夜の写本師 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
3.99
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本棚登録 : 1824
感想 : 171
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488525026

感想・レビュー・書評

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  • 装丁に惹かれて何作品か出てるけれどとりあえず一作目を。
    あまりあらすじを見てなかったので、想像していたような内容ではなかったけれど、楽しかった。とくに後半。 続編はどんなのだろう。

  • 装丁とタイトルが魅力的で、未知の世界へと誘われるその雰囲気がたまらなく好き。こういうコテコテのファンタジーを読むのが初めてで少しためらいもあったけれど、終盤はページをめくる手が止まらない。言葉選びがとても丁寧で、植物や原石をひとつひとつ調べながら読み進めていきたいくらい細かい。最初は少し読みづらく感じたけれど、慣れるとスラスラと読めてくる。
    〈夜の〉写本師という響きがなんとも蠱惑的で、ミステリアスで、物語の中に仕掛けられた魔法や明かされる運命がなんだかうまくマッチしていて、最後まで気分良く読めた気がする。

  • 転生して名前が変わるの覚えにくい
    みんな性格が悪い
    夜の写本師ってファンタジーぽくてわくわくする

  • 心の闇の部分をも請け負う魔道士たち。そうした者たちの中で繰り広げられる復讐劇。
    「月の書」「三人の魔女」
    幾千の年を超えても続く野望と呪い。

    海に飲み込まれるシーンなどは詩的な感じがした。イメージが広がる。
    激しい描写もあるにもかかわらず、それほどおどろおどろしくは感じなかった。
    陰陽の陰の方のファンタジー。

  • 2017年最初の一冊。王道のファンタジ。
    あらすじ(背表紙より)
    右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠。三つの品をもって生まれてきたカリュドウ。呪われた大魔道師アンジストに目の前で育ての親を殺されたことで、彼の人生は一変する。宿敵を滅ぼすべく、カリュドウは魔法ならざる魔法を操る“夜の写本師”の修業をつむが…。日本ファンタジーの歴史を塗り替え、読書界にセンセーションをまき起こした著者のデビュー作、待望の文庫化。

  • 世界観がよい、そして、過去との因習が、運命に縛られた人たちの話。
    暗い話だが、ラストはなかなか良かった。

  • 2016/12/25 購入。文庫化されたので読んでみようかなと思ったのだけど、創元推理文庫は字が小さいので迷ってた。このシリーズは既に6冊出てるので、どのくらい面白いのか分からないけど、まず1巻目からチャレンジしてみようという感じです。

  • 初めての乾石さん。
    書店でたまたま目について読んでみようかなと。
    今まで縁のなかったファンタジー、最後までちゃんと読めるか不安だったけど読了。
    まず、登場人物がとても多いのに似た様なカタカナの名前でなかなか覚えられなかった。。。
    単に私に原因があるんだけど。

    約千年に及ぶ魔導師とそれに対抗する者とのお話。
    段々と点が線になり、つながっていく面白さ。
    どんどん引き込まれます。
    文章も割と奇麗でこのファンタジーの世界観と良く合っている。
    シリーズ物なので続けて読んでみようかな。

  • ファンタジーではあるけれど、きらっきらの世界とは違う。人が持つ復讐や妬みなど暗闇に真っ向から向き合う物語である。

    とにかく読み切りたくて夢中でページをめくってしまっているので、じっくりじっくり読み返したい。

  • 美しくて残酷なファンタジーの世界を堪能できた。ちょっと展開が早いので、上下巻にして登場人物の心の流れをもっと読ませてほしかった。

  • 思ったよりも豪快な話だった気がする

  • 復讐の為に何度も生まれ変わる主人公が、あきらめずに見事遂げるまでの長い長いお話。勧善懲悪かなと思ったら、最後の最後で理由があって、考えさせられました。魔女は今どうしているのかとそっちに矛先を向けたい。
    弟子に最後なった生まれ変わりと、今度こそ幸せになってほしいと思うのですが、さすがに歳が離れすぎでしょうか。

  • 大満足の一冊! ただ 内容的には これだけのページ数では物足りない 雰囲気は ガースニクスの「古王国シリーズ」+ハリポタの「不死鳥の騎士団」以降 という感じかな  明るい部分は まったく無いと言ってもいいけれど とにかく 文体と表現力の緻密さストーリー 言葉の美しさがとても好みでした!  上質の大人のファタジー  

  • 最近面白いと思える国産ファンタジーが多くて嬉しい。しかもいろんか角度から来るから油断ならない。
    図書館の魔女と違ってバンバン魔法も魔道書も出るけど、完璧な理論と生い立ちに支えられた魔法はご都合主義にならず、質の悪い添加物にならない。
    復讐怨み妬みがベースだから決して爽快ではないけど、また一つ良いファンタジーに出会えたなと思う。

