夜の写本師 (創元推理文庫)

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  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488525026

感想・レビュー・書評

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  • 作中に出てくる皇帝2人が実在のローマ皇帝ティベリウスとカリギュラそのまま。本題でないところで動くキャラクターと政治劇を歴史事実から丸々取ってきているのが好きになれなかった。

  • 魔法と魔法使いが好きな子供のために、本棚にいれておこうかと思って買った本。

  • カタカナ名の沢山出てくる作品は、老化しつつある頭にはなかなか難解で、ついつい後回しにしていた。
    初めのうちは何度も登場人物一覧のページに戻ったけれど、それももどかしくなるほどにぐんぐん引き込まれ、ページから目が離せなくなった。
    幾つもの非現実的な場面は、美しく恐ろしく真に迫り展開され、闇も光も目の中に満ちていくかのよう。
    世界一強力な悪が、深い哀しみから芽吹いたとしても、赦したり放置したりするのではなく、千年の転生の中で背負ったさらに強い闇で根絶する容赦なさ。
    正義だけで出来上がったヒーローではないのが、人物像に広大な奥行きを作っている。

    こう列挙しても書き切れないな。
    すぐにでも再読したい作品。

  • 自然環境や、町の様子、魔法などの描写がとても緻密で繊細。ファンタジー世界に浸りたい人には本当におすすめです。
    同じ世界観でシリーズが続いているので、いつか本作主人公のカリュドウが再登場することを願っています。

  • たぶん、ネットで見かけて。

    酔った。酔わされた。
    昔から車酔いにも酒酔いにも弱かったが、
    この本の陶酔感と浮遊感はなんだろうか。

    踏みしめている大地が、いや世界が揺り動かされたからなのか、
    飛び散る血しぶきの匂いにむせたからのか、
    入れ子になっている生と死を、駆け抜ける速さに振り回されたからなのか。

    「魔法」やファンタジーに対する考え方だけでなく、
    人生観といっても大げさではない観念を大きく揺さぶられたから、
    ということなのかもしれない。
    いや、もっと感情的な、驚嘆と畏怖の混じり合った何か。
    あまりの衝撃に言葉にならない。

    かつて子供の頃、「指輪物語」をはじめて読んだ時は、
    その世界観に圧倒されながらも、それは受け入れるものだった。
    時を経て、幾多の物語を読みながらも、
    これほどに酔うことができて、しびれるほど幸せだ。

  • 良作。写本師という珍しい題材だが、描写にはリアリティと説得力がある(魔法のメカニズムとかをもっと詳しく知りたかったなとは思うけど)。途中でいきなり過去の話が始まったときは面食らったが、読み終えるとそういうことだったのかと納得した。救いのある終わり方が良い。

  • 図書館の魔女よりはとっつきやすかった。が、魔法そのものにそこまでひかれなかったので続刊は読まないかな、、。描写が容赦ないのはよい。

  • 読み始めから「これは面白いに違いない!」と思わせてくれて最後まで期待を裏切らずに楽しく読ませてもらいました。王道なファンタジーです。

  • すごく縦にも横にも広がりのある大作なのに、一冊にまとまっている奇跡的なファンタジー。情景描写も心理描写も贅沢に彩りがなされ、言葉の力を端々に感じるのに白々しくならないのは細部まで世界構築がなされているからだろう。魔法が出てくるのにこんなに引き込まれるとは。めっちゃ面白かったし時間の使い方として小説一冊以上の価値があるオススメファンタジー。

  • 読み始めたのは昨年末だった。思いのほか読了に時間がかかってしまった。
    帯にあったように「没頭した」か、「満足」したのか、といえば私の場合は…没頭はできなかった。満足度はまぁ70点くらい、かな?

