夜の写本師 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 1824
感想 : 171
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488525026

感想・レビュー・書評

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  • 何度も生まれ変わる主人公の復讐の物語です。
    残酷な描写は多めですが、文体が落ち着いていて世界観も静かな雰囲気なので、スラスラ読めます。
    最後には希望があり、ハッピーエンドだと感じました。

  • 女対男の構図。もっというと野心の男対取り戻したい女。どっちの闇も飲み下す話だった。
    繋がってるみたいなので自作に期待

  • この作者のような文章を書けるようになりたい…

  • 展開が激しくて惹き込まれた

  • 写本が魔法を凌ぐ力があるとな。転生もしまくりで読み応えバツグン。心の闇にせまる大人のファンタジー。

  • 魔法も面白いが写本という仕事に面白味を感じた。よく考えたら、昔はコピー機なんてないんだなと初めて思った。写本を魔法に繋げる発送に作者の本好きなところが出てるのかなと思った。

  • 東京創元推理文庫・その8

    コメントは「東京創元推理文庫・その1」でご覧下さい。

    2019/05/10 更新

  • ”魔法ならざる魔法”で魔道師に対抗するという設定が面白い作品.特にそれが本となれば本好きにはたまらない.世界観や壮大な設定は海外のファンタジー風だがもう少し繊細できめ細かい印象.子供向けかとも思っていたけれど戦いのシーンは迫力があるしそうでもない.無駄に間延びすることなく1冊で清々しく終わるのも良い.久々に好みのファンタジーで満足した.

    *2019.4 *2023.2

  • とても好きな世界観。
    呪術や写本の道具も魅力的。
    カリュドウが、最初から闇に染まっている、という設定もいい。
    残念なのは、カリュドウの人となりがいまいち掴めなかったこと…フィンとの思い出がひとつくらい出てきてもいいのでは?とか、仲間が最後に、お前ひとりで背負うな!って協力するんだけど、いつのまにそんな関係築けてたの?とか。
    終わり方はとてもよかった。

    地の文がちょっと読みづらいと思ったけど、それについては解説で井辻さんが書いていた。
    「ファンタジーにおいて、語り手が魔法のない世界に身を置いて語るのはNGである。語られている世界とひとつでなければならない。このテクスト自体が閉じた魔法書である。」というような内容で、そこまで考えられていたのかと納得。閉じた魔法書って、素敵だなあ。

  • 復讐モノかぁ...苦手だなぁ...
    と思ったのに買ってしまった本。笑

    登場人物の思考や信念の深さがとてもリアルで、読むのが大変だと思うのに読み進めている自分がいた。
    とっても不思議な体験!
    ファンタジーが好きで小学生の頃から分厚いハードカバーの本を読み漁ってた私だけど、とても新鮮な物語だなぁと思った。

    魔法モノ王道ファンタジーに飽きてきたなぁと思う人におすすめしたい♪

  • 魔術と魔術師と魔術書を巡るファンタジー。

    「右手に月石。
    左手に黒曜石。
    口のなかに真珠。
    カリュドウは三つの品をもって生まれてきた。」

    淡々と綴られる文体ながら、魅力的な書き出しとそれに続く緻密な物語構成が心地良い。
    ただ、登場人物の心情が変化する描写、また登場人物同士のいだき合う心情が変化する描写が、あっさりしすぎているように感じられる場面があったのは少し残念。

  • 大好きな魔法系。たまに混乱しつつも読みごたえがあって楽しめました。壮大な物語☺︎

  • グダグダの長編にイラっとして又新しい作家に手を出してしまった

  • 魔術を設定としてではなく、言葉と職人の手仕事として丹念に描かれていてリアルに感じられる。
    複雑な説明抜きで魔法の世界に入っていけるのは、表面的な世界観ではなく人々の営みがしっかり書かれているからと思う。
    凄惨な場面もあるが、その分物語に引き込まれた。

    ちょっと気になったのは、
    とある魔法による【体験】が強烈すぎて、主人公個人としての成長や葛藤が分かりにくくなっている点。
    ある意味決まった結末に向かう話なので、謎の解明や人間的な成長のことがもう少し焦点になってもよかったかなと思った。

  • あーファンタジー読めなくなっちゃったな~
    想像力がなくなったのか、イメージが湧いてこなくて。
    ところどころ面白かったけど、読むのが大変だったという印象。
    シリーズものなので、もう少し他のも読んでみようとは思う。

  • おもしろかった。
    写本師ってかっこいい。魔道師よりも写本師になりたいです、私。
    でもなんかしっくりこないというかすっきりしない感じ。なんでだろう...?
    というわけで次巻を読むか迷い中。

  • 紹介本。
    ふむ。ちょっと飲み込むのに手間がかかったけど、
    馴れたら良かった。

  • はじめて読む作家。
    ファンタジーも久々。
    確立された魔法と転生の世界観。
    それらのファンタジー要素のなかで
    心の奥底にある秘密に辿り着く最期。
    一気に読ませていただきました。

  • 師匠と友達を魔導士に殺された少年が復讐をする物語。
    魔導士ではなく、本を書き写す写本師となり、書いた言葉に魔力を宿す夜の写本師となり戦いに挑む。
    で、その主人公は何度か生まれ変わっていて、その都度復讐相手の魔導士に魔法の力を奪い取られてきたことも復讐の理由の一つとなる。
    クライマックスの戦いの場面が意外とあっさりしていたり、悪者の魔導士が人の魔力を奪うことに執着する理由がいまいちはっきりしなかったりという点はあるが、マンガとかゲームになったらおもしろいかもしれない。

