水族館の殺人

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027216

作品紹介・あらすじ

夏休み、新聞部の向坂香織は、取材で訪れた丸美水族館で殺人事件に巻き込まれる。観客の目の前で堂々と行われた事件に警察はお手上げ。仕方なく警察はあの天才を呼びだすことに。

感想・レビュー・書評

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  • アニメオタクの裏染天馬シリーズ第二作目

    風ヶ丘高校の新聞部が横浜丸美水族館で取材中に殺人現場に遭遇!
    な、なんとサメが飼育員を襲ってる…!
    駆けつけた警察が関係者に事情聴取していくと、すべての容疑者に強固なアリバイが…。
    仕方なく解決に向けて、またあの男を呼び出すのだった…!

    アニメオタクで駄目人間、
    高校生で探偵⁉wとして…
    裏染天馬君が、このショッキングな事件に
    挑んで見事に解決するミステリー。

    アリバイ崩しについてや
    物的証拠をもとに
    トリックを地道に検証推理して
    見事に解決していって…と、
    今作でも頼もしかったですね〜!

    ただ難しい事件で…謎を解いていく過程が
    なんとも長期戦でした…。
    天馬くんの解決に向けてどうなっていくかが
    気になり途中からスピードあげて頁を捲っていって、なんとか、ついていった感じでした…(笑)

    1作目の「体育館の殺人」の方が
    私は楽しく読めたかな…^^;

    前作同様、書きぶりがホップで、高校生同士の掛け合いなどが随所にあって
    ショッキングな事件や
    淡々と進む推理の部分を
    和らげている感じになってる…

    それから書き出し部分やラストの感じや、
    章と章のつなぐところなど
    次の展開にこれから進む前、の文章が…
    好みな感じだった…。

    あと天馬くんのキャラがやっぱり良いな…
    推理披露の解決シーンになって
    きちんと正装(制服)してくるところ…が
    なんとも、良き。
    きっと自分なりに、普段よりちゃんと襟を正しているんだな…と思えて、ちょっとした
    行動なんだけれど、人柄が伺えてクスッとできる…

    殺害動機に関しては
    犯人の異常性を感じて
    やりきれない気分になってしまったけれど…。

    でも最後に目次をみて、ちょっと嬉しくなった…!
    第一章のタイトル
    「夏と丸美と私と死体」

    私の好きな乙一ミステリーに似てる〰️!!

    きっと、青崎有吾さん
    乙一さんのデビュー作
    リスペクトしてそうだ……!

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      おお、土瓶さ〜ん、ヽ(=´▽`=)ノ☆

      ねっ、ですよね、ですよね〰️!!(✪▽✪)♪
      おお、土瓶さ〜ん、ヽ(=´▽`=)ノ☆

      ねっ、ですよね、ですよね〰️!!(✪▽✪)♪
      2024/03/14
    • mihiroさん
      チーニャさ〜ん(^-^)v
      わ〜!青崎さんどんどん読まれてる〜♡
      こちらはちょっとラノベっぽい感じですね!

      章のタイトル、まんまですねΣ(...
      チーニャさ〜ん(^-^)v
      わ〜!青崎さんどんどん読まれてる〜♡
      こちらはちょっとラノベっぽい感じですね!

      章のタイトル、まんまですねΣ(。>艸<。)
      もうこれは完全にネタですね〜笑
      青崎さん、乙一さんに影響受けられたのかな〜!
      そう思うとなんだか嬉しいですね\♡︎/←何者?笑
      2024/03/15
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      mihiroさ〜ん、こんばんは♪
      このシリーズ4作あって、4作目だけ私は
      ずいぶん前に読んじゃってるんですよね…^^;
      シリーズものって関連...
      mihiroさ〜ん、こんばんは♪
      このシリーズ4作あって、4作目だけ私は
      ずいぶん前に読んじゃってるんですよね…^^;
      シリーズものって関連してる部分を
      楽しむために、できたら続けて読むのがいいので残りを今、続けて…といった感じです…♪

