- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480438225
感想・レビュー・書評
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本好き、本屋好きにはたまらない、良い本でした。お仕事本でもあり青春ものでもあり…とにかく、ブクログユーザーは全員読むべし。
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誠実な仕事はいつか報われる。「四五歳のぼく」はさらに深みがあってよかった。
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とても読書家とは言えない私は、恥ずかしながら予備知識なしにこの本に出合いました。
「本当は就職をしたかった。でも、できなかった。33歳の僕は、大切な人達のために、一編の詩を本にすること、出版社を始めることを決心したー。」とあるけど、読み始めて気が付いたのは、著者の島田さんが本が好きで、本ととても素敵な関係を築ける方だということ。
動画を倍速で再生して筋書きを追うように活字を追うことと、本を読むこと、本を手元に置くことは別なのだと思い至りました。焦がれた本を手に入れた後、最初の数ページを読んだだけで、満足しきって、胸がいっぱいになると書いてあるのを見て、本当にびっくりしました。そういう方だからこそ、心に深く傷を負った時に寄り添ってくれる力が本に宿っていると信じ、全ての力を注ぐことができるのでしょうね。
それから、本の装丁について考えたことがなかったので新鮮な驚きでした。装丁は、書かれている文章にとってドレスのような晴れ着なのでしょうか。実用性や予算も考慮しながら、このデザインがいい、とたった1着を選びとるのに似てるのでしょうか。ずっとそばにいてくれる本には、一番の衣装を着ていてほしいのかも知れませんね。
島田さんの本との素敵な関係から生まれる物に共感する人がいて、それが共有されていくところも、読んでいて心地が良かったです。
私は、本を速足で読みすぎなのかも。 -
明日から出版社 島田潤一郎
推しのインスタのフォロワーが「夏葉社のファンです」とどこかで見たので、思わずこの聞いたことのない出版社を調べてみた。
ホームページにたどり着いても、サイトがとてもシンプルで、シンプルすぎてどこから見ればいいのかと躊躇してしまった。とりあえず今まで出版された本を見てみたら、お!と慌てて本棚にゆき山崎ナオコーラの「かわいい夫」を引っ張り出し、よくみたら確かに夏葉社だった。知らず知らず私もこの出版社の本を持っているとは。
一人で出版社を経営されていると、編集も営業も事務も雑務も一人でやらなければいけないけど、島田さんはたった一冊の本を作りたくて、出版社を立ち上げた。夏葉社の成立の経緯が冒頭に書かれており、それだけでもこの人の誠実さと本に対する情熱が伝わってき他。その熱量があるからこそ、素敵な本ができるんでしょう。
出版社を立ち上げる理由になった一冊「さようならの後で」は、私も読んでみたいと思いました。大切な人の喪失からこの一冊を作るために、出版社を立ちあげるという情熱に脱帽。また刊行するから部数も少なく、本当に本を愛す人に届けるための考え方はとてもいいなと思いました。
この世の中は、多数決でいろんなことが決められており、少数の人達の意見はあまり受け入れられていない。その少数の人のために、大切な一冊を丁寧に作り上げることはとても素晴らしいことと思いました。
これからも夏葉社の本を読んでみたいと思います。 -
岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00626346
青春の悩める日々、創業への道のり、編集・装丁・営業の裏話、忘れがたい人たち……「ひとり出版社」を営む著者による心打つエッセイ。
(出版社HPより) -
解説で頭木弘樹さんが記している「これはもうつぶれると思った。」というのは、夏葉社への正直な感想だと思う。
私が夏葉社を知ったのはごく最近だけど、本当に良い本をつくっている。しかも、コンスタントに出版できているのが不思議だ。出版不況と言われて久しいのに……。
この島田さんのエッセイは、そんな夏葉社のイメージを覆すものだった。
つまり、島田さんという人はもっとやり手の人だと思っていたのだ。出版社をやろうと思って立ち上げたのだと。
だけど、こんな島田さんだからこそ、夏葉社の本は良いというのが愚直に伝わってくる内容だ。
島田さんはきっとひとり出版社を天職だとは思っていないだろう。
けれど、出会うべくして出会ったのだなぁとは思う。
ああ。島田さんに比べて自分はホントに何者でもないなぁと、恥ずかしくなった。 -
2022年6月18日購入。
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とある一人出版社の記録。
頭木弘樹さんの解説をちらっとみたら、それだけでもうわくわくしてくる。
この間読んだばかりの「ボン書店の幻」を思い出しながら読むことになりそう。