    ファンタジーとして世界設定はつくりこまれている。日の当たる明るい地上も、暗くよどむ闇もよく描ききっていると思う。光も闇も息づくさまが文章をとおして伝わってくる。物語の重要な骨肉を成す「魔法」というものについては殊に精密に設定され、じっくりと表現されている。
    ファンタジーとしては上質なものだ、そこに異存はない。

    登場する人物もよく設定され、それぞれの背景に説得力がある。
    ただ、「世界」の描写と較べて「人物」の描写はいまいち迫力に欠ける。
    世界はあれほど生々しく迫ってくるというのに、人物にはそれがない。背景も立ち位置もよく練られた設定だとは思うが、それ以上ではない。敢えて断言すれば「符号」となってしまっている。世界を描く物語の流れを整えるための駒のようだ。

    「ファンタジー」としてなら上質で骨太。しかしながら「小説」としては物足りない。世界に落ちる雫が生む波紋はどこまでも繊細に描くにもかかわらず、登場人物の心のひだは説明されるばかりでこちらを飲み込んではこない。そんな気がした。

    シリーズとしてつづいているようなので、第一巻特有の導入部ゆえの説明過多かもしれない。評価は続刊を読んでからくだしても遅くはない。ということで次の巻も読む予定である。

  • ジャケットを見たときから気になっていながら、ファンタジーを読む気分でなく数年放置していた乾石さんのオーリエラントシリーズ。繊細なジャケットが改めて素晴らしい。
    「魔法使いの嫁」を見始めてすぐ原作を読み、そこからたぶん20年ぶりくらいにファンタジー熱が起きて本書を手に取った。地中海世界を思わせる舞台設定で、まほよめのようなケルティックな妖精世界ではなく、アラビアンナイト的な魔法世界を描く。
    丁寧な世界設定の中で闇に乱れる人の心の動きを描き、読み手を離さない中毒性の高さはぴかいち。そして今このタイミングで読み始める私には、遅く手に取ったが故にシリーズがそろっている嬉しさよ。一冊読み終えると、その先の同世界の物語がまだまだ待っている安心感!
    ファンタジーは言葉の重さ、軽さ、世界観、人間に対する考え方等、肌に合うかどうかが非常に難しいジャンルで、特に、心のダークサイドについての価値観が合わないと読むのが辛いのだけど、乾石さんはその辺の受け止め方が二元論的でなくてとても素敵。しばらくどっぷりはまっている見込みです。

  • 唐突な事象やご都合主義な展開にちょっとついていけない。
    ほっとするシーンがない。
    人物が浅い。キャラがつかめない。
    娯楽として、読んでいて単純に楽しいと感じるところがあまりない。
    それぞれの魔法の特徴がわかりずらい。もっと丁寧に設定し、書いてもいいのでは。魔導師の話なんだから。
    とりあえず戦闘は派手でエグい。
    でも、ヨーロッパの古典ファンタジーのような雰囲気は出ていたように思う。

  • ファンタジーとして発想は凄く良い。しかし世界観は凡庸で雑、説明不足。描写は丁寧な時もあるが、感覚的な言葉の羅列に終始して読み手に伝わらない。好きな人は好きなんだろうけど、客観的に読み難い。良く言えば詩的。小説というより漫画の原作のよう。総評としては、イマイチ。

  • ストーリーは面白いのですが、ゆとりや余裕にかけていて、ちょっと硬い印象。
    起こった出来事を矢継ぎ早に記して先に進んでいくので、物語に入り込むまでが取っ付きにくい感じ。
    写本師や魔術師のあれこれをもう少し知りたかったな。
    綺麗に纏まっているだけにちょっと残念。

  • 硬派で格調高い大人向けのハイ・ファンタジー。
    千年にわたる生まれ変わりと復讐の物語を、最低限度の濃密な描写で一冊におさめているので、だらだらと日をまたいで読むよりは一気読みがおすすめ。
    文体が格調高すぎてたまに読みづらい感じがあるけど(「全けき」とか)、それで退屈になったり内容がダレることもなく、展開についていけなくなることもなく(登場人物の名前は何度か確認しましたが)、描写が説明的でうるさく感じることもなく、魔法の系統や各国の雰囲気の違いもすんなり頭に入ってくる。構成・設定がしっかりしていて、かつ抑制がきいているからだと思う。

    写本師という設定が絶妙で、この世界観をもっと楽しみたいと思える一冊だった。

  • スタートは気分が乗らなくて、途中から急に読む気が起きた。
    ファンタジーは好きなのだけど、ドラゴンとか出てくる方が好きなので地味な印象は受けた。
    しかしながら、写本師という職業にとても魅力を感じた。なので、写本師たちの仕事ぶりが描かれているところをもっと読みたいな、と思った。
    スピンオフで写本師たちだけの物語も読みたい。
    隠し文字を入れたり、写本師によって印が違うところもときめきポイントが高かった!

