ちくま日本文学016 稲垣足穂 (ちくま文庫)

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  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425164

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  • 昭和文学の突然変異体。乾いた雰囲気と、アブノーマルな偏愛が、奇跡の融合をみせている。

  • 三月は深き紅の淵を
    著者名のみ登場

  •      7月15日に、第141回芥川龍之介賞(2009年度前期)が決まる。
    受賞候補になった作品。
    ■磯崎憲一郎(いそざきけんいちろう) 「終の住処」(新潮6月号)
    ■戌井昭人(いぬいあきと) 「まずいスープ」(新潮3月号)
    ■シリン・ネザマフィ(Shirin Nezam Mafi) 「白い紙」(文學界6月号)
    ■藤野可織(ふじのかおり) 「いけにえ」(すばる3月号)
    ■松波太郎(まつなみたろう) 「よもぎ学園高等学校蹴球部」(文學界5月号)
    ■本谷有希子(もとやゆきこ) 「あの子の考えることは変」(群像6月号)

    その中に6月に、文学界新人賞を受賞したシリン・ネザマフィさんの「白い紙」がノミネートされている。文学界新人賞を受賞した時も、「なぜ、わざわざイラン人の作品を……」とか思ったが。
    昨日、選者の一人花村萬月氏の
    『花村萬月公式ホームページ ブビヲの部屋』
    http://www2.odn.ne.jp/cbr37550/indexl.htm
    の、2009/06/07 の記事で。
    以下。引用
    「もっと早く書こうと思っていたのですが、文學界新人賞。イラン人が受賞して、不満足な日本人がけっこういるみたいです。とりわけ強く不満を抱いているのは、新人賞に応募している日本人ですね。文藝春秋は話題性を狙って外国人に賞を──と、嫌らしい深読みをする人たちです。」
    引用終わり。
    という部分があり。私もその通りに思っていた。「白い紙」は、読ませてもらったが。非常に素直な小説だった。
    しかし、文學界新人賞の応募作品に。先日「1Q84」を発売数日で上下巻各50万部=100万部以上を売り上げた村上春樹氏の影響を受けたというより、【偽】村上春樹氏のような作品が異常に多いらしい。2008年、「時が滲む朝」で第139回芥川賞を受賞した楊逸さんといい。日本にいる外人が日本の文学賞を受けるということは、小説を書く人は成功した作家の作品を読むことから、少し離れたほうがいいのかも知れない。

    今、文学は『原点回帰』を求められているのかも知れない。
    道に迷って、あちこちウロウロしても解決しないので知っている場所に戻るのと同じ理屈である。

    で、稲垣 足穂氏であるが。
    私は若い時期(1970年代)から、存在は知っていたし文芸雑誌等でもよく特集されていたのだが。多分、この人の本は高価だったように記憶するし。1970年代付近で、一種ブーム(流行)のような時期があり。私の元来の「へそ曲がり」で読むことはなかった。その証明として2年前から「ルービックキューブ」が私のマイブームで1ヶ月ぐらいかかり揃えられるようになった。ただし左手だけの片手で、だが2分半ぐらいかかるので「自己満足」だけの世界である。なぜか?「右手」とか「両手」を使うと揃えることができない。

    稲垣 足穂氏の作品は時代が過ぎてもなかなか文庫化されないのと、忘れていたのとで放置していたのだが。今日、市役所への用の帰りに恵文社バンビオ店で見つけたので購入した。内容をア〜〜ジャコ〜〜ジャ書いても「突っ込まれるだけ」なので読む前にブグログにあげておく。もちろん、目的の作品は「一千一秒物語」である。
    ちょっと「一種の危ない作家さん」かな?



    お月様とは、仲良くしなくちゃネ。

  • 月や星のおはなしはわりかしすきだなあ

  • まだ半分。
    タルホ的世界、というものに物凄く興味があって読んでいますが…独特もいいところですね。これを受け入れた文学界に驚いた。つかみどころがないけれどいくつかのキーワードによって一貫された世界に、新しい美しさがありますよね。いまでも新しいと感じるのに、発表当時は如何に…。

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著者プロフィール

稲垣足穂(1900・12・26~1977・10・25) 小説家。大阪市船場生まれ。幼少期に兵庫・明石に移り、神戸で育つ。関西学院中学部卒業後、上京。飛行家、画家を志すが、佐藤春夫の知己を得て小説作品を発表。1923年、『一千一秒物語』を著す。新感覚派の一人として迎えらたが、30年代以降は不遇を託つ。戦後、『弥勒』『ヰタ・マキニカリス』『A感覚とV感覚』などを発表し、注目を集める。50年に結婚、京都に移り、同人誌『作家』を主戦場に自作の改稿とエッセイを中心に旺盛に活動し始める。69年、『少年愛の美学』で第1回日本文学大賞受賞、『稲垣足穂大全』全6巻が刊行されるなど「タルホ・ブーム」が起こる。

「2020年 『稲垣足穂詩文集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

稲垣足穂の作品

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