  • 久々の上質なファンタジー。例えば季節の花々、囁く鳥の声空模様のくだりで季節はいつといわれずとも、そうと感じるような表現力。それはファンタジーでありながら私達が現実で知る動植物が生息しているから、また地中海沿岸を思い起こさせる人々の営みが描かれているからかもしれません。エキゾチックでいてオリエンタルを感じさせる文化と魔法の数々。魔法のシーンはそれは美しく恐ろしいです。読みだすと全てを知りたくてやめられなくなります。きっとこの作品自体にきっと魔法が息づいているのかもしれませんね。つまりは最高面白かった。

  • 現役作家さんでこのような上質で堅いダークファンタジーを書いてくれる人がいらっしゃったとは! 視点切り替えが多い点と、主人公を突き動かす負の感情の粘度が若干不足している点とが気になりましたが、世界観が大好きです。今後も追い続けたい作家さんとなりました。

  • 2015.10/22 大好物っ♡善悪単純でなく出会うモノ皆に表も裏もある。魔法も同じ。そしてそれを学ぶための魔法書の写本に焦点を当てているのも奥深さを醸し出して素晴らしい。佐藤さとる、ミヒャエル・エンデ、ロバート・A・ハインライン、上橋菜穂子諸氏と肩を並べても良いのではないかと思える程のデビュー作!!今後が楽しみな作家さんを知ることができて感謝です。

  • 唐突な展開が多く、何度も前のページを読み返したりしてしまったけど、面白かった。
    千年の話がぎゅーっとつまっており、シルヴァイン、ルッカードの話は自分が物語中にぐるりと入り込んでしまったかのような錯覚を覚えるほどだった。
    写本師というものもとてもいい。

  • 久しぶりに面白いファンタジー。

    個人的には、淡々とした感情移入ができないものは、あまり好きではないけど、それ以上に惹きつけられるものがあった。
    自分自身が成長していく姿も、前世を辿って全てを内包していく姿も、復讐をとげてからのその後の在り方も、好感が持てたというのも大きいかな。

    他にもシリーズがあるみたいなので、機会があれば読みたい。

  • まぁまぁでありました。ファンタジーは魔法ものは初めて。割と、あとがきの2,3ページがファンタジーの中でも、魔法、魔術の扱いに関する歴史に触れてて、本書の相対的な位置付けを教えてくれたので、なるほどとも思えた。

    魔術、そして女性性にも重きを置いてるとのこと。個人的にはいまいち重厚さは感じられなかったが、、、。

  • とてもファンタジーらしいファンタジーだった。
    闇が必ずしも悪ではない所に東洋を感じる。
    写本師って良い。

  • 最初は少し入り込みにくかったものの、物語が進み出すと夢中で読めた。面白かった。
    丁寧な描写の言葉の数々を、頭の中で組み立てながら想像していく作業は、深いファンタジーの世界に誘ってくれる。季節の移り変わりが美しかった。
    女の強い情念が渦巻いている本。

  • 知り合いのお気にの本。1冊にぎゅうっと1000年が凝縮。よくある万能覚醒ラノベとは一線を画す危うい強さもいい。幻想設定も面白いんだけど、何より人間の情念が濃すぎてこの本自体が生きているよう。まさに写本師が書く魔法書。情景を頭に描ける描写力も恩田陸並です。文字や本でトラップ発動…どこかで見たなと思っていたら、JOJOのエコーズがそうだったなと。言霊物が読みたくなりました

  • ものすごくファンタジーが読みたくなって手を出しました。魔道士や魔法のことがとても便利なものという世界ではないこと、そして主人公のカリュドウは魔道士でなく写本師であることというのがなんかすごく好きでした。夜の写本師てかっこよすぎない。三人の魔女の運命を〜というのがすごく女っぽい。女の執念と愛と憎しみっぽい。そしてあーーーアンジストあーーーー!ってなりました。悪いいけめんっていい。あと、キアルスのキャラクターがすごく好きで、そしてイスルイールもめっちゃ好きでした。カリュドウの最後の落ち着きっぷりもよかったです。キアルスの話も読みたいと思ったし、エマの話もしてって気持ちで、エイリャの話ももっとききたい。でも最後の怒涛の展開に置いていかれそうになりました。

  • 難しい表現を使うかと思いきや、突然そぐわない表現を使ったりする。
    展開も早いし、あんまり面白くないかも…と読み進めるか悩みながら進んだけど、
    パドゥキア編に入った頃にはそれにも慣れて、続きが気になって読めるようになりました。

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著者プロフィール

山形県生まれ。山形大学卒業。1999年、教育総研ファンタジー大賞を受賞。『夜の写本師』からはじまる〈オーリエラントの魔道師〉シリーズをはじめ、緻密かつスケールの大きい物語世界を生み出すハイ・ファンタジーの書き手として、読者から絶大な支持を集める。他の著書に「紐結びの魔道師」3部作(東京創元社)、『竜鏡の占人 リオランの鏡』(角川文庫)、『闇の虹水晶』(創元推理文庫)など。

「2019年 『炎のタペストリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

乾石智子の作品

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