- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480429490
感想・レビュー・書評
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小説家、猿渡を語り手をする(ダーク)ファンタジー。
いったい、いつの時代なのか、そもそも舞台は日本なのか、それすら危うやなのに、妙にリアルな触感がある。濃厚な空気がある。
解説で、土屋敦氏は「イメージするのは、磨き上げられた真球である」と書いているが、私はむしろバロック真珠だと思った。
パールの放つ濃厚な光と、いびつな形故に様々な姿を浮かび上がらせ、その実態はつかめない。
もしくは、過冷却水か。
氷始める、その振動を待ち続けている。そんなものように感じた。
「フルーツ白玉」がとてもつもなくいい。
小説は、最後の1行できまる、っていうのを体現してる。 -
小説家である主人公が語る怪異譚を綴った連作短編集です。
著者の作品に触れるのは初めてでしたが、ホラー作家だということを後で知りました。また、これが〝蔦屋家の崩壊〟に続く、シリーズ2冊目ということも読後に知った次第です。
でも、何の予備知識もないまま読み始めたので、耽美で退廃的な幻想世界に素直に浸ることができました。内容はホラーなどではなく、現代版泉鏡花を読むような気分で、幻想文学として楽しむことができました。 -
IKさんお勧めにより拝借の2/3。前作よりもグロテスクなのが多い。表題作は本格的ホラーでぞっとした。
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1/18 読了。
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短編集。
このところ読書に集中できなくなっていたが、津原泰水の世界にやすやすと引き込まれた。重々しくもあり、軽味もあり、不思議で魅力的な文章を書く人だ。
「夕化粧」の締めくくり方に思わずうなる。思わせぶりでもなく、唐突でもなく、予期していなかった余韻が、ぽーんと心地良く後を引くような。
後書き(跋文)を読んで、作者が男性だと気付く。以前、「名前から言って男性でしょ」と思っていたら、ポートレイトを見て「あれ、女性だったのか?!」と思って信じていたのだが…。 -
美食家と偏食家とゲテモノ食い。
それぞれ嗜好は違えども、根本は同じ…ような気がしなくもない。その不思議さよ。 -
コンビ登場作が少ないがこれもよい。
猿渡くんはいつの間に扶養家族ができたのだ? -
ゲテモノ食い系のはなしは苦手。
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シリーズ2作目、既読を含む短編9作。
雲を掴むような、煙に巻かれたような、妖しさと黄昏がかった色合いが、平行な感覚を麻痺させる。