図書館島 (海外文学セレクション)

  • 東京創元社
3.20
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本棚登録 : 397
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488016647

作品紹介・あらすじ

文字を持たぬ辺境の島に生まれ、異国の師の導きで書物に耽溺して育った青年は、長じて憧れの帝都に旅立つ。だが航海中、死病に冒された娘と出会ったがために、彼の運命は一変する。世界のあらゆる書物を収めた図書館のある島に幽閉された彼は、書かれた言葉を奉じる人々と物語る声を信じる人々の戦いに巻き込まれてゆく……。デビュー長編にして世界幻想文学大賞・英国幻想文学大賞受賞、書物と物語をめぐる傑作本格ファンタジイ。

感想・レビュー・書評

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  • 異世界が奥行きをもって描かれていて、良質なファンタジーだった。主人公より舞台になった土地が主役のようで、本書は「第一部」という印象。続編もあるらしいし、読み終わった、という感じはあまりない。

    個人の描かれ方についてはちょい不満があって、「なぜそうしたか・したいのか」があまり伝わってこない。各人の判断の動機が印象に残らないので、それでもいいけどそうでなくてもいいのでは、という感じがある。作者はオロンドリアを見せたかったんだろうしそれには成功しているのだけれど。

    ちなみに、それほど図書館の話じゃないです。原著題名を直訳したら「オロンドリアの異邦人」で、そちらのほうがよく内容を表していると思った。地味だけど。

  • 圧倒される…翻訳の市田泉さんも凄い…。

  • 世界幻想文学大賞など、複数を受賞した著者のデビュー作。
    最近は見かけなくなった四六判の2段組なので、厚みの割に長い話なのだが、ほぼ一気に読ませる筆力は新人離れしている。
    もし次作も邦訳されるなら、是非読んでみたい。

  • 世界幻想文学大賞・英国幻想文学大賞・キャンベル新人賞・クロフォード賞受賞作

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    文字を持たぬ辺境の島に生まれ、異国の師の導きで書物に耽溺して育った青年は、長じて憧れの帝都に旅立つ。だが航海中、不治の病の娘と出会ったために、彼の運命は一変する。世界中の書物を収めた王立図書館のある島に幽閉された彼は、書かれた言葉を奉じる人々と物語る声を信じる人々の戦いに巻き込まれてゆく……。デビュー長編にして世界幻想文学大賞・英国幻想文学大賞受賞、書物と物語が持つ力を巡る傑作本格ファンタジイ。
    http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488016647

  • 物語と本、言葉と文字、そして数多の悲恋を題材にした素晴らしい叙事詩という印象。大賞を取るだけのことはある、とは思うのだが。

    いかんせん邦題と帯の惹句、表紙裏のあらすじ紹介があまりにもミスリードに過ぎる。図書館島なる島は登場しないし主人公は幽閉されたりしない。まるで宗教の対立を解決する役を果たしそうに紹介されているが、単に巻き込まれ利用されるだけに過ぎない。このミスリードさえなければ「一体いつ図書館島(全体が図書館となっていて歴史上存在した全ての本が集められている無限遠を思わせるような島を連想した)に囚われるのだろう」と思いながら、それまでの前段だという意識で物語を読み進めることはなかったはずだ。その先入観ゆえに純粋にこの大いなる叙事詩を存分に楽しめなかったのが非常に残念である。原題は「オロンドリアの異邦人」。本を売るためには仕方の無いことかも知れないが、読者に対してあまりにも不誠実ではないだろうか。

  • よくわからなかった

  • 手のひらに異世界はあった。知らないの逸話、分からない単語、本を開く度に異世界の息遣いが聞こえて色づいていくのが堪らなかった。
    ボリュームありすぎてちょっとだけしんどかったけどな!!あと用語表は早く見つけたかった…

  • 図書館島異聞を読みたくて4年ぶり?くらいに再読。
    前回読んだときには、理解が追い付かず疲労した記憶が強かったが、2回目でやっとこの本との付き合い方が分かった気がする。

    異国の風景、匂い、色彩、人々の暮らし。
    死に取り憑かれた主人公の生き方と愛。
    旅するように、ただ、この世界の空気を吸って、浸りきればそれで良い。
    理解できない部分を理解しながら読み進めるというより、どこまでも深く本の中に潜っていく感覚を味わう本。
    時間を置いて何度も読み返したいと思う。

  • この世界独自の言葉が多いため、読むのにとても時間がかかる。一度読んだだけでは理解できない。再読して、言葉の意味を理解できた時に面白さが分かると思う。

  • 最初すきま時間に読み始めたのもあり、オリジナル用語が覚えられず、幻想的な世界観に馴染むのに時間がかかったのだけど、途中から惹き込まれて一気読み。出てくる土地の設定の作り込みがすごい。各地の風土、人々、暮らし、信仰、土俗的なまじないや習慣などが細かく描写されていて、主人公とともに旅している気分になる。その分ストーリーは複雑すぎず、納得感ある流れでエンディングへ。

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