  • ファンタジーはほとんど読まないので、世界観に入っていくのが難しいかと思っていたけど、文体(というか『語られ方』)そのものが自分の好みに合わなかった。
    技巧や装飾の多い文章が続き、物語を展開するための出来事だけ描写しているので、淡々とした印象。
    正直、読みづらく分かりづらかった。
    作中で主人公の大切な人が死んでも、仲が深まっていく過程が描かれないし、性格も価値観も伝わってこないのでストーリーのために殺されたように感じてしまう。

    読者が安易に世界に入り込んで浸れるような「甘さ」を作者が意図的に排除したのかもしれない。
    けれど、自分にはこういった世界観を楽しむファンタジーを味わうのは難しかった。登場人物に手を引いてもらえないとその世界に入り込めない。

    ……解説に「魔法が真に浸潤する世界は、そのような文体によってのみつづられねばならない」と書かれていた。
    つまり、すき間無く均一に、タペストリーのように織られた文体でなければ真のファンタジーではない、と。厳しい。

    私は、美しく均一に編まれたタペストリーに目を凝らして魔法を読み解くよりも、緩急やメリハリのきいた、登場人物たちに魅力を感じるお話を読みたい。
    でもこの美しいタペストリーが、欲しいと望む人に届けばいいな、とも思う。

  • 右手に月石、左手に黒曜石、口の中に真珠。三つの品をもって生まれてきたカリュドウ。呪われた大魔導師アンジストに目の前で育ての親を殺されたことで、彼の人生は一変する。
    宿敵を滅ぼすべく、カリュドウは魔法ならざる魔法を操る〈夜の写本師〉の修行をつむが…。

    帯のあおりと評判で手に取ってみたけど、これは確かに面白かった。
    宝石が好きなせいもあって、ちょこちょこ石の名前が出てくるのも嬉しい。ファンタジーとしてもとても読みやすくて、魔法に様々な種類や技法が出てくる。ややこしそうでいて、割とすんなり理解できるところが凄い。これでデビュー作というのは驚かされた。
    世界観が結構しっかりしていて、カリュドウの幼少期からの成長を描きつつ、過去の世界での因縁が紐解かれていく感じも良かった。どんどん謎が解き明かされていくので止まらなくなる。
    個人的にはケルシュが満を持していた割にはあんまり活躍なかったのが残念。千年の悲願なわけだし、もう少し出番在れば良かったのに。ほとんど終わってから来たときには遅いよ!と思ってしまった。
    終わり方もすごくすっきりしていて、後読感が良いのが嬉しい。

  • 世界観というか文体というか、作者が力を入れて描いている部分がなかなか好みで、楽しく読めた。
    復讐の話であるにも関わらず、抑制のきいた文体とテンポの早さで読みやすい。
    展開の早さ、詰め込まれ感が人によっては物足りないかもしれないけれど。
    それでもよくまとまっていて、個人的には不足感を覚えなかった。余白は自分の中で補完すれば済むだけのこと。
    感情よりも単語や事象を楽しむファンタジーかも。

  • *単行本からの転載*

    壮大なファンタジーです。
    本それ自体が魔力を持つという設定が素敵。

    カリュドウが闇に染まるまではどうなんだろうと思っていましたが、その後からは徐々に惹き込まれていきました。
    ひとときも気をそらさない。
    復讐以外に道はないのかと問うブリュエ、飄々としながらも喪失感と無力感に苛まれるキアルス、そしてシルヴァインは少しずつ力を奪われながらもカリュドウの代で新しい道筋を見出す。
    物語に漂うのは千年のあいだ連綿と続く復讐と無常感ですが、それだけではなく、希望に続くラストがいい。