  • 一気読みにて読了。

    一つの描写からたくさんのイメージが湧き起こる。
    こんなにも面白い小説があったなんて。

  • 来し方の因果が広がり、及ぼした影響を拾って解消していく魔法の物語で復讐譚です。ただ復讐者が凪いだ環境に置かれる穏やかな物語でもあるので、安心して読めました。
    復讐譚と言いましたが、青春ものでもあります。主人公は成長します。復讐者が人間らしくあることのできる、周囲の人々のあたたかさが感じられます。この辺の人間ドラマには、癒されました。

    解説文からも熱いファンタジーへの思いが感じられる『夜の写本師』おすすめです。

  • 世界感、魔術師の在り様が独特、ちょっとダークなファンタジー。腑に落ちない箇所がチラホラ、一読で理解するのは難しいかも。

  • 最初は精緻な表紙に惹かれたジャケ買い。
    何処か懐かしさがあるけれど、こういうファンタジー世界好きだわ~。
    他の本も読んでみよう。

  • あまりファンタジーを読まないので「読み切れるかしら……」と心配していたのだが、とってもおもしろかった! 魔道師に立ち向かう“夜の写本師”が、なぜ魔道師ではいけないのかが明かされると、読者が共有するものが増え物語への理解も増す。また品があり無意味な描写が存在しないので、この膨大な英知を操る作者にも尊敬の念を抱かずにはいられない。月と闇と海、それらをファンタジーとして著した世界に一から百まで魅了された。“ギデスディンの魔法”は本好きのこころを刺激してやまないし、できることならそこに記された文章を読んでみたい。

  • おお、本格ファンタジー。
    右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠を持って生まれたカリュドウ。これらの石の意味に気づいた時は、ああ、そういうことか…と思いました。
    壮大な因縁の物語が描かれていたので、カリュドウの幼少期やアンジストの「理由」がもっとしっかり示されているとなお良かったかもなあと思う。

  • 日本文学ファンタジーで久々に面白い‼思えるものに出会えました
    世界観が事細かに設定されていてすっかり没頭して読ませていただきました

  • 表現が生々しくて、描写はとても細かくて綺麗だけど苦手な人は多いかも。

  • 自然と書物。
    それをいとおしむ心。
    感じる心。

    全体的に感じた印象を表すとこれかなあ。

    羊皮紙とかインクとか封蝋とか
    そういったひとつひとつ手間暇かけられているものに
    一種の美しさを感じるし

    自然の引き起こす情景や
    魔術と連動した自然の表現が
    なんともいえず素敵だった。

    ジュブナイルのように、読みやすくイメージしやすく、
    というよりも、言葉の持つ美しさや
    思いもよらない比喩や表現に豊かな気持ちにさせられた。

    読書をした、活字に触れたな、っていう満足感。
    すごく時間はかかったけど。

    カリュドウという過去を背負った少年の生まれ育ち、
    彼と彼の前世を伴った旅に寄り添い、
    最後に出てきた老いた彼の涙に、
    人間への愛を感じて私も涙ぐんだ。

    素敵な文章に触れられてよかったなあと思う作品でした。

  • 最初の数ページで一気に引き込まれたものの、100ページ越えないあたりで読むのに疲れてしまった。描写は重厚だし生活感も伝わってくるのだが、いかんせん本筋がわかりづらく物語に入り込めず。情報量の多さにかえって惑わされているような気がした。

  • 一行目:右手に月石
    壮大なファンタジー。
    いーんだけど、おもしろいんだけど、うーん。
    このレベルだと他にもおもしろいファンタジーたくさんあるしなあ…

  • 2015.9.15読了。

  • 魔法について細やかな描写でつづられていく。デビュー作とのことで、展開やキャラクターはきっとこれからという感じなので、続編に期待。

  • 悪の魔道士に対抗する夜の写本師という構図が斬新で面白いです。千年もの時を経ながら紡がれる話をこの1冊に納めてあるので、場面の切り替わりが早くものたりないと感じる描写の所もありますが、どんどん読めるので気にならない程度です。

  • Amazon日替わりだったので購入。期待していなかったが意外と面白い。これってラノベなのか?

  • ファンタジーは苦手だけど、表紙、紙質、文章の美しさに引っ張られて読み切れた。東京創元社は高いけど雰囲気が好きで買ってしまう。
    世界観は壮大なのだろうが、1冊の筋としては単純というか正統。後半は特に勢いがあった。もうちょっと人類普遍的じゃないドロドロがあってもよかったけどなあ。
    魔導師同士の戦いがカッコイイ!

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著者プロフィール

山形県生まれ。山形大学卒業。1999年、教育総研ファンタジー大賞を受賞。『夜の写本師』からはじまる〈オーリエラントの魔道師〉シリーズをはじめ、緻密かつスケールの大きい物語世界を生み出すハイ・ファンタジーの書き手として、読者から絶大な支持を集める。他の著書に「紐結びの魔道師」3部作(東京創元社)、『竜鏡の占人 リオランの鏡』(角川文庫)、『闇の虹水晶』(創元推理文庫)など。

「2019年 『炎のタペストリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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