薔薇の輪 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488262037

感想・レビュー・書評

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  • この作者の本を読んでいつも感じるのは、冷酷と紙一重なくらいにクールな独特なユーモアだ。緻密に犯行を組み立て、突発的なアクシデントも逆に利用しようとする犯人とチャッキー警部の騙しあいの攻防は読みごたえがある。犯人が冷酷なのは他のミステリでも慣れてるが、捜査する側のチャッキー警部の犯人たちの容赦ない扱いようはいくら何でもと思うし、子供が行方不明の事件なのに挑戦しがいのある面白い問題のようにしかとらえてない。まあそういった余計な人間的感情は一切無視してるから、あんなに鮮やかに解決できるのだろうし、ブラントのクールさは不快感を与えない。

  • イギリスの片田舎で起こった殺人事件。それに伴い姿を消した、障害を持った少女。一見殺人事件の謎を解くだけのミステリかと思いきや。なんだかもやもやと気持ちの悪い要素がいっぱい……読み心地はあっさりしていてさくさく読めますが。どの人もこの人もとにかく怪しくて、隠された何かがとても不気味な印象でした。
    肝心のトリックについてはいまいち仕組み(と地理)がよくわからなくって、あまり理解できなかったのが残念。しかしタイトル「薔薇の輪」に隠されていたのがまさかそういう真相だったとは。彼らのしたことは表面的には悪どいことのように思えてしまいますが。それだけとも言い切れないかなあ。「スウィートハート」という呼び名があまりにも悲しい。

  • アガサ・クリスティと並び称されたクリスチアナ・ブランドの、未訳だった長編が、発行されました。
    1977年の作品。
    探偵役は男性のチャッキー警部ですが、話の本筋は乙女ミステリとても呼びたいような内容。

    ロンドンの女優エステラ。
    美人で気立てもいいけど、演技はそれほどでもない。
    エステラの人気は、体が不自由なためウェールズの田舎で療養している可愛らしい娘とのやりとりを書いた新聞連載のエッセイに支えられていました。
    エステラが若く恵まれなかった頃に結婚した相手はなんとギャングで、長く服役中。
    この夫が、病気のため特赦で出所することになり、死ぬまえに娘に会いたいと言い出します。
    エステラを支えるマネージャーの女性や娘の世話係夫婦、新聞記者まで、大慌て。
    危険人物だが娘のこととなると感傷的な夫が期待するようなわけにはいかない‥
    そして、事件が起こり?
    閑静な田舎町に、マスコミも駆けつける大騒ぎに。

    芸能界の内幕のちょっとビターな面白さと、思いがけない出来事の連鎖で、はらはら読ませます。
    クリスチアナ・ブランドの作品って、ちゃんと出来ているんだけど~読み終わるとなぜか内容を思い出せないのがほとんど。
    何年か後に読み返すのに邪魔にならなくて良いけど。
    この作品はそんなに長くはないけど、わかりやすくて印象が強いですね。
    どこか切なくて、バッチリ覚えられて、忘れられない~珍しい作品になりそうです☆

  • 虚偽にはりめぐらされた世界に、現実に起きた事件のあれこれを思い出させられたり。ひどい話だが、母親として「愛がない…わけではない…」というところが余計に曲者。

  • 40年ほど前の作品ということで古くささは否めない.アガサクリスティの作品を読んでいるようだ.結末も何となく予想できたもので,ちょっと期待はずれかな.

  • 2015/08/19読了

  • なわやねん、これ。

  • クリスチアナ・ブランドの未訳だった長編。
    登場人物の設定やストーリーの展開は良かったが、結末がやや予想通り過ぎたので、もう一ひねり欲しかった。
    ただ、未訳長編が刊行されたのは有り難いので、他作品の復刊・初訳にも期待したい。

  • 構成はシンプル。
    化かし合いは面白い。

  • ロンドンの女優エステラ。その絶大な人気は、体が不自由でウェールズに住んでいるという娘との交流を綴った新聞の連載エッセイに支えられていた。エステラの未来は順風満帆に思われた。服役中の危険人物の夫が、病気のため特赦で出所し、死ぬまえに娘に会いたいと言い出すまでは……。勃発した怪事件に挑むのは、警部チャッキー。
    巨匠の技巧が冴える、本邦初訳の傑作ミステリ! 
    解説=福井健太

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著者プロフィール

Christianna Brand

「2007年 『ぶち猫 コックリル警部の事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

クリスチアナ・ブランドの作品

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