      あと緋天学園って、このシリーズにも(地雷グリコにも)さり気な〜く、ちょっと出てきてたりしてました…w
      アニメ、漫画ネタは、詳しい人にはもっと面白いんだろうなぁ…という作品でしたね。
      でも…乙一ファンを喜ばせる小ネタまで
      仕込んであったとは…ね (*^^)v (笑)




      2024/03/16
  • 本書は『裏染天馬』シリーズ第二弾にあたり、前作の「体育館の殺人」から、約一ヶ月後の夏休み中に起きた事件を扱っており、初めて彼の事を知った、『放課後探偵団2』収録の「あるいは紙の」が、ちょうど本作の後の設定だったので、ようやく時間軸が繫がって、なるほどね~といった、嬉しい心境であります。

    ちなみに、「あるいは紙の」は、向坂や倉っちファンには必読の内容となっておりますので、興味のある方は是非。

    そして、「水族館の殺人」ですが・・・元々、高校生を中心とした、若さ漲るノリの良さが特徴のシリーズだけに、既にふざけてる感のある、最初の登場人物紹介で躓く方もいらっしゃるかもしれませんが、私は、割と青崎さんのノリが合うというか、嫌いじゃなくて、何というか、ライトまでは行かないライトな感じの心地好さというのかな。高校生って馬鹿だなって思うけど、だからこそ、心に留まるものもあるよねといった、その時だけのキラキラした感じに惹き付けられるんですよね。

    例えば本書ですと、天馬にとって、心の右腕的存在になったようにも思える、「袴田柚乃」の、卓球部の交流試合に於ける、前作ではあまり見られなかった、彼女の中で譲れないものの中に垣間見られる、その人間性を知ることで、彼女の天馬に対する接し方や、彼女の憧れる卓球部の部長、「佐川奈緒」との共通点に納得出来るものがあって、そこに青春の持つ、後先を考えないけれど自分は持っていたい、そんな真っ直ぐな思いを、時に羨ましい気持ちで眺めている私がいる事を実感出来るのは、このシリーズが推理ものだけでは無くて、青春の素晴らしさも同時に描いているからだと思っており、私は、そんな青崎さんの高校生グラフィティに、年の差を感じない共感めいた雰囲気があるのが、とても好きなんです。まあ、このシリーズだけではありませんけどね。

    それから、肝心の事件についてですが、このシリーズの特徴である、被害者の衝撃的な見せ方に反して、事件を解き明かしていく過程は、とても渋く地味である点にも、私は惹かれており、前作は割とツッコミ所の多かった論理的展開も、今作は練り上げた印象があり、華やかな水族館を舞台にしながらも、基本的な謎は、現場のこと細かい疑問点と、数少ない証拠品の推敲だけで勝負している潔さに加えて、一見、関係なさそうな、卓球部の交流試合でのやり取り等に巧みに含まれた伏線も効果的で、それらの地味でありながらも、確実に容疑者を一人ずつ減らしていく天馬の論理的思考には、読んでいて、ワクワクするものがあり、しかも前作とは違い、天馬自身、何度も悩み苦しみながらの結果である点に、物語としての面白さも感じられたのが良かったと思います。

    更に今作では、天馬のパーソナルな内容が少しずつ明らかになっている点に、今後のシリーズのポイントがあると思い、妹の「鏡華」の、まともそうで、ぶっ飛んでいそうなキャラクターも印象的だが、やはり、天馬の普段見られる、アニメ以外への無関心で無気力な生活ぶりとは真逆な、エンディングでの別の素顔が前作でも気になっており、確かコメント欄で、敢えてヒール役を被るスタンスであるとか、彼ならではの正義感と優しさがあるような書き方をしたと思うのですが、今作を読んだ事で、それはまた違う印象へと変わり、そこには、これまでの彼自身の人生に於ける、どうしようもない葛藤や壁のようなものがあって、その真実性を確認するための行動だったのではないかと感じ、推理ものと青春ものとは別に、彼自身の物語にも注目していきたい、私にとって、今後も読み続けていきたいシリーズです。

