- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480425669
感想・レビュー・書評
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とても、ナイーブである。
萩原朔太郎は、繊細でいじらしい人だったのだろう、というのがこの本を読んでの私のイメージだ。
それだけに、「大丈夫なのか?」と心配にもなった。
あなたはそれで生きていけるのか?
それでやっていけたのか?
強くならないで、辛くはなかったのか?
いや、きっと辛かっただろう。
繊細なことは辛いし、弱いことはもっと辛い。夢を見続けることも、純粋で居続けることも、きっと風当たりが強かったことと思う。
だから、私には彼のことがよくわからなかった。彼がより美しく儚く、虚ろな世界をつむいでいくことに、不安を覚えずにはいられなかった。朔太郎の詩を好きか嫌いかと問われれば、好きだ、と答えるだろう。才能もびしびし感じる。しかし、その世界に浸りたくはないし、その思想に共感したくもない。私は自分がその世界に浸ることに、不安を感じるのだ。だから、私は彼の詩の理解を拒む。私はその世界を自分から遠ざける。
なので、そんな私がこの本に収録されていた作品で一番好きだったのは「握った手の感覚」だった。これが一番力強くて、生命力がある。光を感じる。
ちなみに、私も俳句は全然読まないのになぜか蕪村だけは好きで、よく読むので「郷愁の詩人 与謝蕪村」はちょっと楽しみにしていた。しかし、どうも朔太郎の読み方は私には合わなかった。賛成できなかった。
あと、荒川洋司さんの解説がとてもよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校時代の愛読書。
何度も図書館で読みました。 -
全集に手を出せない人、もしくは萩原朔太郎を知りたい人向けの入門書。ただ、ちくまだけあってチョイスが渋めなので、これを読んで気に入ってもっと読みたいと思った人は岩波文庫の詩集がオススメです。
本書では「小泉八雲」についての話が良いです -
作者:1886〜1942.
作品:大正6年〜昭和10年代。