    読み終わったあとにもう一度読み返せば、そういうことなのかと深く物語を味わえて、すっかり魅了されました。

  • 個人的に魔法や呪術の話はあまり得意ではないので、そんなに入り込めなかった。
    にも関わらず、文章から頭の中にとても鮮やかな映像が巡っていき、ファンタジーの楽しさを味わえた。

  • びっくりしました。本を選ぶ時、出版元の腰巻とか宣伝文句は全く参考にしないので、実際に手に取るまで随分時間がかかってしまいましたが、他作品も読みたいと思う作家さんに出会えました。
    比喩と体言止めの多い文体は実は苦手で、世界に入るまではちょっと大変に感じました。具体的な描写なのだか、抽象的な叙述なのだか見分けがつきにくいのも、異国の文化のイメージは豊かなのに、細部はともかく広く俯瞰した光景が思い浮かばないのも、なかなか取っ付きにくさを感じました。まぁ、普段アホのように濃密描写の小説を好んでいるせいかもしれませんが。
    ぐぐっと心を引きつけられたのは、本の世界に投げ込まれた場面からです。何のことだか分からなかった三つの品物、三人の魔女、三つの時代、三つの人生が一つの物語に撚り合わされていく運命の妙が素晴らしくて、後は一気に読み切りました。
    静と動の、光と闇の、そして男と女の、単なる対立項にならない、とても流動的で生物的な結びつきを窺わせる世界を感じました。読める限り、読んでみたい。以前読んだ『夢の蛇』を思わせる感触の本でした。

  • 読みだして、まず思いだしたのはタニス・リーだった。それからル・グィンのゲド戦記だった。そして、あの巨星のようなダンゼニイを思いだした。
    これがデビュー作だなんて信じられないくらい、濃厚で、濃密な読書時間を味わった。とんでもない新人作家が出てきたものだ。これだから読書はやめられないんだ。

  • いわゆる、竜とか魔法とか剣とかの、王道的なファンタジーは苦手です。

    でもこれは、まずタイトルが美しいじゃないですか! タイトルに心奪われて読み始めて。

    このお話、好きだ・・・!と思い、時間を無理やり作り出して、それでも3日かけて読みました。おかげで遅刻しかかった(笑)

    特徴のある文章は美しいけれど、内容は結構ダークな復讐譚。苦手なはずのグロテスク表現も決して少なくはありません。

    本の厚さのわりに内容が濃いというか、このときに主人公カリュドウはこう思った、こう思うに至るまでに彼はこんな日々をこんなことを感じながらこんな行動をとった、などの人物の細かな描写はあまりないんですね。何(どんな思い)を理由に、何をして、何が起こったか、が淡々と語られる。

    そこに若干の物足りなさを感じながら読んで、エンドまでたどり着いて、やっと納得。これは、「口承の伝説」なんですね。神話などで「英雄だれそれはどんな人物で何をしたか」は重要だけど、個人の細かな心の動きなんかは必要じゃないのと同じ。この作品、カリュドウの物語でありながら、実は「この世界(この国)の物語」です。

    そして、「この世界の物語」でありながら、最後に訪れる客とのやりとりに、カリュドウという人物にやっと触れられたような安心感がありました。

    同じ世界を舞台に何作もあるようです。触れてみたいような、この物語ひとつをそっと大切にしまいこみたいような、なんとも複雑な読後感です。

  • 右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠。
    三つの品をもって生まれてきたカリュドゥ。
    キーナ村で魔道師のエイリャに育てられた彼の前に、呪われた大魔道師アンジストが現れる。
    目の前で育ての親を殺されたことで、彼の人生は一変する。
    国を逃れ、宿敵を滅ぼすべく、カリュドゥは魔法ならざる魔法を操る〈夜の写本師〉の修行をつむが…
    復讐を果たし、奪われたものを取りかえすことができるのか―

