MM9―invasion―

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488018139

感想・レビュー・書評

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  •  怪獣が実在する世界を描いたSF短編集『MM9』の続編。

     今回は、前作で登場した少女型怪獣ヒメと、宇宙から飛来した謎の怪獣との闘いに、高校生の一騎が巻き込まれる長編スタイル。ヒメと一騎がテレパシーで通じながら怪獣と闘ったり、思春期特有のシーンが挿入されたりするところは『鉄腕バーディー』のテイストに似ている。これは山本弘のオタク趣味前回の作風がマンガ・アニメと親和性が高いということだろう。現実世界ではまだ完成していない東京スカイツリーで、宇宙怪獣とヒメが闘うシーンなどは『モスラ』へのオマージュなんだろうなと思いながら読んだ。

     ただ読み終わってわかったのは、本書は『MM9』の単なる続編ではなく、次の『MM9 -destruction-』につながる前振りのような位置づけだということ。地球外生命体や、それを利用する種族の説明がほとんどないまま「次回へつづく」のマークが出た感じ。シリーズ化するということか。
     スペシャル版として読めばこれはこれで面白いけど、短編形式で色々な怪獣が登場する前作のスタイルの方が好きだな。

  • 前作はウルトラQだったのに本作はウルトラマン劇場版になってしまった。面白い事は面白いんだが、方向性は間違った方に行ってるような気がする。ウルトラマン世代の私にはとっても面白いんですけど。恒点観測員とか3分しか巨大化出来ないとか。光線技は八つ裂き光輪だよね!元の路線に戻って欲しいなぁ~。

  • 待ってまひたの続編…。
    出るとは、思ってなかったけど…(笑)

    ちょっちシュールな感じの前作とは異なり、
    本作は、かなりエンターテインメントな感じ…。

    前作がウルトラQなら、
    本作はウルトラマンってとこかな…。わかり難ぃ…(笑)

    はいッ、面白かったれつ…。

    キャラや設定も固まったところで、「つづく」といぅことで…、
    次回作も、楽しみでつ…。

    あとは…、
    あのシュールな深夜ドラマの続編は、ぜひ映画で観てみたひ…。

  • うーん、前作の方が緊張感があってよかったな

  • 最近のスカイツリーが出てくるなど面白いのだが、ヒーロー物の怪獣ドラマにはしてほしく無かった。あくまで気象庁中心の怪奇現象解明に当たる話が期待したかった。これはTVドラマにはなれないし。

  • 『MM9』の続編らしいんだけど、前作を読まずに読んでしまった。でもそれでも読めるように書かれていると思う。

    怪獣の襲来が自然災害の一つと捉えられている世界で、かつて人間の側に立って戦い、その後眠りについた少女型怪獣・ヒメと、気象庁特異生物対策部(=怪獣対策機関)に属する博士を母に持つ少年・一騎とが出会い、他の怪獣の来週に立ち向かうというような話。

    前作の話や設定をよく知らなくてもわりとすんなり読めるようにできていて、面白かった。少年少女の雰囲気が若干古臭いのは山本氏の持ち味か。
    作中でスカイツリーが早速壊されていて、多分ここ書いてて楽しかったんだろうなあと思った(笑)。

  • 前作がウルトラQだったとすると、本作は正しく続編のウルトラマンとなっていて、これに現代的なスパイスで味をつけたものとなっている。そのスパイスがオタクとか萌えとか、ラブコメチックなものばかりなので、前作の様なハードなSF的観点から怪獣ものを描くという作品としての意味が薄れてしまったのは残念。神話宇宙とビックバン宇宙の対立という観点から敵役を想定した前作から神話の怪獣を妖怪が使役し、ビックバン的な宇宙観をひっくり返そうとする生存戦争が背景で、しかも親玉が捕まらなかったので続編があるとは思ったけど、地球に縛られた状態では女神に敵対しうる相手が用意できないため、宇宙怪獣を登場させて話を繋げている。この宇宙怪獣が地球に登場する際に何故、平気で地球に降り立つことができるのかという観点とか、冷凍怪獣の原理が逆電子レンジとか、散りばめられたSF的な小話が面白い、また、地球の女神が宇宙精神に寄生された状態でヒロインとなり、巨大化できるのが3分とか、衣装が赤であるとか、ウルトラマンへのオマージュとなっている部分も楽しい。

  • SF 怪獣トンデモ本、MM9 の続編。
    ウルトラマンのパロディ?オマージュ?インスパイアされた?
    やはりトンデモ本だった。
    ライトノベルやアニメっぽい方向性は苦手なのだが、
    3 分間のツボも押さえてあり、楽しく読めた。
    敵側の話をもう少ししてもらいたかった。
    更なる続編もあるようだ。

  • 小難しい理論が減って、単純にエンターテイメント度が高くなった。楽しく読める一冊で続編も期待。

  •  前作が由緒正しい「総天然色娯楽SF小説」であり「怪獣小説」であるとするならば、二作目のこちらはそれの「平成版」。
     気特対VS怪獣ではなく、萌えと美少女を前面に押し出した―――それでも要所要所の「怪獣モノのお約束」は外していないところがすごいのだけど―――、やっぱり正しい娯楽小説になっている。
     細かいことをぐちゃぐちゃ突っ込むのではなく、ゲラゲラ笑って楽しく作品世界にダイブするべき快作。宇宙人と巨大美少女と巨大怪獣がガチで殴りあうなんて話は、SFならではじゃないか!

    と、言ってもさすが山本氏、考証や「いかにもホントウくさい大嘘はったりかまし」はきちっとされているので、最後まで気分よく、騙され続けることができます。アニメにしたら気分よさそうだなあ。続編にも期待。

    ……あと、スカイツリーぶっこわし第一作(ですよね? アニメで先に壊した作品があるかな?)

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著者プロフィール

元神戸大学教授

「2023年 『民事訴訟法〔第4版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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