- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480426895
作品紹介・あらすじ
2010年秋に退役予定のスペースシャトル。機材を再利用し、低予算で宇宙への定期運航を実現させるというコンセプトのもと、年間50回の打ち上げを目指したが、実際は09年でわずか5回だった。一方で費用は大きく膨らみ、さらに国際宇宙ステーションの完成遅延など、宇宙開発全体に大きな影響を及ぼしている。なぜ、どこで計画が狂ってしまったのか。文庫化にあたっては大幅に加筆し、最新の現状をレポートする。
感想・レビュー・書評
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宇宙の現実を目の当たりにしてしまった。。。でも、知っておくべき事実に変わりはない!
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増補 スペースシャトルの落日 (ちくま文庫)
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スペースシャトルと言えば先端技術の塊というイメージだが、純粋に技術的見地から評価すると必ずしも最適な設計ではなかったと言うのが著者の指摘だ。ではなぜ純粋に技術的見地から設計されなかったのか。要約すれば政治経済の介入だ。
アメリカという民主主義国の国家予算で作られるのだから、政治経済と無関係でいられないのは仕方ないだろう。しかし、そのために事実が歪められ世界的に流布されて神話が形成され、さらには諸外国の技術者に大きな勘違いをさせてしまったとなると、罪は軽くない。
同情の余地はあると思う。しかしながら、繰り返されて良い愚行ではない。だが残念ながら、繰り返されないと信じられるほどには教訓が生かされていない。たぶん、まだ同じ失敗は繰り返されるだろう。残念ながら。 -
スペースシャトルは翼があっていかにも未来っぽくてカッコいいと思っていたのは遠い昔。ファルコン9の一段目再利用計画の方が素晴らしいと思える。
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アポロが月へ行ったころに生を受けた世代である自分にとって、「僕らの時代の宇宙船」だったスペースシャトルの根本的な欠陥と限界。 巨大プロジェクトに避けられない病弊がシャトルにも有ったことがおもしろい。
また、「次の時代の宇宙船」がどうあるべきでまたどうなりそうなのか、著者の考察と最新の情報が興味深い。 -
2010年で退役が予定されているスペースシャトル。 しかし、その後の後継機の話は聞いたことがあるだろうか?
スペースシャトルが登場してから30年間にわたるアメリカの宇宙開発の理想と現実が書かれている。
文庫化にあたり2010年1月現在の宇宙開発の状況とホリエモンが解説した文章が加筆されている。
宇宙開発の最先端だと思っていたアメリカの宇宙開発の実態を知ると考え方が変わってくる。 -
スペースシャトルがいかに安全なものではなく、しかもコストがかかるものかということが分かる。
なかなかおもしろい。 -
スペースシャトル自体の設計思想について根本的に間違っていたという
内容からそれによって引き起こされた宇宙開発への影響が書かれている
こういう視点でスペースシャトルのことが書かれているのは読んだことなかったので興味深かったが、ただ、あまりにもスペースシャトルのせいにするのはいかがなものかとヨーロッパや日本がスペースシャトルもどきを開発したのはそれぞれかの国の判断なんだからそれぞれの判断ミスでしょう -
スペースシャトルは凄いものと(根拠もなく)思っていたが、筆者の様に考えると、そう単純でないことが分かった。宇宙という地上とは全く環境の違う所で使うものを地上の感覚で考える間違い(翼は有害でしかない)は、目から鱗だった。
宇宙産業ほどスケールの大きなことでなくとも、モノ作りに役立つ考え方が随所に述べられているので、メーカー勤めのサラリーマンにもためになる本だと思う。