体育館の殺人 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 301
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488443115

感想・レビュー・書評

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  • 平成のエラリー・クィーン⁉︎と評判のようですが、そのエラリーを読んだことが無く申し訳無い。
    進学校の密室の体育館で、放送部長の生徒が殺されていた!密室が大きいの。
    装丁は可愛いし、文体のテンポは良いし、登場人物は高校生、刑事は頼りなさそうだし、甘くみて読み始めたら、全く、推理できません。学校に住みつく天才オタク少年裏染君登場で、パズルをはめ込むように密室殺人を解決・解説してくれるのですが、最後まで解説聞いて、なんとなく理解しました。
    たぶん、推理小説ファンなら細かい設定を楽しめると思います。
    ちょっと、味変で、連城さんとか読みたくなった。

  • 「ちょ、これ・・めちゃくちゃおもしろいんですけど!」
    ・・・と、いう行きつけの書店のPOPが目に留まり、気になっていた本書。
    これを機に、青崎さんデビューしてみようかと、手を出してみました~。

    風ヶ丘高校の旧体育館で、放送部部長の刺殺死体が発見され、密室状態の体育館にいた唯一の人物として、女子卓球部部長の佐川さんに容疑がかかってしまいます。
    卓球部員・袴田柚乃は佐川さんを救う為、学校に住み着いている天才少年・裏染天馬に真相解明を依頼しますが・・。

    ラノベ級に読みやすいですが、ちゃんと本格ミステリしていて、謎解きを堪能できました。
    天馬の推理が鮮やかで、そのロジックがスパスパ決まっていくのが心地よいですね。
    展開としては、シンプルというか、特に第二第三の殺人が起こる訳でもなく、探偵や周辺の方が危険な目に合うこともなく、ひたすら“体育館の殺人”の謎解きに終始している感じです。
    あとは天馬のキャラにつきるのですが、まず巻頭の〈登場人物紹介〉ページでの扱いが・・、
    佐川奈緒・・・二年生。女子卓球部部長。
    袴田柚乃・・・一年生。女子卓球部部。
             ・
             ・
    (↑普通の方々はこのように記載されている中、我らが探偵は・・)

    裏染天馬・・・二年生。駄目人間。

    と、いう紹介のされ方で、これだけでもう彼の廃人ぶりが解ろうものです。
    そんなわけで、クセが強めな重度のアニメオタクの天馬。
    セリフの中にもアニメネタをポンポンぶっこんでくるのもご愛嬌といったところです。
    終盤で、犯人が判明した時にプロローグでのやりとりとの違和感を感じたのですが、エピローグで“真の黒幕”が暴かれていて、“なるほどねー・・”と、繋がりました。
    ただ、如何せん実行犯も黒幕も動機が弱すぎですよね。
    そんなことで、サクッと殺しちゃう?と、その辺モヤっとした次第です。
    とはいえ、テンポよくロジック構築を楽しめる内容で、天馬くんの謎解き自体はすごく好きなんですよね~。“日常の謎”系だったらよかったのかも?なんて、思った次第です。。
    (あ、事件性ないと、仙堂警部や袴田兄さんとの絡みがなくなっちゃうか・・)
    とりま、確かに面白かったので、他作品も読んでみようと思いました~。

    • 111108さん
      わーい、あやごぜさんも青崎さんデビューだ!
      というか、いろいろ読んでるあやごぜさんはもう読んでいたと思ってました。
      そう、サクッと殺人起きま...
      わーい、あやごぜさんも青崎さんデビューだ!
      というか、いろいろ読んでるあやごぜさんはもう読んでいたと思ってました。
      そう、サクッと殺人起きますよね。天馬くんのロジカルな推理と日常の謎的な雰囲気の明るさが、殺人という重さと妙なバランスですね。本当の高校だったらと考えると恐ろしく嫌な気持ちになりますが、パラレルワールドだと思って謎解きを楽しんでます♪
      2023/10/21
    • あやごぜさん
      111108さん。コメントありがとうございます♪

      はい☆彡遅ればせながら、青崎さんデビューさせて頂きました~(⑉>ᴗ<ノノ゙✩
      今後...
      111108さん。コメントありがとうございます♪

