ペナンブラ氏の24時間書店

  • 東京創元社
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本棚登録 : 996
感想 : 126
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488010188

作品紹介・あらすじ

奇妙な書店に再就職した青年は、店内にある謎の本の解読に挑んだことがきっかけで、五百年にも及ぶ謎を解明する旅に出ることに……すべての読書好きに贈る冒険と友情の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 滅多に読まない海外作品

    アメリカを襲った外食産業大不況の影響により、失業してしまったクレイ・ジャノソンの冒険物語。

    彼が見つけたのは24時間営業している求人ビラ。
    その書店は、2つの書店が合併したような内装であり、書店内には3階までの高さがある本棚に本がぎっしり詰まっている。内装だけでなく、訪れる客層も少し変わっている書店。彼らが何を借りていくのか、その本には何が書かれているのか、働く際の条件は何故あるのか、どうして運営されているのか、店長は何者なのか、疑問が疑問を生んでいくクレイの冒険小説。

    背景や書店という題材は良かったけど、最後が少しあっさりしているかな。読者を選ぶ作品かもしれないなと思った。

  • チャレンジ精神。
    失敗しても失敗しても、あきらめず次に繋げていく。
    例え一人があきらめたとしても、それに続く人さえいればチャレンジが続いていく。
    新しいことも残らず試して。
    それでも見つからなくても、あきらめずに。
    思いつく限りの方法と、巻き込めるだけの人たちと、積み重ねられた歴史と資料と技術。
    その全てを味方にして。
    チャレンジに終わりはない。

  • 24時間書店、ペナンブラ。
    奥地蔵書を借りに来る個性的な会員たちと主人公クレイ。どんなストーリーなのかと興味惹かれた。
    こんな古書店に行ってみたい!
    本に隠された暗号も気になる!
    が、読むスピードはなかなか上がらない。

    「本好きには見逃せない」のフレーズに押されてページを捲るが、そもそもデジタル音痴の私にこの情報量は多すぎる。
    ネット世代の若者ならスピード感ある展開に違和感なくついていけるのかなと思いながら、やっとラストに辿り着いた。

    ウイットに富んだ言い回しには何度かニヤリとさせられた。
    「それっぽい光がそれっぽい窓から差し込み、それっぽい店に鋭角の影を落としている。これを聞いてすごいと思ったら、あなたは三十歳を超えてますね。」など。

    カバーのイラストが上手い。書棚にかけられた梯の上にはクレイ、眼鏡のペナンブラ氏やグーグル社員のキャット他、登場人物の姿が分かりやすく描かれている。
    ゲリッツズーン書体もあれば見てみたかったな〜。

  • 新しい時代の青春小説。コンピューター言語に詳しくないので読むのに苦戦しました。書店の雰囲気は魅力的。

  • 主人公の青年クレイが物語の前日譚から話を始めたように、自分も本書を選んだきっかけから語っていきたいと思う。

    今、自宅の本棚には原書が眠っている。
    これは就職活動の帰り道に丸善丸の内本店にて購入したもので、当時は今以上に語学に燃えていた。
    まだ読みやすそうなものを…と選んだはずなのに、帰りの新幹線では1ページも読み進められず、乗車時間の残りは睡眠にあてられた。本は自動的に棚の肥やしへと転身する。
    そして現在…試しに開いてみたが、やはり場面が想像しにくいし進まない。調べてみると翻訳書が出ており、もっと早くこうすれば良かったと続編もろとも入手したのだった。

    得意としていたウェブデザインの職を解雇され失業中のクレイは、ある日「24時間書店」の求人を見つけ夜勤書店員として勤務することになる。

    「もっと早くこうすれば良かった」と思ったのは、読書前だけではない。
    一つは本書が、ヤング・アダルト本特有のハイテンポなノリだと分かった時。これは別に苦じゃなかったけど、本書が世に出た頃であればもっと順応できたのになって。あと解説を担当された米光一成氏(本職:ゲームデザイナー)がチャラかった笑

    もう一つは読み始めた刹那、クレイの境遇が就職活動中・就職後の自分と重なった時。職を解かれ何者でもなくなったクレイと、周囲が内定を獲得していく中で自身が何者かさえ分からなくなっていた自分。(正直今も分かっていない…)
    将来設計が明快な同僚オリヴァーを羨む場面では、自分も職場で同様の想いを抱いていたことを思い出した。

    これを初めから英語で読むのは至難の業だったかも。何故なら日本語でも設定を解析・理解するのに苦労したからだ。
    まず物語の拠点となる24時間書店が普通の本屋ではない。
    2軒の店で構成されており、表の本棚にはペナンブラ氏(オーナー)の選り好みで溢れた一般書、奥には非売品で特定の客しか借りて行かない本が収められている。しかも書店員は奥の本を読むことは許されておらず、特定の客が来店した際は業務日誌をつけなければならないという謎ルール。

    クレイは友人らと過去の業務日誌から本屋の親会社である秘密結社が所蔵する”ある本に至るまでを、Googleの最新テクノロジーで解読。その試みが書店や秘密結社会員らの謎を明らかに…!?ここまでしか言えないが、流れとしてはこんなものか。

    この辺が『ダ・ヴィンチコード』の難解な謎解き作業をすっ飛ばし全部コンピュータに委ねた感がして、読後情報技術に疎い自分は色んな意味でキョトンとしていた。しかし実際問題、本の世界にも電子化やオーディオ化とテクノロジーが浸透している。
    だから上記のような謎を解くにしても、たまには文明の利器に頼っても良いのかなって気もしていたりする。

    「3012年を想像するのは簡単じゃないけど、だからって試してみちゃいけないってことにはならない」

    やり方を変えれば解読できると信じて、本棚でふくれっ面をしている原書にもそろそろ構ってやろう。

  • 居心地の良さを感じ、本屋でアルバイトを始めた、クレイ。
    奥の方には、会員限定の不思議なエリアが存在して……。

    全米図書館協会アレックス賞受賞作。

    梯子つきの高い棚。
    ひび割れた革装、金箔で記された書名で、アンティークのような本。
    そしてそれらは、Google に存在しない。

    奥地蔵書を軸とした前半の24時間書店が、ミステリアスで魅力的。

    Googleや最新技術に、500年前からのデータや昔からのアナログ手法。
    新しいものと古いものとが入り混じる、独特の世界観。

    クレイたちは、謎を解き明かせるのか?

    ヤングアダルト向けの青春冒険譚。

  • 印象が間違っていたら申し訳ないのですが、翻訳版のライトノーベルという感じでした。翻訳小説もライトノーベルも得意ではない私には、イマイチだったかな。

  • イマドキの青年が本屋さんに勤めることになって…
    海外小説のティーンな書き出しだった…

  • フェスティナ・レンテ

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