水族館の殺人

著者 : 青崎有吾

• 東京創元社 (2013年8月11日発売)

感想・レビュー・書評

[グルミコさんさんの感想 · 2013年10月22日]

タイトルは当然綾辻行人の「館シリーズ」へのオマージュですが、内容的には外連味たっぷりな「館シリーズ」よりもむしろ、有栖川有栖の「学生アリスシリーズ」を思わせる、探偵以外は見落としていた小さな(しかし重要な)証拠を積み上げて畳み掛けるような論理展開で犯人を絞り込む、ガチガチの本格フーダニットです。
登場人物たちのラノベ風味のやりとりは個人的にはちょっと苦手ですが、普段はラノベしか読まない人たちがこの作品を読んで本格ミステリの面白さに気付いてくれれば、と思いました。

[剣崎博士さんの感想 · 2013年10月5日]

こう来たか，と唸らされました。何故か，裏染が古畑にかぶって見えたのは私だけでしょうか？

[tanukitunekoさんの感想 · 2013年10月4日]

図書館にて借りる。裏染家の謎が気になる〜。

[あまぐもさんの感想 · 2013年10月3日]

+++
夏休みも中盤に突入し、風ヶ丘高校新聞部の面々は、「風ヶ丘タイムズ」の取材で市内の穴場水族館に繰り出した。館内を館長の案内で取材していると、サメの巨大水槽の前で、驚愕のシーンを目撃。な、なんとサメが飼育員に喰いついている!駆けつけた神奈川県警の仙堂と袴田が関係者に事情聴取していくと、すべての容疑者に強固なアリバイが…。仙堂と袴田は、仕方なく柚乃へと連絡を取った。あのアニメオタクの駄目人間・裏染天馬を呼び出してもらうために。平成のエラリー・クイーンが贈る、長編本格推理。
+++

袴田柚乃＆裏染天馬のシリーズ第二弾である。登場人物のキャラクターも一作目よりしっくり馴染んできて、警察と天馬の微妙な関係や、柚乃との力関係も、すでに約束事のようにぴったりはまっている。水族館での衆人環視のなかで起こった殺人というショッキングな事件で、逃れようもないと思われるような状況にもかかわらず、忽然と姿を消した犯人を、モップやバケツやゴム手袋という、そこに在っても何ら不思議ではないものから小さな違和感を見つけ出して真相に迫っていく天馬の、普段の自堕落な姿とのギャップも愉しめる。次の展開が愉しみなシリーズである。

[hige0519さんの感想 · 2013年9月30日]

モップ、バケツ、水滴、足跡などから消去法で容疑者を絞りこんでいくロジックが圧巻です。伏線の張り方も見事ですし、真犯人の動機も意外性があります。ミステリーとして納得の出来です。
ただ、サメが人を食い殺す瞬間を目の当たりにしているのに平然としている新聞部員や、空気を読まずに「水族館が貸し切り状態だ」と言ってはしゃぐヒロインにドン引きしてしまいました。

[ganapeeさんの感想 · 2013年9月27日]

探偵のオタクぶりが目立たなくなってきた。
表紙を見て、碓氷優佳シリーズを読みたくなった。

[あおいさんの感想 · 2013年9月17日]

面白かった～。
裏の裏までとことん追い詰める
さすが裏染くん。

[kon-kichiさんの感想 · 2013年9月16日]

お題は消去法による犯人当て。平成のクィーンの異名に恥じぬ論理展開を駆使した謎解きは、プロセス•ケミスト好みで小気味よい。
探偵役の慇懃無礼なアニオタ•イケメン優男キャラは人によっても好き嫌いはあるんだろうけど、ボク的には気に入っている。
で、このシリーズの一番の見せ場は、犯人逮捕後のエピローグにあるとボクは思う。
今回は、事件解決後に及んで、尚、犯人を精神的にネチネチ追い詰めていく件が最高に興奮する。
館シリーズのニューウェーブ。

[櫻うさぎさんの感想 · 2013年9月13日]

シリーズ２冊目。

コレは「館」シリーズかしらん。

美術館とか、図書館とかになるのかな？？

天馬先輩、相変わらずわが道をいく！！

[tamakoさんの感想 · 2013年9月5日]

鮎川賞受賞作『体育館の殺人』のシリーズ第２作目。
水族館で飼育員が殺害され、防犯カメラ、関係者の聴取などから浮かんだ１１人の容疑者には、しかしすべてアリバイがあった。呼び出された裏染天馬は、現場の手がかりから容疑者を次々に除外していき真犯人に迫る。
相変わらずラノベ全開な雰囲気でありながら、些細な手がかりから論理を展開していく執拗さとのギャップが面白い。キャラにもう少し深みがあるといいのだが。

[takaraushi62さん · 2013/09/08]

下記サイトで、「水族館の殺人」を上梓された青崎有吾さん自身に関する分析を見つけて興味を惹かれ、検索してましたら貴レビューにヒットしました。
この分析を、ご本人の作品に触れた方々が読まれたらどうお感じになるかに興味がございます。
http://www.birthday-energy.co.jp/

著者プロフィール

★小説家／推理作家。“平成のエラリー・クイーン”の異名をとる、本格ミステリ界の若きエース！ 代表作に『体育館の殺人』『図書館の殺人』『ノッキンオン・ロックドドア』など。

「2018年 『ネメシス　♯40』 で使われていた紹介文から引用しています。」