- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488265113
作品紹介・あらすじ
『カササギ殺人事件』から2年。クレタ島でホテルを経営する元編集者のわたしを、英国から裕福な夫妻が訪ねてくる。彼らが所有するホテルで8年前に起きた殺人事件の真相をある本で見つけた──そう連絡してきた直後に娘が失踪したというのだ。その本とは名探偵アティカス・ピュント・シリーズの『愚行の代償』。それは、かつてわたしが編集したミステリだった……。巨匠クリスティへの完璧なオマージュ作品×英国のホテルで起きた殺人事件! 『カササギ殺人事件』の続編にして、至高の犯人当てミステリ!
感想・レビュー・書評
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ミステリが読みたい!2022海外篇2位。
『カササギ殺人事件』から2年。クレタ島で暮らす元編集者のわたしを、英国から裕福な夫妻が訪ねてくる。彼らのホテルで8年前に起きた殺人事件の真相をある本で見つけたーそう連絡してきた直後に夫妻の娘が失踪したという。その本とは、わたしが編集した名探偵<アティカス・ピュント>シリーズの一冊だった…。
ー文庫うらすじより
『カササギ殺人事件』を読んでレビューも書いたけれど、どんなストーリーだったのかすっかり忘れてしまって読めるのかと思いましたが、上巻においては大丈夫そうです。
自白して捕まっている犯人は、真犯人ではないのではないかと思います。誰かをかばっているのではないかと思います。
怪しい人が3人出てきたけどあの人じゃないかと思っている人が一人。
巻末は、名探偵<アティカス・ピュント>シリーズのアラン・コンウェイ作の『愚行の代償』の前半部分が載っています。
以下、下巻に続く。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
超絶★5 面白いレベルを超越した推理小説! 現実と小説の狭間で見え隠れする犯人は? #ヨルガオ殺人事件
かつて小説の編集者をしていた主人公は、今は夫婦で小さなホテルの経営をしていた。ある日、老夫婦が娘が失踪してしまったと相談に来る。失踪してしまった彼女は、かつて主人公が編集として手を貸していたミステリーを読んだ後に消えてしまったというのだ。娘の失踪の原因調査と行方を追ってほしいと依頼されて…
はー… 感動しすぎて何も言えない。
これ読んで推理小説が好きにならない人なんて、いるんでしょうか。
まず言いたいのは、こんな小説を考えられる人が世の中にいるということです。
そりゃプロの作家ですから、面白いものを世の中に出すのが仕事なんでしょうけど、あまりにすごすぎて、読み終わった後は只々呆然と紅茶飲み込むことしかできませんでした。
例えば、コンサート会場で聴くジャズピアニストが奏でる力強くも美しい心に突き刺さる演奏。美術館で見る、とてつもなく大きなキャンバスに、魂の叫びを叩きつけるように描かれた絵画。
世界でたった一人しか生み出せない作品。
ヨルガオ殺人事件は、まさにそういった芸術作品と全く同じです。
これを読んでしまうと、僕もミステリー作家を目指してみようかな~、なんて軽い思いは完全に消え去ります。この作品を超えるものなんて書けないし、想像すら全くできません。
さて本作の感想です。上巻では作中作「愚行の代償」のレビュー。
もう作中作、単体だけで既に★5なんですけどね…
見事なストーリー、魅力ある登場人物、独特の犯罪が隠蔽された雰囲気、見え隠れする怪しい人間関係。いつもながら愛憎や奪い合いなど、みにくい争いの描き方がマジでうまいよ。
序盤中盤は謎めいた事件ながらも、少しずつ事実に近づいていく描写が面白く、まさに本格ミステリーを読んでいるというワクワクが止まりません。様々な推理を考えに考えて、ドキドキしながらページをめくり続けます。
そして終盤では、いったい誰が犯人か、登場人物にはどういった背景が隠されていたか、事件の真相が気持ちよく提示されます。
自分の推理は若干当たってはいましたが、全くロジカルには説明できませんでしたね。2つの事件はどちらも難しくはありましたが、納得感に満たされた本格ミステリーでした。素晴らしいっ
作品全体のレビューは下巻にて! -
やっと上巻読み終わったー。
ちょろい読者選手権ぶっちぎり優勝の自信しかない私なので、全員怪しく思える!
今の段階では…お姉さんが一番怪しいとみた!
結果は下巻で。 -
年末年始のお休みに一気に読みたくて。皆さんのレビューはうっすら見る程度に(ごめんなさい)できるだけ前情報をいれずに読み始める。ホーソーン&ホロヴィッツシリーズでないことに途中で気づく。『カササギ』同様作中作がいい感じ。
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さあアラン・コンウェイだ!
まあそうでしょうそうでしょう
前作『カササギ殺人事件』ではアスティカス・ピュントパートからスタートでしたからね
今回は現実(?)のパートからスタートだと思ってました
そして今回は上巻の後半からアラン・コンウェイ作『愚行の代償』が始まります
これ最初の1文を読んで旋律が走りました
別人じゃん!て
アンソニー・ホロヴィッツとアラン・コンウェイ文章の感じが全然違うんです
なんかアラン・コンウェイの方がカチっとしてるんですよね
(カチっとしてるって自分的には100点の表現なんですが伝わりますかね)
これ凄いことです
そして自分が読んでるのは邦訳版なわけですから訳者の山田蘭さんの力量も凄いってことですよね
『カササギ殺人事件』のときも感じましたが今作は更にレベルアップしてる気がします
完全に二人の作家がいます
いやもう下巻での二人の作家の競演がほんとに楽しみ!
いざ! -
犯人当てミステリの一冊。
前作、カササギの続編だと言うことが改めてわかるスタート。
元編集者のわたしことスーザンの元に持ち込まれたのは8年前のホテルでの殺人事件、それに関係する失踪事件。
その犯人当てと真相にスーザンと共に引き摺り込まれる安定の面白さ。
今回は途中、かなり後半で作中作「愚行の代償」が挟まれたため、今までを小休止されややこしい。
一体この作中作のどこにヒントがあるのか注意深く読もうと思いつつもピュントに魅せられスピードは加速状態。
前作のように心離さない上巻の終わり方じゃないのがむむ…だけどもちろん即、下巻へ。 -
「カササギ殺人事件」で、上下巻もので上巻を読み終えた段階での感想にはほぼ意味が無いと身に染みたので、上下巻読み終えたあと下巻の方に感想記入
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前作から2年後。クレタ島で色々問題を抱えながらパートナーとホテル経営の日々を送っていたスーザン。ある日英国のホテル経営者夫婦から8年前にホテルで起きた殺人事件と、数日前に起きた娘の失踪事件の調査を依頼される。娘は彼女が編集したアディカス・ピュントシリーズ3作目「愚行の代償」を読んだ直後に過去の事件の真犯人が判ったと仄めかし、その直後に失踪。8年前の事件解決後に作者アラン・コンウェイがホテルを訪れ、真犯人は別にいると言いつつ上梓したのが「愚行の代償」さて繋がりは?スーザンが8年前の事件について関係者に聞き取りをを始めた所どうも皆腹の底が黒そうで楽しい。途中で始まる「愚行の代償」も被害者の女優に恨みを持つ人物がどんどん登場と王道の流れで二度楽しいが上巻は状況の列挙で終わりという所か。アディカス登場でさて下巻。やはり引きが上手い。