アインシュタイン回顧録 (ちくま学芸文庫)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480511126

作品紹介・あらすじ

相対論など数々の独創的な理論を生み出した天才が、生い立ちと思考の源泉、研究態度を語った唯一の自伝。貴重写真多数収録。新訳オリジナル。

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「想定外に当たっていたね」。アインシュタインの理論を、現代の物理学者はおおむねそう評価する。実験機器と実験法の進歩につれ、ただの予想かと見えた理論が次々に実証されてきたからだ。独創の極致ともいえる理論を彼は、いったいどうやって生み出したのか? 幼少期から執筆時までの約70年間を振り返り、何をどう考えてきたのかを語り尽くす、アインシュタイン唯一の自伝。生い立ちと哲学、19世紀物理学とその批判、量子論とブラウン運動、特殊相対論、一般相対論、量子力学に疑義を呈した真意、統一場理論への思いが浮き彫りになる。貴重な写真を多数収録。達意の新訳による文庫オリジナル。
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文庫オリジナル
唯一の自伝、新訳
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【目次】
アインシュタイン回顧録
  1 助走の時代
  2 ニュートン力学、マクスウェルの電磁気学
  3 量子論の芽生え期
  4 ブラウン運動とミクロの世界
  5 相対論(相対性理論)の着想
  6 相対論の一般化
  7 量子論への思い
 8 統一場理論の遠望
アインシュタイン略年譜
やや長い訳者あとがき

感想・レビュー・書評

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  • ■■評価■■
    ★★✬☆☆

    ■■概要■■
    ○アインシュタイン自身の回顧録が半分、日本人の著者がまとめたり、考察したものが半分という内容であった。
    ○アインシュタインの人生年表や、数式(難しくて理解しきれない)もあったが、どんな考えでいたのかが分かる本となっていた。

    ■■印象に残ったこと■■
    ●相対性理論という考え方が生まれたベースにあったのは、古典的なニュートン力学に加えて、マクスウェルの方程式という電磁気学、この2つがベースとなる概念であったし、熱力学の概念も参考にされていた。
    ○いきなりそれが出てきたのではなく、下地があるんだよね、科学の進歩には。

    ●15歳のときに親の事業の失敗で、ドイツからイタリアに移住。16歳のときにギムナジウムは中退して半年実家に逃避。スイスのチューリッヒ工科大学に受験するも文系科目がだめで不合格。21歳ではアルバイトと仕送り、無国籍状態で生活し、22歳でスイス国籍を取得して23歳でスイス特許庁に技官として就職。
    ○ここまでの経歴だけ見れば、単なる一般人、しかもあまり順調そうではないようににしか見えない。

    ●26歳(奇跡の年|1905年)で、光量子仮説、ブラウン運動、特殊相対性理論の3大論文を発表。
    ○これは知識として知っていたてよいものである。

    ●このとき、大学教授や助手ではなく、務め人であった。その後ドイツに戻り一般相対性理論は、その後37歳のときに最終的な論文が発表された。ドイツではヒトラーが政権を握ると、ユダヤ人排斥運動もあり、アインシュタインの首には現在価値1500万円の賞金がかけられた。
    ○有史に名を残す学者であって、その人自身が望まずとも、アルキメデス、ラボアジェなど、処刑殺害されたひともいる。意外と科学者・哲学者も危険な職業である。

    ●「考える」ということはどういうことなのか。なにかから受けた感覚や印象が記憶や脳内イメージになっただけなら、「考えた」ことにはならない。経験を重ねて一連のイメージ郡ができ、あるイメージから別のイメージを連想できるようになっても、まだ、「思考」とはいえない。けれど、イメージ群のうち、特定のイメージが始終自己主張するようになり、一見バラバラの情報をつなぎ合わせ、全体を秩序づけることがある。そんなイメージこそが思考を進める上で、かけがえのない道具(概念)になるの。脈絡のない連想は、脳みその運動にすぎない。それを「思考」に格上げするのが、主に「概念」の働きだと言える。
    ○ちょっと難しい言い回しで何言っているかわからない。DMNの話として良いんだろうか。

    ●4つの力をシンプルに、同様に扱うための統一理論に向けてアインシュタインも研究を進めていたが道半ばだし、現代でも研究が続けられている分野。
    ○中学生の頃雑誌ニュートンを読むのが好きだったな。大統一理論の話もあったな。一方で、シンプルに扱うものが美しいというのは人間側の都合という話もある。人間は認知できるように単純化しないと取り扱えないから。そこでAIの活用が見込まれる分野もあるとのこと。

    ●特殊相対性理論によって高速で動いているから時間が遅れ、一般相対性理論によって重力が弱くなることで時間が進む。それの差分により、衛星の中の時計は、地上に比べて1日あたり38.4μs進む。この差分があると、カーナビでは1日に1kmずれてしまう。そうならないように、地上とぴったり同じ時を進むように、衛星の時計を精密に時刻合わせしている。
    ○相対性理論がどう役に立っているかわからないという人がいたら、もし相対性理論使っていないときみのカーナビは一日で1kmずれるよ。毎秒1cmズレて、明日には1kmズレているよ、とつたえると、わかり味が深いように思う。

  • 「想定外に当たっていたね」。アインシュタインの理論を、現代の物理学者はおおむねそう評価する。実験機器と実験法の進歩につれ、ただの予想かと見えた理論が次々に実証されてきたからだ。独創の極致ともいえる理論を彼は、いったいどうやって生み出したのか?幼少期から執筆時までの約70年間を振り返り、何をどう考えてきたのかを語り尽くす、アインシュタイン唯一の自伝。生い立ちと哲学、19世紀物理学とその批判、量子論とブラウン運動、特殊相対論、一般相対論、量子力学に疑義を呈した真意、統一場理論への思いが浮き彫りになる。貴重な写真を多数収録。達意の新訳による文庫オリジナル。(出版社HPより)

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    https://opac.library.tohoku.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=TT22186235

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著者プロフィール

アルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)
1879-1955年。ドイツのウルムに生まれ、スイスのチューリヒ工科大学(現ETH)を卒業。1914-33年はドイツのベルリンに住み、1932-44年はアメリカのプリンストン高等研究所教授。スイス特許局時代の1905年に三大論文(光量子仮説、ブラウン運動、特殊相対論)を発表し、光量子仮説の論文により1921年度のノーベル物理学賞を受賞。

「2022年 『アインシュタイン回顧録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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