が来て途中まで。
ちょっと面白そうだった。
ところで、著者はネットで何やら揉めているよう。 -
批評がどういったものか気になっていたので読了.ニュアンスはわかった気がする.誰もが発信できる時代だからこそ,批評の力が見直されているのだと思う.「ストーキングが許される場所はテクストだけ」pp.18-21テクストの精読はストーキングに近いと思いつつ,本当にそうか不安があったが少し安心した.
「そして使えそうな時は自分の性欲をちゃんと使って批評をしましょう。(...)自分の欲望に率直になるところから始めてください。」p.49 おもしろい
「小説の語り手や、演劇や映画の視点人物については、「信頼できない語り手」という有名な概念があります。」p.51
わたしは,さしあたり,人間は「信頼できない語り手」だと考えている.
「この映画の成功価値は限りなく低いですが、私にとってはかなりの受容価値があります。」p.122
「二〇一七年に自民党の今井絵理子議員がツイッター上で「批判なき選挙、批判なき政治 」を掲げ、それこそ強い「批判」を浴びたことがあります」p.177
知らなかった.あまりにも愚かだな.そしてこの箇所はメタな批判になっているのだろう.
「シェイクスピアも含めて近世ヨーロッパの文人の間には、恋をすると人は理性を失ってバカになるという考えが強くありました。」p.44 Merry Christmas -
重要な教えが一杯詰まっているのは分かったが、
その実践はそれなりに難しいと思った。 -
好きなセリフ
・巨人の肩の上に立とう
・「映画館に行く」と言って出ていく人はウソをついている。 -
マーベル、スターウォーズに詳しければもっと楽しめた?
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著者は洋楽をジャンルを問わず聴く洋楽マニアである。フェミ批評を得意とするが理不尽な言いがかりで炎上するなど風変わりな経歴を持つ女性批評家だ。その著者が批評のいろはを1から丁寧に解説し、最後に自身の学生とディスカッションするという一冊である。
この作品の特徴は引用の多彩さにある。小説からの引用だけでなく、ロックバンドの歌詞、批評家の著作、映画やドラマなど多岐に渡る。中でもシェイクスピアからの引用が多く、著者のシェイクスピア愛が嫌というほど伝わってくる。また、ドクターフーのファンである評者にとって、同作屈指の名作である「暖炉の少女」が解説されたことに著者のセンスを感じた(かなり上から目線である)。
私のような評者入門者にとって非常に取り組みやすい内容で、いざこの場にそれを実践しようと試みたわけだが、果たして著者に褒められるような批評になっただろうか。この著書にあるコミュニティの形成とはまさしくこの場であり、この評を読んだ者に少しでも感銘を与えることができれば私の最大の喜びである。 -
本や映画、舞台などを見るにあたり、効果的に読む方法はきっとそれをどうインプットするか、アウトプットするかを知るのが必要だなと思って買った本。
批評の初学者向けと書いてあったとおり、批評の手順について丁寧に書いてありました。
とはいえ、当たり前の話ですが、批評についてきちんと論じてある内容なので、
大学の講義を聞いてるかのような、少し懐かしい気持ちになりました。
新書を読むのはあまり得意ではなく、作者の専門性と知識量にとにかくついていけなくて置いてきぼりになりがちで、
この本においても読んでいない本や観ていない映画が題字に出てきて少し気後れしましたが、
何故かその後の内容がよく分かって、どんどん読み進めることが出来ました。
これからに生かせることはそう多くないかもしれませんが、
とてもいい本だと思いました。 -
著者のツイートをよく見かけて、相手が理解し、または理解を放棄するまで議論を尽くす姿勢がすごいと思ってた
そんな時に本書が評判になり、実は「批評」が何かを理解せずに、「議論をうまくできるようになるかもしれない」という動機で読み始めた
批評は映画、演劇、小説などの作品を解釈し、価値づけすることで、本書ではその「批評」の方法論が丁寧に説明されている
さらにその批評の書き方も解説があり、作成された批評を素にしたコミュニケーションがシュミレートされている
今まで読んだ読書法の本と比べてアウトプットをより意識した方法になるので、今までとは違う視点で本が読めるようになるかもしれない
「議論がうまくできるようになれるかもれない」という本書の趣旨から外れた目的を達成することは出来なかっけど、得られたものはあった
映画や演劇に疎いので、本書で一番面白いはずの批評を素材としたコミュニケーションのシュミレーションがピンと来なかったのが残念だった -
フェミニズムの論客が「批評」の極意を明かした批評入門
第一段階「精読」
第二段階「分析」
第三段階「アウトプット」
作品を楽しく掘り下げたい、作品について他の人と考えを共有したいという人が、自分なりの視点で分析した明確な文章が書けるようになるために
《批評を書く時の覚悟として大事なのは、人に好かれたいという気持ちを捨てることです。》
副題は「チョウのように読み、ハチのように書く」
プロローグでは、副題に利用したモハメド・アリのキャッチフレーズを「批評」してみせる
必要なのはセンスではなく調査力と注意深さ
批評の第一歩を踏み出す初心者に、他人の批評の穴を見つけたい人に
ちくま新書らしい濃厚な一冊、2021年9月刊