ちくま日本文学036 萩原朔太郎 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480425669

感想・レビュー・書評

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  • とても、ナイーブである。
    萩原朔太郎は、繊細でいじらしい人だったのだろう、というのがこの本を読んでの私のイメージだ。

    それだけに、「大丈夫なのか?」と心配にもなった。
    あなたはそれで生きていけるのか?
    それでやっていけたのか?
    強くならないで、辛くはなかったのか?

    いや、きっと辛かっただろう。
    繊細なことは辛いし、弱いことはもっと辛い。夢を見続けることも、純粋で居続けることも、きっと風当たりが強かったことと思う。
    だから、私には彼のことがよくわからなかった。彼がより美しく儚く、虚ろな世界をつむいでいくことに、不安を覚えずにはいられなかった。朔太郎の詩を好きか嫌いかと問われれば、好きだ、と答えるだろう。才能もびしびし感じる。しかし、その世界に浸りたくはないし、その思想に共感したくもない。私は自分がその世界に浸ることに、不安を感じるのだ。だから、私は彼の詩の理解を拒む。私はその世界を自分から遠ざける。

    なので、そんな私がこの本に収録されていた作品で一番好きだったのは「握った手の感覚」だった。これが一番力強くて、生命力がある。光を感じる。
    ちなみに、私も俳句は全然読まないのになぜか蕪村だけは好きで、よく読むので「郷愁の詩人 与謝蕪村」はちょっと楽しみにしていた。しかし、どうも朔太郎の読み方は私には合わなかった。賛成できなかった。

    あと、荒川洋司さんの解説がとてもよかった。

  • 高校時代の愛読書。
    何度も図書館で読みました。

  • 全集に手を出せない人、もしくは萩原朔太郎を知りたい人向けの入門書。ただ、ちくまだけあってチョイスが渋めなので、これを読んで気に入ってもっと読みたいと思った人は岩波文庫の詩集がオススメです。
    本書では「小泉八雲」についての話が良いです

  • 作者:1886〜1942.

    作品:大正6年〜昭和10年代。

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著者プロフィール

萩原朔太郎
1886(明治19)年11月1日群馬県前橋市生まれ。父は開業医。旧制前橋中学時代より短歌で活躍。旧制第五、第六高等学校いずれも中退。上京し慶応大学予科に入学するが半年で退学。マンドリン、ギターを愛好し音楽家を志ざす。挫折し前橋に帰郷した1913年、北原白秋主宰の詩歌誌『朱欒』で詩壇デビュー。同誌の新進詩人・室生犀星と生涯にわたる親交を結ぶ。山村暮鳥を加え人魚詩社を結成、機関誌『卓上噴水』を発行。1916年、犀星と詩誌『感情』を創刊。1917年第1詩集『月に吠える』を刊行し、詩壇における地位を確立する。1925年上京し、東京に定住。詩作のみならずアフォリズム、詩論、古典詩歌論、エッセイ、文明評論、小説など多方面で活躍し、詩人批評家の先駆者となった。1942年5月11日没。

「2022年 『詩人はすべて宿命である』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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