    久々にどっぷり浸かったファンタジーでした-

    ただの復讐譚でなく、千年前からの繰り返し、生まれ変わりの物語が波状に襲ってきて、私も溺れそうでした-

    寿命の長さが不思議。

    シルヴァインは純粋で騙されやすかったけど、ちゃんとアムサイストの本質をわかってたんだよね…
    最初に奪われたから、他人のもの、力を奪い続ける羽目になったのかと思うと悲しいね。
    だからって月の力を手に入れた瞬間に裏切るとかないわ-とも思うけど。

    海で戯れる描写が凄く好き。
    あと、写本師仲間と思いのほか仲良くなってたり、新しく奪われることなく与えられる関係になりそうで良かった-

  • 久しぶりに地盤の堅い、根の張ったファンタジーを読めました。魔法の解釈が古き良き伝統を引き継ぎながらも新しくて、興味深かったです。
    しかし、やや世界や魔法の説明が多すぎて、登場人物にあまり共感ができなかった気がしたのと、前半(正直言うととびらのあらすじ)で大筋が見えてしまったのが、個人的には残念。この手のファンタジー小説と比べるとページ数の足りなさと、内容の物足りなさを感じてしまいました。

    とはいえ、完読しなければ、得られないものもたくさんあるので、最後まで読むべき、良いストーリーです。

  • 多彩な人間模様が魅力。“生まれ変わり”のロマンとどんな人間にも闇と救いがある緻密なファンタジーの著者の世界は、日々の現実に縮こまった気持ちを一気に開放してくれる。
    対抗する度に敗北してしまう展開と見え隠れする複雑な女心にやきもきしたが、男同士の終盤の決戦は落ち着いて読めた。シルヴァインの真っ直ぐな愛に彼が救われて、あのラストになったと信じたい。

  • 単行本で出たとき、表紙絵の美しさに惚れた本。どこかで見た推薦文が私の好きな作家で(有川浩だったかな?)、欲しいなぁーと思っていた本だったから、ようやく文庫化されて嬉しい。

    日本のFT界の次世代、みたいな扱いだったから、どんな感じなんだろうと思ったけれど、ずいぶん煽ってあるだけあって面白かった。
    文体は固めで、荻原規子(空色勾玉、RDG)や上橋菜穂子(精霊の守人、獣の奏者)の様な読みやすさはなかったけれど、凝った作りだなーという印象。

    時空をバンバン越えていく書き方は、色んな物語を読んでるようで、お得感(笑)
    3人の魔女の話だけで3冊書けたんじゃないかな。4冊目を、このカリュドゥの話にして完結でもそれなりに面白くはなりそう。海外のFTは、そういうの多いと思うし。でも私としては、この1冊に纏めて、冗長にならないような書き方は好き。海外FTは無駄に長い話が多すぎる…。

    最後の、3つの力を取り戻していく描写はちょっとご都合主義で物足りなかったかなー。そこは少し残念。

  • 私の場合、ファンタジーものを読んで失敗した時のがっかり感は、他のジャンルの時よりもひどいような気がするので、迂闊に手を出せないのですが、この作品は、帯に書かれている「日本ファンタジーの歴史を変えたデビュー作」という文を信じて購入しました。

    恐る恐る読み始めたのですが、やはり、帯を信じて良かったです。
    しっかりと作りこまれた世界観に、どんどんと引き込まれて行きます。
    話が飛ぶ箇所も、きちんとフォローがされているので、置き去りにされる事もありません。
    全ての謎が明かされた後の、最後のオチが和やかで、良かったです。

    世界観も、それぞれのキャラも良かったので、続きが早く読みたいです。

  • 日本の作家ではあまり見かけない、ファンタジー小説。
    単行本が出たときからかなり話題になっていたが、それも納得。やや古風な文体も作風に合っている。

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著者プロフィール

山形県生まれ。山形大学卒業。1999年、教育総研ファンタジー大賞を受賞。『夜の写本師』からはじまる〈オーリエラントの魔道師〉シリーズをはじめ、緻密かつスケールの大きい物語世界を生み出すハイ・ファンタジーの書き手として、読者から絶大な支持を集める。他の著書に「紐結びの魔道師」3部作(東京創元社)、『竜鏡の占人 リオランの鏡』(角川文庫)、『闇の虹水晶』(創元推理文庫)など。

「2019年 『炎のタペストリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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