死者を起こせ (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ウ 12-1)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488236021

作品紹介・あらすじ

愛称マルコ、マタイ、ルカの、それぞれ専門の異なる若く個性的な歴史学者と元刑事が、ともに暮らすパリのボロ館。その隣家に住む引退したオペラ歌手の婦人が怯えていた。ある朝突然、見知らぬ木が庭に植えられていたというのだ。ボロ館の四人がその木の下を掘るが何も出ない。そして婦人は失踪した。いったい何が起こったのか?気鋭の女流が贈る仏ミステリ批評家賞、ル・マン市ミステリ大賞受賞の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 三聖人のキャラクターが好きだった。シリーズ全部読もうと思う。

  • 『ネプチューンの影』で好きになったフレッド・ヴァルカスだが、こっちは別のシリーズ。古代、中世、第一次大戦のそれぞれ研究者の3人と元刑事が同居生活を送りながら、お隣で起きた不思議な事件を発端に起きる失踪事件や殺人を調査する。3人プラス1人のキャラが皆際立っていて楽しいし、アマチュア3人の発想とプロの推理がうまく噛み合っている。犯人が10年も被害者を恨み、周到に手の込んだ犯行を準備するには、恨みのきっかけが軽すぎる気もするけど、そんなもんなのかな。

  • 三聖人の活躍!というよりも書いてる作者が活躍。金のない学者が共同でボロ館を借りてる。叔父さんも。叔父さんの語る甥の幼少時代の暴露話がいい。
    事件はご近所で起きる。発端は拗らせた嫉妬。表の顔を死守しつつ、敵に対しては味方を装い接する。敵が偶然にも自分の尊厳を傷つけたのは事実だが、勿論故意であるはずもなく、天災のような物だったとやり過ごせなかった。嫉妬にとりつかれてはいけないな。他人だから言えるんだけどさ。しかし三聖人、たのしーい。もっと書いて欲しいが、無理矢理創作しても良いものはできないと作者は知っている。

  •  フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas)作、原題はDebout les morts (1995年)、藤田真利子訳。フランス・ミステリ批評家賞受賞。

     ソプラノ歌手の女性の家の庭に突然一本のブナの若木が植えられていたことから物語は始まる。ソプラノ歌手は失踪、ホテルで起きた殺人事件との関連は……。
     若い3人の学者と警察を引退した元刑事の推理が冴える。

     終盤はどんでん返しの連続、文句なく面白い。

  • コージーぽい。
    コージーというと女性が主人公でお茶でも飲んで、というイメージがあるが、本作の登場人物はほぼ男性。
    でもやっぱりコージーぽい。
    フランスだからね。
    ここを経てアダムスベルグシリーズへと発展するのね。

  • お気に入りの聖人はリュシアン。
    謎解きのロジックは意外と本格的でよかった。

  • 読み始めて感じたのが・・・、あ~失敗したかも(笑)、でした。まったく知らない翻訳モノを読む時、時々あるんですね~。
    私は特にフランスミステリでこういうことにぶつかることがあります。
    イギリスやアメリカのミステリには慣れているからかもしれません。
    お国違えばジョークや言い回しも違いますから。
    ボロ館をシェアして住んでいるかなり風変わりな若い歴史学者3人の個性がこれまた強烈です。
    学者ってこうなんだろうなぁ~なんてクスっと笑える場面がたくさん登場します。
    そういう意味ではユーモアミステリなの?と最初、思ってしまいます。おまけにお隣の家に見知らぬ木がいきなり植えられているなんてことから始まるし。
    もしかして中途放棄するかも、と思いましたが、読み進めていくうちに目が離せなくなりました。
    だんだんシリアスになりテンポもよくなっていくからなんです。
    それにそう厚くない本ですし(苦笑)。
    犯行を暴く科白がちょっと大げさなような気もしますけどね。
    これからもいろいろな国のミステリに挑戦していこうと思っています。
    中々、翻訳されないんですけどね~。

  • シリーズ物(らしい)1作目。フレンチミステリーはほぼ初めてでした。
    主役はたぶん歴史学者のマルクで、一応探偵役かな。
    同居する伯父さんが元刑事で、
    途中まで牽引役を担っているように見えるので確信がもてません。


    マルコ、マタイ、ルカは、
    窓辺に佇む3人を見て伯父さんが勝手につけたあだ名です。
    本名はマルク、マティアス、リュシアン。
    明るい窓を背景に黒い3つのシルエットの映像が目に浮かぶようでした。
    この3人、同世代で同じ歴史学者ながら、
    専門の時代が違うという相容れない溝がありましたが、
    貧乏ゆえにボロ館をシェアすることになります。
    ついでに書くと、それぞれに割り当てられた部屋は専門の時代順で、
    2階がマティアス(先史時代)、3階がマルク(中世)、
    4階がリュシアン(第一次大戦)で現代を生きる伯父さんが屋根裏。
    それでなんとか折り合いをつけたようです。ちょっと笑えました。
    元刑事の伯父さんも暗い過去があって一癖あり、
    ボロ館の愉快な仲間達が、
    それぞれの特性を活かして(?)事件を解決に導く、という話です。



    事件の発端も印象的でした。
    一夜の内に庭に現れたブナの木。誰が何故?
    マルコ達同様、先ず最初に疑うのは、
    「この木の下に何が埋まっているのか?」
    そこから、過去の事件や新たな登場人物が挿入されていきます。

    最後には・・・。
    それからようやくタイトルに納得。


    無口の裸族だったり反対におしゃべりだったり、
    3聖人はそれぞれエキセントリックで魅力的でしたが、
    私的には1つ難点が。
    主役のマルクがめちゃめちゃ怒りっぽい。
    すぐカッとなって会話を乱すので、感情移入して読むと疲れました。

  • 最初は現代より少し時代が遡った設定なのかと勝手に受け取っていた。主人公らの出で立ちやら建物の描写やらですっかり時代がかった印象を受けていた。肝になるのは三人の登場人物のキャラクターをいかに魅力的に書き分け、且つ書き込んでいくかというところだろう。第一作目ということもあり、今のところ大々的に成功しているとは言い難いが、それでも中々面白く描けているのではないか。二作目からは更にこなれているものと期待させるに充分だ。

    推理そのものは、及第点。大詰めになってからは、筋だてが中々に大胆に転がっていき読ませる。だが、如何せん全ての条件が読者に明らかにされているわけではないので(しかしアンフェアというほどではなく一応は提示されているか)本格ファンの方には物足りないだろう。数箇所、映像化してしまうとネタばれしてしまうかな?という所もあったかな。ミスリードしているわけではないのでセーフ。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    愛称マルコ、マタイ、ルカの、それぞれ専門の異なる若く個性的な歴史学者と元刑事が、ともに暮らすパリのボロ館。その隣家に住む引退したオペラ歌手の婦人が怯えていた。ある朝突然、見知らぬ木が庭に植えられていたというのだ。ボロ館の四人がその木の下を掘るが何も出ない。そして婦人は失踪した。いったい何が起こったのか?気鋭の女流が贈る仏ミステリ批評家賞、ル・マン市ミステリ大賞受賞の傑作。



    くどい。例えも表現もくどい。そこに何行も使うからなかなか話が進まない。とにかくつまらない。

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