      はい☆彡遅ればせながら、青崎さんデビューさせて頂きました~(⑉>ᴗ<ノノ゙✩
      今後は他作品もバンバン読んでいきたいですな!
      まずは、天馬シリーズから攻めていきたいと目論んでおります(´艸`*)

      >パラレルワールドだと思って・・

      ですね~。特にロジック重視の本格ミステリでは、
      殺人は謎解きの“お題”みたいなもんですからね(語弊あったらスミマセン)。
      “そういう世界”と思って、謎解きを楽しめば良きですね(^^♪
      2023/10/22
  • 地雷グリコに魅せられて、他の作品も読みたくなりまずは鮎川哲也賞を受賞したというデビュー作に戻ってきた。

    特に変わったことのない第一章はただただ読み進めていたが、第二章に入る前の最後の一文で、きたきたきた!と中二心が疼いてしまった。裏染天馬。たまらん。

    作者は平成のエラリー・クイーンと呼ばれているそうで、トリックはとにかくロジカルなのだけれど、全体的にライトノベルのような読みやすさがあって、一気に読めた。
    見取図や読者への挑戦も好きだった。目次の前のページの"THE BLACK UMBRELLA MYSTERY"も好き。

    そして作者とは同世代なので、俺妹、生徒会役員共、禁書目録、とらドラ、化物語、IS…今となっては懐かしのアニメやライトノベルがサラッと会話やサブタイトルに出てくるのがオタクとしては楽しすぎた。針宮理恵子という登場人物の名前もにも既視感が(笑)

    今回の犯行動機については若干の物足りなさはあったが、登場人物たちの今後の絡みも気になるので、続編も読んでいきたい。

  • 第22回鮎川哲也賞受賞作
    青崎有吾さんのデビュー作
    裏染天馬シリーズの長編学園ミステリー

    放課後の高校の体育館で生徒が刺殺された。
    現場はステージに降ろされた幕の内側で、入り口には鍵がかかっていた。
    密室殺人に挑むのは、何故か百人一首研究会の部室に住む裏染天馬。
    天才的頭脳を持つアニメオタクが事件を推理していく。

    話の展開が早く、ライトな文章でどんどん読み進めた。

    現場に居合わせた、卓球部の柚乃の兄が刑事で、その上司と共に捜査するという設定。
    刑事なのにあまりにも大雑把で短絡的で、天馬の推理を引き立てるのに一役買っている。

    天馬の推理は論理的で、矛盾をひとつひとつ潰し、クリアに解決していく。
    ちょっと動機が弱い気もしたが‥。

    天馬が何故部室に住んでいるのかは謎のままだ。
    この後の作品で明かされるのだろうか。

  • 高校の体育館で発生する密室状態での殺人ミステリー。
    登場人物や背景設定がライトで、青っぽい恋愛要素もあり、殺人が起きているのに重厚感なく読み進められるお話し。

    全編通してラノベ調なので、自分の世代には厳しいかなぁと思いながら読み進めていましたが、なかなかどうして途中からは本格の様相を呈してくる。中終盤にかけてはクイーンばりの組み立てが見事で納得性が高く、読後感の満足度も十分。

    たまには軽くミステリーを楽しみたいよ、という人におすすめしたい良作。

    • shukawabestさん
      shukawabestです。
      教えてもらったこの作品、やっと読むことができました。僕にはちょうど良い感じでした。複雑だと理解できないことが多...
      shukawabestです。
      教えてもらったこの作品、やっと読むことができました。僕にはちょうど良い感じでした。複雑だと理解できないことが多々あるので。また、少し時間を空けて、この作品やシリーズ2作目を読もうと思います。面白い作品、ありがとうございます。
      2022/10/15
    • autumn522akiさん
      shukawabestさん、こんばんは♪

      読んでいただいたなんて嬉しい!ありがとうございます。
      このシリーズは、どんどん面白くなって...
      shukawabestさん、こんばんは♪

      読んでいただいたなんて嬉しい!ありがとうございます。
      このシリーズは、どんどん面白くなっていきますよ。
      読書を楽しみましょう~
      2022/10/16
  • 鮎川哲也賞受賞作。学校に住み着く重度のアニメオタクが、体育館で起こった密室殺人を解く、オーソドックスな学生ミステリ。アニメの元ネタが多く、なんとなく気恥ずかしさを感じるところもあるが、創元なんでなんとなく上品な本格に仕上がっている。平成のエラリー・クィーンというだけあって、トイレに置いてあった傘からロジカルに推理が始まる展開、ある種予定調和的な綺麗などんでん返しなど、読みやすさは抜群。ただ、キャラもプロットもそこそこなんで、物足りなくは感じた。
    大量のキムチを学食で食べる男の話がでてきたのだが、元ネタのクビシメロマンチストを読んだばかりだったので、ニヤッとできた。

  • 【なにを読むかで迷っているなら……次はこれだ.ᐟ.ᐟ】

    風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。外は激しい雨で、密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかるが……“平成のエラリー・クイーン”が、論理に磨きをかけて読者に挑戦!