    • たださん
      111108さん、おはようございます。
      コメントありがとうございます(^^)

      論理的展開も読み所ですけど、天馬だけではない、高校生達の織り...
      111108さん、おはようございます。
      コメントありがとうございます(^^)

      論理的展開も読み所ですけど、天馬だけではない、高校生達の織り成す、ごくありふれた楽しいやり取りに感じさせられる仲の良い、わちゃわちゃ感、私も好きです。
      それから、天馬と向坂とはまた違った、天馬と柚乃の今後も気になりますね(*^_^*)
      2023/05/06
    • akikobbさん
      たださん、111108さん、こんにちは。
      水族館、未読(というか読み始めたものの並行読書し過ぎて、まだ水族館に向かっているあたりで止まってい...
      たださん、111108さん、こんにちは。
      水族館、未読(というか読み始めたものの並行読書し過ぎて、まだ水族館に向かっているあたりで止まっている)なのですが、読むのが楽しみになる素敵なレビューですね。
      「年の差を感じさせない共感めいた雰囲気」、という言葉もいいですね。読む時に、別にジャンルにこだわる必要はないのですが、あのライトな感じに対してつい「ティーン向けなのかな」「ライトノベルなのかな」というような考えが頭をよぎるのですが(だったら読みたくないという意味ではないのですが、おや、ノリが違うぞとは思う)たださんのレビューを読んでからだと、その違いを超えてより共感できる自分になれるような気がしました。
      2023/05/06
    • たださん
      akikobbさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます(^^)

      「水族館」、読み始めたところなのですね。是非とも楽しんで下さい。前...
      akikobbさん、こんにちは。
      コメントありがとうございます(^^)

      「水族館」、読み始めたところなのですね。是非とも楽しんで下さい。前作以上に、会話のやり取りも面白いですし、共感めいた雰囲気については、私の場合、部活の存在もあるのかもしれなくて、柚乃の卓球部って、何か絶妙な感じを、今回受けました。前作はそうでも無かったのですがね。
      ただ、天馬達のユーモラスなやり取りには、賑やかで今風な言葉も出て来ますが、決して不快とは感じないのが、いいのかもしれませんね。

      嬉しい事を仰って下さり、ありがとうございます。
      akikobbさんのレビューも、是非、楽しみにしてますね(*^_^*)
      2023/05/06
  • 「体育館の殺人」で活躍した裏染天馬が、今作でもやってくれました!風ヶ丘高校新聞部の3人が丸美水族館を取材のため訪れた…館内を館長に案内してもらっている時、飼育員の男性がサメの水槽に落ち、サメに襲われ命を落とすが、そこには殺人の形跡が残されていて…。袴田刑事から妹の袴田柚乃を通して、裏染天馬に今回も事件協力の要請が入る…。
    読み終えてみて、やっぱりこの裏染くんのキャラ、いいなぁ~って感じました(^^)。バケツやモップから導かれる真相を解明する場面と、部室でアニメキャラに囲まれながら熱中症になりかけた裏染くんのギャップが何とも言えません!事件の真相が解明されたあと、動機に関してエピローグで触れられていますが、もうちょっと突っ込んだ動機を求めてしまった自分がいます。とは言え、次回作を読むのが楽しみです。

  • 飼育員がサメの水槽で転落事故。容疑者11人,捜査は難航。天馬は刑事の妹ユノと共にアリバイを崩し,容疑者を絞込む。犯行動機が水族館ならでは,意表を突かれた。

  • 2021/09/24読了
    #青崎有吾作品

    裏染天馬シリーズ第2弾。
    水族館で起こった殺人事件。
    11人の容疑者から犯人を絞り込む。
    テンポが良く楽しく読めるミステリ。
    これでシリーズ読破したが、
    他の作品も読んでみたい。

  • 水族館好きなのでタイトル借りしたら、シリーズ2作目でした。
    でも、気にせず読むことに(笑)

    まずは一言。

    ラノベちっくなキャラと文体に騙されちゃいけません!

