- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488024499
感想・レビュー・書評
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【読了】今年30冊目は学園ミステリーもの。主人公の須川君もその一目惚れの相手ヒロインの酉野さんも、純な性格でいまどきこんな高校生がいるのか?と思ってしまう。最後が非常に痒いが青春の一コマということで大目に見よう。
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相沢沙呼による学園ロマンスミステリかと思って手にとった。ミステリでありながらあえてマジックというあえて謎を明かさない領域をモチーフとして扱うのであれば、青少年の自意識を主題にするよりも推理の加害性とかエンタメ性を問う形で料理した方がおもしろくなったのでは。ラノベレーベルから出ていれば受け止め評価も変わったかもだけれども、鮎川哲也賞と言われれば不満が残る。。
とはいえ、手品や心霊現象というモチーフが後に『medium 』に結実するのであればそれはそれで必要なステップだったのかも、と。
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3.3
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鮎川哲也賞を受賞した、相沢沙呼さんのデビュー作。
マジシャンである女子高生を探偵役に、彼女に恋する同級生の男の子を語り手に据えた、日曜の謎系ミステリの連作短編集です。
ミステリにマジックの要素を加える、そのアイデアが面白いですね。
前半に張り巡らせた伏線を、終盤で一気に回収するのは連作短編集の王道ですが、その手腕がとても鮮やかで、細かいところにも配慮されていると思います。
ただ、語り手である主人公の恋する気持ちは理解出来るのですが、何かにつけてヒロインに強要するような言動にはイライラすることが多々ありました。
語り口の軽さとは対照的に、謎の背後にあるものは重く、学校という狭い世界で生き抜くことの大変さをつい思い出してしまう、そんな一冊です。 -
全編 語り口調で、それが軽快さを出している。ノリで物事を決めていきがちな若者の軽さを よく表していると思う。
酉乃の言い分は、駄々をこねているようにしか見えないので、あまり共感しない。←なので、作品全体に関わる それぞれのアイデンティティの問題も、あんまり興味を持てないが。
なんにしても、マジックの軽やかさと主人公の軽さがとても合っていて、それで謎を解くなら 他の事はあまり重要に感じない。 -
マジックの、技術的な面と心理的な面とエンターテイメント面が高校生の人間模様と絡んで物語が広がっていく感じ、見事だった。困っている人にかける言葉がずれてる須川くん、身に覚えがありすぎて恥ずかしくなった。