太陽の石 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488525040

感想・レビュー・書評

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  • 魔道師が前世の記憶を追体験しつつ物語が進むシリーズ。展開自体は面白いが、切り替わりがわかりにくいのは毎度のこと。そして毎回クライマックスで筆が遊び過ぎてポエミー炸裂、ページの殆どを埋める余計な詩に描写が埋もれて結局何が起きたのか理解不能。総評、惜しい。

  • 拾われて育ったデイスが、山でひょんな事で蘇らせたリンターという魔術師に半ば強引に付いてくるように脅されて村を出て旅をすることになる話。一緒に付いてきた姉の存在で嫌な予感はしましたが、やはり予想は的中しました。過去はなかなか凄惨なものでしたが、道中はそれほど苦難もなく着々と進んでいったので、楽しく読めました。出来ればみんな生きていたらと思わざるをえませんが、負けずに強く生きていってほしいなと思います。

  • オーリエラントの魔道師シリーズを
    読み始めて3作目。

    シリーズで初めて ラストに胸をなでおろしました。

    ファンタジーであるからには
    冒険や試練、宿命、永劫などの言葉から
    物語は逃れられないのだと思いますが

    この作品からはたくさんの人の多くの笑顔や幸せが
    春に咲く花のつぼみのようにほころび始めています。

    ふっと空を見上げて にっこり微笑みたくなる
    そんなファンタジーでした。 

  • オーリエントシリーズのなかで一番のお気に入りです
    色彩の描写きれいですき

  • 魔導士の月から800年後の世界。過去(300年)と現在を行き来しながら壮大な兄弟喧嘩を繰り広げる魔導士イザーカト兄弟の話。というと身も蓋もないが、なぜナハティが闇に堕ちたのか、リンターは何をしようとしているのか、他の兄弟たちはどうなったのか明らかになるにつれ、切なさが増していく。ピュリアンやネアリイ、デイスの成長と関係の変化を好ましく思えば思うほどこの結末は切ない。今回も魔法の表現が独特で圧倒される。最後の闘いの描写は解説でもあったが、全然どんなんだか具体的に想像できないけど、納得せざるをえない凄まじさだった。シリーズの中では一番すきだ。

  • 前巻の記憶が色濃く残っているうちに読みました。
    舞台は、前巻から約840年後の世界です。
    イザーカト兄弟の物語が主軸にあるのですが、今作でも遥か昔の回想シーンがあったり、他国の人が登場したり、本当にどこまでも世界が膨らみます。

    魔道師といっても、時代によっても国によってもまるで違います。切り取られた箇所によってこうも違った姿を見せるのかと、まるで私たちの世界の歴史を眺めるかのような面白さです。

    今回は、死を司る闇と生を司る大地(緑)とのコントラストが印象的でした。魔道師はどうしたって闇と切り離せない。そして、闇は世界から消し去ることはできない。
    闇を内に抱える以上、冷酷な部分も見え隠れしますが、どんなに関係が壊れていても、兄弟の縁は切れないものですね。
    憎悪の念は、飲み込まれてしまうと、その人を滅ぼすほど恐ろしいものながら、憎悪に身を燃やしている間は虚無感がなくせるなら、辛い喪失体験をした人に恨むなと言うのは酷かもしれない。それでも、その人が大切ならあえて恨まないでと言える強さがほしいです。

    どこまでもファンタジーな世界ですが、まさかあんな人類の敵が登場するとは思いませんでした。
    最初からそうですが、なかなか残酷でおぞましいシーンもたくさんありますよね。人が人でなくなるシーン。
    この壮大な世界観、ゲームにしたらすごく面白そう。

    次はどんな世界を見せてくれるんだろうと、楽しみな気持ちでいっぱいです。

  • 今まで読んだ中では、一番好き!
    久しぶりに好き、と断言できるなぁ。。

    色々な人が亡くなって寂しかったけど、人も大地も、また生まれ変わることができる。

  • テンポよくどんどん進むのはさすが、言葉の羅列でなんだかすごいことが起こっている場面を作り出す。そのスピードに引っ張られて読んで、そして辿り着いたラストの情景が印象的だった。
    生い茂る木々や草木、光の中で、イリアとデイサンダーの胸には消えることのない哀しみが在る・・・。しんとした静けさが、それまでの血で血を洗う激しさと対照的で印象に残った。

  • 面白かった!この方のお話は込み入りすぎてて、こんがらがるのもあるんですが、これはけっこうわかりやすい大活劇でした。

  • 「夜の写本師」「魔道師の月」とは直接(今のところ)繋がらないけれど、同じ世界の話。いつもの乾石マジックに翻弄されながらリズムよく世界が広がっていくのが心地よかった。

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著者プロフィール

山形県生まれ。山形大学卒業。1999年、教育総研ファンタジー大賞を受賞。『夜の写本師』からはじまる〈オーリエラントの魔道師〉シリーズをはじめ、緻密かつスケールの大きい物語世界を生み出すハイ・ファンタジーの書き手として、読者から絶大な支持を集める。他の著書に「紐結びの魔道師」3部作(東京創元社)、『竜鏡の占人 リオランの鏡』(角川文庫)、『闇の虹水晶』(創元推理文庫)など。

「2019年 『炎のタペストリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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