    そんなこと書かなくても一冊目から読んでる人は知ってるよー、と思っても書かずにはいられない。がっつりロジカルな本格ミステリ。

    水族館で起こった殺人事件。遺体はレモンザメの水槽に落ち、無残な姿に……という少々ショッキングな事件を、ちょっと変わった高校生探偵・裏染天馬が(嫌々)(エアコンのために)解決に乗り出す。容疑者の数、なんと最大で11人(!)。

    証言や現場の状況だけで組み立てられていく推論も鮮やかだし、容疑者が絞られ→ひっくり返り→振り出しに戻る、の、お約束のあとの仮説をひとつひとつ潰していく手法も、好感度大。検証の場面は(方法はともあれ)とても丁寧。
    キィアイテムは何度も示唆されるけれど謎解きに結び付けることはできず、頭を捻りつつ読むのが楽しい。
    そして、待ってましたの関係者全員を集めての謎解き!とくれば、ワクワクせずにはいられない。
    ただ、犯人の動機がイマイチ納得できなくて、犯さないでいい殺人だった気持ちが拭えない。(犯していい殺人もないのだけれど)

    天馬と、彼を事件解決に引っ張り出す柚乃(ゆの)、幼馴染の新聞部部長たちとの会話も軽く楽しい。アニメネタやオタクネタも許容範囲。なにより、がっつりロジックパズル。
    このシリーズは追いかけます。

  • なんだろ…本格ミステリってもしかしたら好きじゃないんだっけ?なんか凄えダレたんだけど…
    もうなんか途中からトリックとかもう良いって…ってなったのは単純に自分のせいなのかも知れない…動機もなんかわかったようなわからんような…

  • シリーズ2作目。前作より読みやすい感じだった。登場人物に慣れたからか?鮫の水槽の上で殺して、鮫に死体を食べさせる?という衝撃的な殺人の仕方。お客さんの子供とかトラウマになっちゃうだろ。犯人が長年水族館に勤めてたくせに、こんな殺し方しちゃうのに納得いかない。つーか、まぁ鮫のため、というのは最後に明かされるけど、そもそもの表向きの動機というかに一切触れられないのが納得いかない。この人、なんで殺されたのよ。それが表明されないって、いくら何でもかわいそうでしょ。やっぱこの作家さん、合わないかもしれない。このシリーズの表紙、かわいいよな。

  • 楽しいね。やっぱり青崎有吾作品すきだわ。
    前作読後時間が空いちゃったけど、読みやすさは間違いない。適度な軽さがいい感じで、理解スピードより読むスピードが勝ってしまう時があるのが困ったところ(笑)

  • 軽いノリで読めそうな雰囲気にして実はけっこうがっつりしたミステリ!
    シリーズ第二弾の水族館。
    いやこれ明かされる犯人の行動よりもその動機が一番驚く・・・。表の動機もどうかと思うけど。どっちにしても怖い。
    むしろ殺人水族館として閉鎖の可能性のが高くない?
    殺人と確定してて職員の誰かが犯人なのも確定してる状態で水族館再開した方が奇跡的なのに。
    でもこの最後に天馬がもう一歩踏み込むシーンが前回も好きだったのでそこは嬉しい。
    続きが楽しみなシリーズです。

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著者プロフィール

★小説家/推理作家。“平成のエラリー・クイーン”の異名をとる、本格ミステリ界の若きエース! 代表作に『体育館の殺人』『図書館の殺人』『ノッキンオン・ロックドドア』など。

「2018年 『ネメシス ♯40』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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