    装丁が爽やかで可愛らしくて手に取った。
    高校生探偵と聞いて思い浮かべたのは工藤新一なのだが、本作の探偵は天才だけどアニメオタクで変わり者。
    証拠や証言から論理立てて事件を解決していく様は気持ちがいい。

    物語に登場するアイテムや証言を元に読者も一緒に推理を楽しめる挑戦状付きなのもいい。

    シリーズ作品のようなので、他も読もうと思う。
    手軽に本格ミステリーが楽しめる一冊だ。


    こんなひとにおすすめ.ᐟ.ᐟ
    ・本格ミステリーが好きなひと
    ・密室殺人がテーマのものが好きなひと
    ・エラリー・クイーンが好きなひと
    ・学園ものが好きなひと
    ・高校生探偵が活躍するものが好きなひと
    ・読者への挑戦状ものが好きなひと

    • Aの本棚さん
      わわわ .ᐟ.ᐟ
      そうなんですね .ᐟ.ᐟ
      素敵な情報ありがとうございます·͜· ︎︎ᕷ
      読書仲間がまわりにいないので嬉しいですなみ
      わわわ .ᐟ.ᐟ
      そうなんですね .ᐟ.ᐟ
      素敵な情報ありがとうございます·͜· ︎︎ᕷ
      読書仲間がまわりにいないので嬉しいですなみ
      2023/07/03
    • マメムさん
      Aの本棚さん、お返事ありがとうございます。
      アンデッドガール・マーダーファルスもコメディ要素が多いので、良かったら読んでみて下さいませ♪
      Aの本棚さん、お返事ありがとうございます。
      アンデッドガール・マーダーファルスもコメディ要素が多いので、良かったら読んでみて下さいませ♪
      2023/07/03
    • Aの本棚さん
      そうなんですね .ᐟ.ᐟ
      あらすじ読んでみたら面白かったので、さっそくリストに入れました·͜· ︎︎ᕷ
      素敵な情報ありがとうございます。
      そうなんですね .ᐟ.ᐟ
      あらすじ読んでみたら面白かったので、さっそくリストに入れました·͜· ︎︎ᕷ
      素敵な情報ありがとうございます。
      2023/07/03
  • 一言で表せばパロディミステリー
    天才的な高校生・裏染天馬の特異なキャラクターがパロディ性を高めているが、アリバイや動機・密室の謎など、絡み合った謎をほどいていくロジックが素晴らしかった。

    犯人の動機にちょっと違和感を覚えましたが、シリーズ化しているので続編も読みたいです

  • 学園ミステリー。
    天才肌のオタク自由人が、警察をも出し抜いて捜査し、事件を解決するところが爽快でした。
    シリーズ物なので、続編も読んでみたいです。

  • 気軽に読めるライトなミステリ。
    ほぼラノベだけど、さすがは平成のエラリークイーンと称されるだけあって、清々しい程に論理的な推理。
    ロジックを突き詰めていくのは苦手なので、ラノベとして楽しく読ませてもらったが、次回作からは真面目にメモ書いて解いてみたくなった。
    作者と年代が近いのだろうか、天馬くんが口にするオタク話の元ネタが結構わかってしまう。
    推理そっちのけで、アニメネタがわかったかどうかに満足しながら読んでいた。笑
    良くも悪くも刺激の強い綾辻行人の館シリーズとはまた違った「館シリーズ」ということで今後も楽しみにしたい。

著者プロフィール

★小説家/推理作家。“平成のエラリー・クイーン”の異名をとる、本格ミステリ界の若きエース! 代表作に『体育館の殺人』『図書館の殺人』『ノッキンオン・ロックドドア』など。

「2018年 『ネメシス ♯40』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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